読売新聞
自動車不況 新興市場と環境技術がカギ(2009/03/03 読売新聞の社説)
- 軽自動車を除く2月の国内新車販売台数は、前年同月より32%も減り、第1次石油危機に見舞われた1974年5月以来、35年ぶりの大きな下落幅になった。
- 08年度の海外生産を含む日本メーカーの減産台数は414万台にのぼる。
- ホンダ1社分の年間生産台数が消える計算だ。
- 1台の車には、1万~3万点の部品が使われている。
- 日本の就業者の8%、約500万人が自動車関連の仕事をしている。
- 販売不振が続く中で、2月に発売されたホンダのハイブリッド車が、目標の3倍の受注を集めた。
- 環境に優しく、手頃な車をつくれば十分、需要はある。
- 日産自動車のカルロス・ゴーン社長も「日本政府の支援を求める」と発言している。
- だが、政府による直接支援は各社の自助努力を鈍らせ、行き過ぎれば保護主義的傾向を招く。
- 政府の支援は、低燃費車への税制優遇措置の拡大など、日本車の特長を伸ばすものに限るべきだ。
イラク米軍撤収 何より治安の改善が前提だ(2009/03/03 読売新聞の社説)
- オバマ米大統領が、イラク駐留米軍の撤収計画を発表した。
- 14万2000人の駐留米軍は来年8月末までにイラクでの戦闘任務を終える。
- その後は、3万5000~5万人の残留部隊が、イラク治安部隊の教育訓練などにあたるという。
- イラクでは、1月の地方選の結果、マリキ首相の政治基盤は強化されたが、12月にも実施される国民議会選挙をにらみ、今後、宗派対立が激化していく恐れがある。
- 石油利権をめぐる争いの火種も、くすぶっている。
- 当初、「来年5月末」とした米軍戦闘部隊の撤収期限を、3か月先へ延ばしたのも、治安維持への不安があるからだろう。
- 大統領は、イラクからの米軍撤収の狙いについて、テロの主戦場とみなすアフガニスタンへの派兵をあげた。
- 包括的な戦略を月内にもまとめ、今夏までに1万7000人を増派する方針だ。
- 大統領は、「イラクの未来は中東全域の将来と不可分だ」と述べ、米国として、中東諸国と連携を深める「包括的関与戦略」を進めていく考えも示した。
引用元:YOMIURI ONLINE
日経新聞
危機深まるEUで新旧対立とは心配だ(2009/03/03 日経新聞の社説)
- 欧州連合(EU)は1日の緊急首脳会議で、通貨不安が高まっている中・東欧加盟国への支援拡大や保護主義の抑止策を協議した。
- 19日からの定例首脳会議を前にわざわざ緊急会議を開いた背景には、チェコとフランスの新旧EU議長国の間で噴出した意見対立がある。
- 昨年後半の議長、サルコジ仏大統領は国内自動車3社への低利融資で「仏国内の生産拠点の存続」を条件付けた。
- これに現議長であるチェコのトポラーネク首相が「経済保護主義の拡大だ」と激しく反発した。
- 通貨フォリント急落に苦しむハンガリーのジュルチャーニ首相は「最大1900億ユーロ(約23兆円)」の中・東欧支援基金の設置を求めた。
- だがEU財政に最大の拠出をしているメルケル独首相は拒否した。
- 「新しい『鉄のカーテン』をつくってはならない」というジュルチャーニ首相の発言は、「新旧対立」の深刻さを印象づける。
- 西欧の大手銀行も中・東欧などに向けて多額の融資をしており、混乱の影響は自らに返ってくる。
- 内輪もめを続けている余裕はない。
中央郵便局の再開発 国辱か(2009/03/03 日経新聞の社説)
- 鳩山邦夫総務相がJR東京駅前の旧東京中央郵便局の局舎再開発に待ったをかけた。
- 昭和初期に完成したこの建物は、かねて文化的な価値について議論されてきた。
- 総務相は2日、現地を視察し「米国流の利益追求主義で重要文化財の価値ある一部を壊したのは国の恥、国辱ものだ」などと話した。
