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2008年10月24日 金曜日  著者:
Ford GTを作ってみる

モデリングの前に

モデリングを始める前に、まず資料を集めねばならんのです。目を閉じればそこにFord GTが見える。細部までくっきり見える。匂いまで感じる。という変態はともかく、普通の人は三面図から探さねばならんのです。
三面図は、ディーラーに出向いてパンフレットをもらったり、メーカーのホームページからパンフレットを取り寄せたり、プラモデルを買ってみたり、色々手はあるけども、今回のFord GTは1,500台だけの限定生産で、しかもすでに生産終了している。よしんばディーラーにパンフが置いてあったとして、2,000万円近くの車のパンフをTシャツ・ジーパン・サンダルで貰いにいくのは気が引ける。
じゃぁどうするか、そんな時にはGoogle イメージ検索だ。Google イメージ検索は三面図を探すためにあると言っても過言ではない。目的の車種名と”blueprint”を入れて検索するのがポイントだ。早速検索してみよう。

ドーン (検索結果)

あれ、GT40とかGT90はあるけど、肝心のGTがない。Google イメージ検索は三面図を探すためにあると言うのは過言だ。
だが、あきらめるのはまだ早い。こんな時の強い味方が、下記のサイトだ。

先にあげた方のサイトにFord GTの三面図がある。パース(遠近感)がついている様な気がするので、あまりいい図とはいえないけども、まぁいいか。他にも三面図を集めたサイトというのは多数存在するので、各自探してみてください。(人任せで逃亡)

三面図を手に入れたら、写真も手に入れよう。こんどこそGoogle イメージ検索が役に立つ。三面図だけでは不明な部分を写真で補うので、不明な部分がなくなるくらい徹底的に集めよう。

テンプレート作り

資料がそろったら、いよいよモデリング作業だ。今回はLightwave3D ver8.5(以下LW)を使用してモデリングしていく。別のバージョンや、他のソフトでも、モデリングの考え方はほとんど同じなので、LW以外のソフトを使用している人も参考にしてほしい。(Shadeのスプラインモデリングは考え方から全く別物なので、あまり参考にならないかもしれない。ゴメンナサイ。)
尚、文中でLWのショートカットキーを示す場合(カッコ内のこの色)で示す。(shift + x)でshiftキーとxキーを同時押し、(shift , x)でshiftキーを押して放した後、xキーを押す事を指す。

三面図の下ごしらえ

まずは三面図の下ごしらえから。先の手順で入手した三面図は、正面・側面・上面が全て1枚の画像になってしまっていると思うので、これらをそれぞれ切り分ける。切り分ける際、前後左右それぞれピッタリ画像内に収まる様に切り抜くのがポイント。これは実寸でモデリングするために必要な事で、三面図から制作したテンプレートのサイズを指定するとき、画像に余白があると、きっちり寸法通りにならないからだ。
この時、もうひとつ注意したいのが、車の全幅。車のサイズは、ネットで調べれば比較的簡単に分かるが、全幅はサイドミラーを含めないサイズで書かれている事がほとんど。なので、テンプレートにサイドミラーを入れた状態で車の全幅を指定してしまうと、実際のサイズとずれる事になってしまう。こうした事故を防ぐため、全幅にサイドミラーまで含まれているかどうかまず確認し、含まれていない場合は三面図を切り分ける時にあらかじめサイドミラーを切り取ってしまおう。

テンプレート(下絵)の制作

前面・側面・上面をそれぞれ1枚の画像に切り分けたら、これをモデラーに貼り付ける。貼り付ける際、適当な大きさで貼り付けるのではなく、実際の車のサイズに合わせて貼り付けよう。実際のサイズで作っておけば、別のオブジェクトと一緒にレンダリングする際に、いちいち大きさを合わせなくて済むからだ。

ボックスを作るボックスを作るWikipediaでFord GTのサイズを調べてみると、全長 4,643mm・全幅 1,953mm・全高 1,125mmとあるので、モデラーを立ち上げて、この大きさのボックスを作る(Shift+x , n)。このボックスを基準にして、モデラーに三面図を貼り付けるためだ。この時、ボックスの底面が地面(Y=0m)にくっつく様にするといいだろう。後々アニメーションを作る場合に、タイヤが接地した状態で車のオブジェクトを読み込む事ができる様にするためだ。

LWの場合、ボックスを接地させる際に、ボックスツールの数値入力画面の「Cenre Y」の値に、車の高さを2で割った数字を入力すればいい。今回の場合、車高が1953mmなので、1953mm÷2で562.5mmと入力すればいいのだが、暗算したり電卓を用意する必要はない。LWの数値入力は電卓も兼ねているからだ。「Cenre Y」に「1125mm/2」と直接入力すれば、勝手に「562.5mm」と計算結果に変換してくれる。

