カテゴリー>2008年11月の社説

2008年11月4日 火曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

無保険の子ども きめ細かな対応が必要だ(2008/11/04 読売新聞の社説)

  • 世帯主が国民健康保険の保険料を長期間滞納しているために、保険証を返還させられることがある。
  • こうした保険証のない“無保険”状態で、中学生以下の子どもがいる家庭が全国に1万8200世帯あり、無保険の子どもの数は3万2900人に上ることが、厚生労働省の調査で分かった。
  • 1年以上滞納が続くと保険証は返還させられ、「被保険者資格証明書」が交付される。
  • 資格証明書で病院にかかると、いったん全額自己負担となり、国保が払う分は申請しなければ戻ってこない。
  • 厚労省は今回の調査結果を受けて、市町村に対し、機械的に資格証明書へ切り替えることはしないように求め、資格証明書の世帯に子どもがいる場合は、柔軟に短期保険証を出すよう通知した。妥当な措置である。
  • 子どもには別に、通常の保険証を出す仕組みを検討することも一案であろう。
  • 滞納者がどのような事情で滞納を続けているのか、より詳しい調査と分析も必要だ。

スーダンPKO 積極派遣へ「待ち」を改めよ(2008/11/04 読売新聞の社説)

  • 政府は、スーダンの首都ハルツームにある国連スーダン派遣団(UNMIS)司令部に陸上自衛隊員2人を派遣した。
  • 今年初めに検討を開始し、要員の出発まで9か月もかかった。アフリカでの任務は久々とはいえ、わずか2人を派遣するのに、時間を要しすぎたのではないか。
  • スーダン南部に展開するUNMISや、他のアフリカでのPKOに将来、部隊を派遣することを視野に入れて、陸自に適した派遣先や任務がないか、積極的な情報収集にも努めてもらいたい。
  • 今年9月末現在、日本のPKO派遣者数はわずか36人で、世界82位にとどまっている。日本の国際的発言力を高めるためにも、PKO参加の拡大は急務だ。
  • 政府は来年、安全保障の基本方針などを定めた「防衛計画の大綱」を改定する予定だ。自衛隊の国際平和協力活動を強化する方向で、部隊編成や正面装備の導入計画を見直すことが重要だ。
  • 陸自の中央即応集団には、PKO派遣で先遣隊の役割などを担う700人規模の中央即応連隊や、国際活動教育隊が所属している。機能強化を検討すべきだ。
  • 国際活動に適した装甲機動車や輸送ヘリコプターの拡充や、航続距離の長い次期輸送機の早期導入も優先的に進めるべきだろう。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

低炭素社会への道 景気後退でも手を抜かぬ温暖化対策を(2008/11/04 日経新聞の社説)

  • 麻生政権は揺れる経済情勢のもとでも温暖化対策を加速させ、世界をリードすべきである。
  • 麻生政権で温暖化対策の最初の仕事は、温暖化ガスの国内排出量取引の試行開始である。
  • 欧州連合(EU)に比べかなり出遅れているものの、試行にこぎ着けたのは前進であり、評価したい。
  • だが、制度を子細に見るとやはり問題点が多い。
  • 排出量取引は排出削減に経済的価値を与えて、排出削減を促す制度だ。
  • 排出総量の削減が狙いだから、企業ごとに排出上限(キャップ)を割り振って削減を義務づけ、過不足分を売買させるのが基本だ。
  • 制度はどんなものでも実効性のあるよう設計するのが原則だ。早い段階で実効性のある制度に変えるべきだ。
  • 排出量取引で知恵を絞らなければならないのは企業への排出枠の配分である。
  • 必ずしもEUにならう必要はないが、政府が「国際的なリーダーシップにつなげる」ことを意図しているなら、もっと磨きをかけた制度にすべきである。
  • 日本の事情に即しながら世界にも通用する配分方式を提案しないと、国際的に見向きもされない。
  • 2050年に世界の排出半減という前提で大排出国の中国やインドにも排出目標を認めさせるには、日本が世界の納得する中期目標を示す必要がある。
  • 12月には国連気候変動枠組み条約の締約国会議(COP14)があり、来年末の締約国会議(COP15)には「ポスト京都」の枠組みが決まる。
  • 日本が主導権を握るためには排出量取引制度の整備や中期目標の設定など排出削減で先んじる姿勢、低炭素社会づくりを先導する政策展開が必要だ。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

