カテゴリー>2008年10月の社説

2008年10月29日 水曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

イージス艦情報 甘い管理体制が断罪された(2008/10/29 読売新聞の社説)

  • 海上自衛隊のイージス艦情報流出事件で、横浜地裁は、日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法違反の罪に問われた3佐に懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決を言い渡した
  • 判決は、流出した情報について、「第三国に渡った場合、日本の安全を害する恐れすらあった」と認定した
  • 無論、3佐の責任は重大だが、コピーの野放し状態を許した組織の体質こそが問題だ
  • 防衛に対する理解を深めてもらうために公開すべき情報がある一方で、流出すれば国益を損なう重要情報は、厳重に秘匿する必要がある
  • 事件は、米国に強い不信感を与えた
  • 航空自衛隊の次期主力戦闘機の選定作業で、米国は有力候補のF22の対日輸出に慎重な姿勢を見せている
  • 近く出される予定の報告書で、再発防止策を示し、秘密保持の体制を確立することが、米国の信頼回復にもつながる

新銀行東京 撤退して都の責任を全うせよ(2008/10/29 読売新聞の社説)

  • 東京都が出資する「新銀行東京」の元行員が、元暴力団員やブローカーと結託し、5000万円の融資金を銀行からだまし取った疑いで警視庁に逮捕された
  • 手口を指南したのが元行員である
  • 不正に手を貸した内部関係者も一人ではあるまい 捜査の手を緩めず、すべてあぶり出さねばならない
  • 読売新聞は新銀行の構想段階から、無担保融資でリスクを的確に見抜けるのか、融資に政治家が介入する恐れはないか、失敗すれば都民の税金がつぎ込まれる、と懸念される点を指摘していた
  • 責任追及と並行して、撤退の道を探るべきだ
  • 新銀行東京の経営が傾いた原因は金融危機とは別物だ
  • 都民のみならず、国民の税金まで使うべきではない
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

経済の逆風緩和へ原油価格安定を望む(2008/10/29 日経新聞の社説)

  • 石油輸出国機構(OPEC)が11月から産油量を日量150万バレル減らすことを決めた
  • OPECは追加減産も検討するといわれているが、加盟国の間に思惑の違いがある
  • ばらまき財政を続け、1バレル100ドル以上を期待するイランやベネズエラなどに対し、最大の産油国サウジアラビアは「需要の確保」に力点を置き、原油価格が大幅に再上昇することをむしろ警戒している
  • 原油価格の下落は石油消費国にとって減税と同様な経済効果がある
  • ただし、原油価格の大幅下落がさらに続くと、新たな石油開発投資の停滞などを招き、中長期的な世界のエネルギーの安定供給に悪影響を及ぼす可能性がある
  • 地球温暖化対策で重要な再生可能エネルギーの開発を促すためには、石油が安すぎても困る
  • 金融要因による価格変動の行きすぎが修正された後に重要なのは、産油国の景気失速が避けられ、消費国も受け入れられる水準での原油価格の安定だ

地政学リスクとIMF支援(2008/10/29 日経新聞の社説)

  • 米国発の金融危機がパキスタンやウクライナといった地政学的に重要な国々の経済を直撃している
  • 国際通貨基金(IMF)の緊急融資を早急に実施する必要がある
  • 金融危機が政情不安に追い打ちをかければ、地政学的リスクが一段と増すからである
  • パキスタンは(略)国際テロ組織アルカイダやタリバン武装勢力が拠点を置くアフガニスタンと国境を接し、深刻なテロの脅威にさらされている
  • ウクライナも(略)2004年の民主化運動を経て親米欧派のユーシェンコ政権が誕生したが、国内では親米欧派と親ロシア派の対立が続く
  • パキスタンは中国やサウジアラビアにも支援を要請しているが、政治的思惑が絡む支援に偏れば、地域の均衡を崩す恐れもある
  • IMF融資は見返りに緊縮財政など厳しい条件を付けるのが通例だが、政治的リスクを抱える国への緊急融資には、柔軟かつ迅速な対応も必要だろう
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

新銀行東京 都の責任で静かに閉店を(2008/10/29 朝日新聞の社説)

  • ずさんな融資で経営難に陥っている新銀行東京を舞台に、不正融資事件が発覚した
  • 改ざんした決算報告書を提出して営業実態のない会社へ5千万円を融資させた疑いで、元行員らが警視庁に逮捕された
  • 銀行の内部調査では、このほかにも不正が疑われる融資が30件以上も見つかっているという
  • 都議や国会議員秘書らの口利きが500件以上にのぼり、融資直後に破綻(はたん)したケースもあったという
  • こうして焦げ付きが膨らみ、開業3年で累積赤字が1千億円に達した
  • 都は他の金融機関との提携で延命させる道を探ってきたが、そこにいまの世界金融危機が追い打ちをかけた
  • 預金者や融資先にできるだけ迷惑をかけぬよう注意しつつ、早く業務を整理縮小し、あるいは預金や融資を他の金融機関へ売却する
  • こうやって銀行を静かに閉店させることが、損失を少しでも抑える唯一の道だろう
  • そのとき損失が出たなら、政府ではなく都の責任で処理する以外にない

伊藤ハム 企業倫理へのきつい教訓(2008/10/29 朝日新聞の社説)

  • 千葉県にある伊藤ハムの工場で、ウインナーやピザをつくる時に使っていた地下水から、基準を超すシアン化合物が検出された
  • ところが、この工場は何の手も打たないまま、その後も約3週間にわたり、同じ水で商品をつくり、全国へ向けて出荷し続けていた
  • 汚染された水を使い続けた間に生産された商品は、26品目、約331万個にものぼる
  • この膨大な商品を回収せざるをえなくなり、せっかくの食品を無駄にすることになる
  • 企業イメージは傷つき、売り上げが落ち込むことも避けられまい
  • ここ数年、食品会社の不祥事は後を絶たない 問題を起こしたあとの対応を誤り、倒産や廃業に追い込まれた企業もある
  • そうした過去の経験から、伊藤ハムはいったい何を学んだのか
  • 対応が遅れれば遅れるほど傷口が広がり、企業の打撃は大きくなる
  • 業界を問わず、そんな当たり前のことを改めて、この不祥事は教えている
引用元:asahi.com

産経新聞

民主党の国会対応 逆戻りでは責任果たせぬ(2008/10/29 産経新聞の主張)

  • 新テロ対策特別措置法改正案の行方が、不透明になっている
  • 衆院解散先送り論が強まる中で、早期採決に応じるとしていた民主党が態度を変え始めたからだ
  • 与党は28日に参院外交防衛委員会で改正案を採決しようと提案したが、民主党は早期解散の前提が崩れたとして拒否した
  • 来年1月に現行法が期限切れとなれば、日本は再びテロとの戦いから離脱することになる
  • 首相と小沢一郎代表との党首討論についても、民主党は自民党の度重なる呼びかけを拒否している
  • 抵抗政党への逆戻りだけはやめてもらいたい
  • 麻生首相も、(略)市場対策、経済対策と選挙対策とを明確に区別し、民主党を共同作業に引き込む努力をすべきだ
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