- 日本郵政グループは抱えている多くの不動産の開発事業を収益の柱に位置づけている。
- 総務相は建物の文化的価値をさかんに強調している。
- 先週の衆院総務委員会で「重要文化財の価値があるものをなくすのは、トキを焼き鳥にして食べるようなものだ」とまで答弁した。
- しかし局舎が重要文化財に指定された事実はない。
- 文化財の保護と再生はもっと体系立てて考えるべき国家的な課題だ。
- 郵政民営化を見直す便法に使うのであれば、まったくの筋違いである。
引用元:NIKKEI NET
朝日新聞
地方の財政―経済危機を改革のてこに(2009/03/03 朝日新聞の社説)
- 大阪府の橋下徹知事は「僕の責任で減らす」と宣言して負担金の約1割を削った新年度予算案を組んだ。
- 新潟、福岡、佐賀、熊本の知事たちは、整備新幹線建設費の負担分が突然増やされたことについて「十分な説明がない」と異議を唱えている。
- 金子国土交通相は麻生渡全国知事会長(福岡県知事)の求めに応じ、負担金制度の見直しについて協議の場を設けることになった。
- 国道やダムなどの直轄事業や整備新幹線は、自治体側が求めて実施される場合が少なくない。
- それでも知事が不満なのは、積算根拠などのはっきりしない経費を、中央からの指示で当たり前のように払わせられる理不尽さにある。
- ここにきて声が上がり始めたのは、経済危機に自治体の税収が直撃されているからだ。
- トヨタ自動車が本拠を置く愛知県は、08年度の半分以下になりそうだ。
- 一方で、景気対策のため県独自の公共事業をする必要性は増すばかりだ。
- 直轄事業を減らし、自治体側に大胆に財源を移すことだ。
- これを機に税収全体を政府と自治体でどう配分するか、大きな視野での改革につなげたらどうか。
耐震偽装判決―建築確認の責任の重さ(2009/03/03 朝日新聞の社説)
- 耐震強度の偽装事件でホテルを建て直した経営者の訴えを認め、名古屋地裁が先週、愛知県とコンサルタント会社に損害賠償を命じた。
- 民事上の責任を問うのも難しいとみられていたが、判決は「建築主の信頼に応える専門家としての注意義務がある」と踏み込んだ。
- 「危険な建築物の申請をした原告にこそ責任がある」と反論していた愛知県の完敗だ。
- 建築確認の多くは現在、民間の検査機関に委ねられている。
- 「早く、安く」という圧力にさらされやすい民間が、法令に明記されていない部分まで注意を行き届かせられるだろうか。
- 一方、建築指導に力点を置くはずの行政は、人員を減らされている。
- 事件後、審査は厳格になり、問題になった構造計算には専門機関の再検査が義務づけられた。
- ただ態勢が手薄ななかで、審査が滞って施工が遅れるという「官製不況」も起きた。
- 日弁連は、審査を再び行政に一本化し、責任を明確にするよう提言している。
引用元:asahi.com
産経新聞
WBC 元気与える日の丸野球を(2009/03/03 産経新聞の主張)
- 野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に国民の関心が高い。
- 5日から東京での1次ラウンドが始まるが、強化試合4試合は高視聴率を記録し、球場も連日大入り満員である。
- (WBCは)2006年に次いで2度目であり、前回は日本での1次ラウンドは不入りで関心は低かった。
- (しかし)決勝戦のキューバ戦の最高視聴率は何と43・4%を記録した。
- イチロー選手や松坂大輔選手ら代表メンバーのパフォーマンス能力の高さも見逃せない。
- 組織を個の力の結晶によって高いレベルに引き上げていくプロの仕事である。
- かつて日本は護送船団方式で発展したが、落後者を出さない手法は、ある種アマチュア的でもあった。
- 不況で閉塞(へいそく)感が漂っている今、「国を愛する」ことと「個性を尊重する」というWBCの場に学べることは多いはずだ。