若者と大麻 興味本位の代償の大きさ(2008/11/04 朝日新聞の社説)

  • 大麻を売買したなどとして慶応大生が逮捕された。
  • 昨年、全国で大麻に関係して3282件が検挙された。過去最多だ。
  • ほかの薬物と比べて若い世代に広がっているのが特徴で、検挙されたうち7割近くを未成年と20歳代の若者が占めた。
  • 背景にあるのはネット社会だ。
  • たとえば大麻の種子を手にいれようと思ったら、ネット経由で販売業者から購入できてしまう。
  • そして一人が手を染めると、まわりに一気に拡散しやすい。
  • もし友人を誘っていたとすれば、その罪は深い。
  • さらに心配なのは、大麻がほかの不正な薬物への入り口になるケースがあることだ。
  • たとえば大麻の売人から、依存性の強い覚せい剤などを勧められることもある。
  • 大麻の先に、そんな落とし穴が待ち受けていることも忘れてほしくない。

保険証取り上げ 払えぬ人に適切な減免を(2008/11/04 朝日新聞の社説)

  • 市町村の国民健康保険で、世帯主が保険料を1年を超えて滞納しているために保険証を取り上げられた世帯が全国で33万あり、その世帯には子ども(中学生以下)が3万3千人いる、と厚生労働省が公表した。
  • 保険証がないと、かかった医療費の全額をいったん病院の窓口で払わなければならない。
  • 「払えるのに払わない人」には厳しい措置が必要だ。
  • 問題は「払いたくても払えない人」がいることだ。
  • 今回の調査でも、滞納世帯のうち保険証を取り上げられた世帯が2割を超す自治体があれば、1%未満の所もあり、ばらつきが目立つ。
  • 滞納者と接触しようと電話連絡や訪問をしている自治体は約7割にとどまり、休日もそれをしている所は2割台しかない。
  • 調査を受けて厚労省は、子どもが病気で、かつ医療費の支払いが難しいと申し出があった場合は、短期間の保険証を出すよう都道府県に通知した。
  • 保険料を払えない世帯には支払いを減免する制度をきちんと機能させることが、本質的な解決策ではなかろうか。
  • 国民健康保険には、保険料を負担しにくい非正規労働者や失業者が増えた。
  • それによって、払える人の保険料が上昇してサラリーマンの健保より国保の方が負担感が重くなり、「払わない人」を増やす要因にもなっている。
  • この点の改善も今後の検討課題だ。
引用元:asahi.com

産経新聞

北の拉致対応 追加制裁で一段の圧力を(2008/11/04 産経新聞の主張)

  • 麻生内閣は「拉致問題が進展しない限りエネルギー支援に加わらない」とする従来の方針を引き継ぐ考えを示したにもかかわらず、北からは公式に何の連絡もない。
  • 現在、北朝鮮に対し、「万景峰号を含むすべての北朝鮮籍船の入港禁止」「北朝鮮からの全品目の輸入禁止とぜいたく品などの輸出禁止」「在日北朝鮮当局職員(北の国会議員にあたる朝鮮総連幹部)の再入国の原則禁止」などの制裁を加えている。
  • だが、制裁が事実上、骨抜きになっている項目もある。
  • 例えば、北朝鮮籍でなくとも北がチャーターした外国船籍の船なら日本への入港は可能とされる。
  • また、拉致問題に詳しい西岡力氏が本紙「正論」欄で指摘しているように、朝鮮総連幹部が北京経由で北に入る場合、再入国の申請書類に渡航先を「中国」と記入すれば再入国が許可されるという。
  • これまでの制裁がどの程度、効いているかを検証し、北が真剣に拉致問題の再調査に取り組まざるを得ないよう、より効果的な追加制裁を検討すべき段階である。
  • 北が本当に欲しがっているのは世界銀行やアジア開発銀行からの融資だ。日本は、これらの銀行に多額の資金を拠出している。拉致問題が進展していないことを理由に対北融資には強く反対すべきだ。
  • 警視庁は朝鮮総連傘下の在日本朝鮮東京都新宿商工会などを税理士法違反容疑で家宅捜索した。総連の関連団体の不正にくまなく目を光らせることも重要だ。
  • 北が不誠実な態度をとり続けている今は、制裁カードによる圧力を強めるべき時期である。
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