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2008年12月31日 水曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

「普天間」移設 日米合意案通りに進めよ(2008/12/31 読売新聞の社説)

  • 2009年度政府予算案では、防衛関係費に839億円の米軍再編経費が計上された。
  • 日米両政府は、2014年に普天間飛行場の県内移設と海兵隊8000人のグアム移転を実現し、普天間など6米軍施設を日本に返還することで合意している。
  • 米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄の負担を軽減するという点で、バランスのとれた計画だ。
  • 沖縄県は、キャンプ・シュワブ沿岸部に建設する普天間飛行場の代替施設案に同意せず、施設の沖合移動を求めている。
  • だが、ゲーツ国防長官の留任が決まり、その可能性は極めて小さくなった。
  • 今後は、やはり日米が合意した案通りに移設を進めるのが、普天間飛行場の返還を実現する近道だろう。
  • 防衛費の減少は7年連続である。
  • だが、近隣諸国を見渡せば、中国、ロシアは無論、米国、韓国、インド、豪州も近年、そろって国防費を大幅に伸ばしている。
  • 日本だけが防衛費を大幅に削減し、安全保障を軽視しているという誤ったメッセージを送るのは避けねばなるまい。

中国経済減速 社会不安すら起きている(2008/12/31 読売新聞の社説)

  • 「世界の工場」ともてはやされた中国が、急速な景気減速に見舞われている。
  • 工場閉鎖による労働争議が頻発し、社会不安も増大している。
  • 南部の沿海地方を中心に、欧米向け輸出用工場が閉鎖され、賃金不払いによる労働争議や経営者の夜逃げが、連日のように伝えられている。
  • 不況で顧客が減ったタクシー運転手の待遇改善を求めるストライキは、全国に拡大している。
  • 例年なら春節(旧正月)直前に発生する出稼ぎ労働者の一時帰省ラッシュが、数か月前から始まっている。異常事態である。
  • 中国では2003年から5年間連続で、国内総生産(GDP)の実質成長率10~11%台という驚異的な経済発展を遂げた。
  • 今年の年間成長率も、1けた台に転落すると予想されている。
  • 胡錦濤総書記は、改革・開放路線を清朝崩壊の辛亥革命、新中国建国に次ぐ、「第3の革命」と位置づけた。
  • 胡指導部にそこまでの決意があるのなら、建国60年を迎える来年は、政治分野における改革・開放策も打ち出してほしいものだ。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

記録的な株安を将来の変化への一歩に(2008/12/31 日経新聞の社説)

  • 日経平均株価はこの1年間に42%も下がった。
  • 米国発の金融危機が、主に2つの要因によって日本の株式市場を襲ったからだ。
  • まず、米景気の悪化が世界に波及し、日本企業の業績が急激に悪化した。
  • 景気悪化が新興国に波及したことは日本企業の誤算になった。
  • 上場企業全体でも、今期は前期に比べ3割以上の連結経常減益とみられている。
  • 日本の市場に打撃を与えたもう1つの要因は、株式の需給関係の世界的な悪化だ。
  • 金融危機深刻化で萎縮した投資家は株を売却、安全資産の米国債などに乗り換えた。
  • 借入金を使って投資していたヘッジファンドなどが資金借り換えができず、株の売却を強いられた影響も大きい。
  • 技術や経営の革新こそが、企業価値を長期的に高め、グローバル競争に勝ち残る条件であることを、経営者はあらためて認識すべきだ。
  • 投資家が直面する危機は、自らの生活設計を踏まえてリスクとリターンをもう一度考える、投資再出発の契機でもある。

「自・民有志」年金提言の意義 (2008/12/31 日経新聞の社説)