- 何より日本の勝利は国民に元気を与える。
- 頑張ってほしい。
年金財政試算 政府は現実的見通し示せ(2009/03/03 産経新聞の主張)
- 将来の年金給付水準はどこまで下がるのか。
- 厚生労働省がまとめた5年に1度の年金財政の長期試算をみると、こんな不安がぬぐえない。
- 会社員と専業主婦のモデル世帯の場合、現役世代の平均収入に対する給付水準を示す「所得代替率」は、平成21年度の62・3%から徐々に下がり50年度に50・1%で下げ止まる。
- 政府・与党が16年の制度改正で約束した「所得代替率50%の維持」がかろうじて守られると結論付けた。
- 年金積立金の運用利回りは制度改正時に想定した3・2%より高い4・1%で、賃金上昇率も2・1%から2・5%へ上方修正した。
- 国民年金保険料の納付率が80%に改善することも予定しているが、現在の納付率は60%台前半だ。
- これでは、最初に「50%」という数字があり、つじつま合わせをしたとみられても仕方あるまい。
- 政府・与党には、50%を大きく割り込むような厳しい数字となろうとも、議論の判断材料となり得る現実的試算を示すよう求めたい。
- 少子化対策や若者の雇用対策などの長期的課題への一層の取り組みも重要だ。
引用元:MSN産経ニュース
毎日新聞
公共事業負担金 「地方の乱」機に廃止へ議論を(2009/03/03 毎日新聞の社説)
- 整備新幹線の建設費用の増額負担に新潟県などが反対し、大阪府は府の予算案から国が行う直轄事業の負担金を減額した。
- 国の直轄事業は国が行う道路、ダムなどの公共事業だ。
- 地方も便益にあずかるとの理由で建設費の3分の1、維持管理費の45%を通例、法律に従い地方が負担する。
- 国策の要素が強い事業については整備、維持・管理併せて国の全額負担が筋だろう。
- 特に国の管理物の維持・管理費まで地方が約半額を負担し続けることは疑問だ。
- 一方で、公共事業を幅広く国の全額負担にすると、地方の陳情合戦が激化し国の支配を強化しかねない。
- 公共事業はできるだけ地方に委ね、必要な権限や財源を移譲する流れを定着させなければならない。
- 政府は地方分権改革として国道の整備や管理の移管をめぐり地方と調整を続けている。
- 分権論議に発展させる好機である。
刑法犯の減少 警察は護民官の役割重視して(2009/03/03 毎日新聞の社説)
- 警察庁によると、昨年の全国の刑法犯の認知件数は一昨年より4・7%少ない約182万件だった。
- パトロールの強化や街頭犯罪の集中取り締まりなど、警察当局の施策が一定の成果を上げたものと評価できる。
- しかし、一方で殺人事件の続発が目立ち、児童虐待や児童ポルノ事件は過去最多を記録した。
- 時代の変化につれて犯罪傾向や警備事案などが変質していることを踏まえれば、警察は警備部門などの要員配置や捜査態勢の見直しを迫られていると言えよう。
- 従来、警察部内では「検挙に勝る防犯なし」といわれ、ややもすれば事件、事故の発生後の検挙活動に重点が置かれてきた。
- だが、刑法犯が減って多少とも警察力に余力が生じた今こそ、住民の安全・安心のための基盤作りを進め、事後処理から犯罪の抑止にシフトすることが求められているのではないか。
- 警察は有能な捜査機関であるだけでなく、現代の「護民官」としての機能をより発揮すべきだ。
- 大泥棒を逮捕することも重要だが、ひったくりや万引きの予防にも力を入れてほしい。
- 経済状況の悪化で失業者が増えており、せっかく減った刑法犯が増加に転じる可能性は小さくない。
- 治安情勢は楽観を許さないが、警察にとっては反転攻勢の好機と考えたい。
引用元:毎日jp
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