画像を選択次に、用意したボックスに合わせて、上面、前面(LWの場合は後面「Back (XY)」)、側面のビューに、それぞれテンプレートを貼り付ける。ディスプレイオプション(d)を開き、「Backdrop」タブを開く。上にある4つの青いボタンが、それぞれ4つのビュー(画面)に対応している。左からTL(左上のTopビュー)、TR(右上のパースペクティブビュー)、BL(左下のBackビュー)、BR(右下のRightビュー)だ。それぞれのビューをこのボタンで選択し、「Image」プルダウンメニューから「(load image)」を選択し、開いたダイアログで先の手順で作ったテンプレート画像を選択する。TLはTopビューなので、テンプレート画像は上面図を選択する。

画像サイズの調整画像を読み込むと、実際より小さく表示されていると思う。次はこのサイズを実寸に合わせてみよう。ここで先ほど作ったボックスが役に立つ。先ほどの画面(ディスプレイオプション)の左下にある「Automatic Size」ボタンを押すと、読み込んだ画像が、先ほど車のサイズに合わせて作ったボックスにピッタリ合うよう拡大される。この時、ビューに、作ったボックス以外のオブジェクトが入っていると、そのオブジェクトまで含んだサイズに画像が合わされてしまうので、注意が必要だ。
「Automatic Size」ボタンを押すと、その下の「Fixed Aspect Ratio」チェックボックスが外れるが、画像が正しく切り抜かれているならば、気にしなくても大丈夫。Aspect Ratioというのは画像のアスペクト比、つまり縦横比の事だ。これは画像の「縦幅÷横幅」で求められる値。この値をFixed(固定)すると書いてあるので、画像の元の縦横比を変えずに表示するという意味だ。用意した図面が完璧なものであれば、縦横比を変えなくても、実寸のボックスにぴったり合うはずだが、実際はそんな図面はまず手に入らない。図面だと思った画像も、実際は写真をトレースしただけだったりする事が多いので、パースがついていたりしてまず合わない。ここはできるだけ正確に作りたいので、画像の縦横比よりも実寸(ボックスのサイズ)を優先しよう。

画像の明るさの調節次に、画像の明るさを調節する。LWのワイヤーフレーム(点と線)は白(厳密には明るいグレー)で表示されるので、テンプレートが明るいとワイヤーフレームが見えなくなってしまって、非常に作業がしづらくなる。そこで、画像の明るさ調節が必要になる訳だ。
テンプレートを用意する際に、画像編集ソフトで予め明るさを落としておいてもいいが、LWでも調節できる。画面中程にある「Brightness」と「Contrast」両スライダーが、その調節をする部分だ。それぞれ明るさとコントラストを調節できるので、読み込んだ画像の一番明るい部分が、LWの背景と同じ暗さになるくらいに調節しよう。

画像の解像度の調節最後に、テンプレートの画像解像度を決めよう。ただ画像を貼り付けただけでは、拡大した時に非常に荒く表示されてしまう。これを変更するには、真ん中あたりにある「Image Resolution」を使う。初期設定では「128」のボタンが選択されているが、これは一番荒い解像度。右に行く程解像度が高くなり、拡大したときに滑らかに表示される。言うまでもないが、元の画像より解像度が上がる事はないので、ボタンを切り替えても表示に変化がない場合は、低いままでOK。
高い解像度で表示されるに越したことはないのだが、解像度が高ければ高い程パソコンに負担をかける。高い解像度にするとパソコンがぎこちない動きになったりする場合は、低くした方がいいだろう。が、ここで動作が重くなる様では、この先の作業をするにあたって非常に心もとないので、パソコンの買い替えをおすすめする。

ここまでできたら、1つのビューの背景が完成。後はBLとBRのビューポートで同じことを繰り返せば全画面の背景が出来上がる。ちなみに、TRのパースペクティブビューには背景が設定できない。いろんな確度から見るためのビューなので、必要ないだろう。
設定の保存LWの6以上のバージョンは、アプリケーションを終了すると設定した背景が消えてしまう。LWを立ち上げるたびにこの作業を繰り返すのは面倒くさいので、全ての設定が完了したら、この設定を保存しておこう。
「Viewport」ボタンのすぐ下にある「Presets」プルダウンメニューで設定の保存ができる。「Viewport」ボタンはどこを選択していてもOK。「Presets」プルダウンメニューから「Save All Backdrops」を選択するとファイルダイアログが開くので、名前を付けて保存しよう。ちなみに拡張子は「.cfg」。
次回LWを立ち上げたときは、ここから「Load Backdrop」を選択し、保存した.cfgファイルを読み込めば、全てのテンプレート(背景)が再現される。
ここまでで、テンプレートの設定は終了。前置きにしては随分長くなってしまって申し訳ない。次からいよいよモデリングだ。

今回は、実寸のボックスを作り、それに合わせる形でテンプレートを設定したが、もちろん「Display Options:Backdrop」タブの「Size」に直接数字を入れてもOK。どちらでも好きな方法を選んで使おう。
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