  • 自民、民主両党の衆院議員7人が公的年金制度の抜本改革を求める提言を連名で発表した。
  • これからの改革は人口構造の少子・長寿化や経済成長の鈍化で、高齢者の給付抑制や現役世代の負担増など各世代に痛みを求めざるを得ず、各党がそれに目をつむり人気取りに走れば制度の持続性が危うくなるからだ。
  • 政党間合意にすぐ結びつくわけではないにせよ、重要でかつ難しい政策課題について半年間、議論を重ねて共通の理解や基盤ができたことに意味がある。
  • 密室での協議には異論もあるだろうが、年金制度の持続性を高めるために厚生労働省の手を借りずに真摯(しんし)に合意を探る努力を続けたことは評価できる。
  • 提言は公的年金について1階部分の基礎年金は消費税など税財源で賄い、2階部分の報酬比例年金は自分が払った保険料が将来、自分に戻ってくる積み立て型に衣替えする案を示した。
  • 国民に渦巻く年金不信の緩和に向けた1つの考え方だろう。
  • ほかの政策分野でも超党派の取り組みがもっとあっていい。
  • 外交、環境、税制や人口減時代に外国人をどう受け入れるかなどについても、国民本位の視点で政策論議を深め、共通の理解や基盤を醸成すべきときだ。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

公益法人改革―「民の力」が育つように(2008/12/31 朝日新聞の社説)

  • 社団・財団法人の公益法人制度が今月、約110年ぶりに改められた。
  • もうひとつ、NPO法人も根拠となる法律の施行から丸10年がたった。
  • 新制度では主務官庁制をやめ、登記だけで設立できる原則にした。
  • そのうえで、新設する第三者委員会が公益性を認めれば、寄付金控除など手厚い税優遇を受けられる新しい「公益社団・財団法人」になれる。
  • 公益性の認定条件が厳しく、申請などの事務作業も膨大だ。
  • 一方、市民も加わった議員立法で生まれたのがNPO法人の制度だ。
  • こちらも内閣府などの認証で設立された後、さらに国税庁に認められれば寄付金控除などの優遇がある「認定NPO法人」になれる。
  • 公益法人にせよ、NPO法人にせよ、税の優遇を受けるには厳しい条件を満たす必要がある。
  • 二つの制度とも法人側の負担が大きすぎる。

チベット問題―いまこそ対話の好機だ(2008/12/31 朝日新聞の社説)

  • チベットで揺れた年だった。
  • 今月には、欧州連合(EU)議長国・フランスのサルコジ大統領が、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世と初めて会談し、中国の猛反発をかった。
  • サルコジ氏が中国の強い反対にもかかわらず会談に踏み切ったのは、人権重視の国内世論に配慮しただけでなく、中国側にダライ・ラマとの対話の重要性を改めてアピールする狙いがあったに違いない。
  • 「独立ではなく高度の自治」というダライ・ラマの「中道路線」には変わりがない。
  • だが、中国当局は「事実上の独立を目指している」と受け付けない。
  • そんな中国の姿勢に、チベット社会では若者を中心に「独立」を求める強硬路線が勢いを増している。
  • 中国はやはり、チベット社会で幅広い支持を得ているダライ・ラマとの対話を進めるべきだ。
  • 日本政府はチベット騒乱後、欧米のように大声ではなく、静かにねばり強く中国に対話路線を説得した。
  • 「メンツを大切にした日本外交が功を奏した」という声が中国内で出たほどだ。
  • 日本流の働きかけを続けるべきだ。
引用元:asahi.com

産経新聞

中国08憲章 政治改革は避けられない(2008/12/31 産経新聞の主張)

  • 来年は新中国建国60周年、天安門事件20周年に当たる。
  • この時期を見計らい中国内外の民主派勢力が今月10日、共産党独裁体制の終結を求める声明(「08憲章」)をインターネットを通じて発表した。
  • 自由、人権、平等、民主の普遍的理念に基づき(1)憲法改正(2)三権分立(3)司法の独立(4)公職選挙(5)(文民統治を徹底する)軍隊の国家化(6)私有財産保護(7)自由民主の原則のもとに台湾や諸民族が参加する中華連邦共和国の建国-など、19の主張を盛り込んでいる。
  • 憲章公開から2週間余りの間に内外の中国人6000人以上の署名を集め、なお増え続けている。
  • 改革・開放30周年を記念する18日の胡錦濤国家主席の演説は中国が「人民民主独裁の社会主義国家」であることを強調、「安定がなければ獲得した成果も失う」などと保守的な姿勢が目立った。
  • しかし真の安定を確立するには、もはや政治改革を避けては通れないところに来ている。
  • 一部の特権層が不当な手段で富を独占し、極端な格差を生んだことが内需主導の成長を妨げている。
  • 民衆の不満は鬱積(うっせき)している。
  • 真の民主化に向けた政治改革の具体的な段取りを示さない限り、天安門事件の再来もありえないことではない。

時効 撤廃も視野に深く論議を(2008/12/31 産経新聞の主張)※全文引用

  • 殺人など凶悪事件に時効は必要なのか。
  • 東京都世田谷区で宮沢みきおさん一家4人が殺害された事件は、30日で発生から8年が経過した。
  • 時効まであと7年だ。
  • 無差別に人を殺傷するなど、凶悪事件が後を絶たない中、被害者・遺族らの感情に配慮し、「時効制度」を見直すべきかどうか、広く論議する時期にきているのではないか。
  • 時効は刑事訴訟法で、最大15年(殺人罪など)となっていたが、事件の凶悪化や平均寿命の延びなど、現在の社会情勢を考慮して、平成16年に刑訴法が改正され、翌年以降に発生した事件の時効は、10年間延長され25年となった。
  • ただ、海外へ逃亡中などの期間は時効は停止される。
  • 殺人などで最愛の妻や子供を亡くした遺族にとって、時効制度の存在そのものが納得できないと思うのは、当然であろう。
  • 時効後に、その事件の容疑者が現れても、刑事責任は問えないことになっているからだ。
  • 宮沢さんの両親は、先ごろ開いた記者会見で、「犯人が生きている限り法の裁きを受けさせたい」と涙ながらに語り、殺人事件の時効制度撤廃を強く訴えた。
  • また、東京都葛飾区で平成8年に発生した上智大生殺害事件は、時効まで3年を切った。
  • 父親は「いてもたってもいられない気持ちだ」と現在の複雑な心境を語り、やはり制度の撤廃を強調した。
  • 宮沢さんら遺族は来年、未解決事件遺族の会を結成して時効撤廃運動を展開し、国民に理解を求めていくという。
  • 時効は年月がたつと、証拠が散逸し、被害者感情も希薄になっていく、というのが主な理由とされている。
  • しかし、今は警察の鑑識技術も進み、とくにDNA鑑定の精度は飛躍的に向上している。
  • DNA鑑定が容疑者に結び付き、解決する例も目立つ。
  • さらに、捜査手法もさまざまな方法が取り入れられている。
  • 典型的なのが証拠が乏しく、目撃情報も少ない事件の捜査で、各種の統計データや心理学的手法を用い、容疑者像を割り出すプロファイリング捜査が行われている。
  • このような現状を考えれば、殺人など凶悪、重大事件に限り、時効制度を維持していくか、撤廃も視野に検討する必要があろう。
  • 被害者・遺族にとってはどんなに月日が経過しようと容疑者への憎しみはかわらない。

毎日新聞

08年を振り返る 国家のきしみが聞こえる(2008/12/31 毎日新聞の社説)

  • 米国の金融危機は日本を巻き込み、国内事情と絡んで危機が深まる。
  • 明るい材料は4氏へのノーベル賞だが、「昔の研究が認められただけ。日本は将来ノーベル賞学者を出せるか」と危ぶむ声もあり、快挙は「知の現場」のお寒い現状を意識させた。
  • 数々の不祥事を抱える社会保険庁では年金記録の組織的改ざんが発覚し、国家機能の「腐食」は目を覆わんばかりになった。
  • 「後期高齢者」という言葉などに対するお年寄りの反発は、静かな「一揆」ともいえるものだった。
  • 頻発する非正規雇用労働者らのデモは、労働運動が低調な日本にあって、精いっぱいの抵抗ともいえよう。
  • 田母神(たもがみ)俊雄航空幕僚長(更迭・定年退職)の論文問題は、日本の文民統制(シビリアンコントロール)に重大な懸念を抱かせた。
  • 米ブッシュ政権は北朝鮮の核問題を解決できない上、北朝鮮へのテロ支援国家指定も解除した。
  • イラクやアフガニスタンをめぐる論議も低調だった。
  • ケネディ大統領の特別補佐官を務めたアーサー・シュレジンジャー氏はブッシュ時代について「アメリカが海外でこれほど不評であったことはかつてなかったし(中略)これほど信頼を欠き、恐れられ、憎まれたこともなかった」(「アメリカ大統領と戦争」)と酷評する。
  • だが、日本がイラク戦争をいち早く支持したことを忘れてはならない。
引用元:毎日jp

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