2009年2月23日 月曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

裁判員制度 綿密な準備と検証を怠るな(2009/02/23 読売新聞の社説)

  • 法律の専門家だけで行われてきた刑事裁判に国民が参加する裁判員制度の発足まで、あと3か月を切った。
  • 東京地裁が18日に判決を言い渡した東京都江東区の女性殺害事件の裁判は、波紋を呼んだ。
  • 検察側は、裁判員制度を念頭に「目で見てわかる立証」として、細かく切断された遺体のカラー写真を法廷内のモニターで映し出した。
  • 最高検がまとめた裁判員制度における基本方針では、裁判員に証拠を示す前に、凄惨(せいさん)な写真が含まれていることを告げ、心の準備をしてもらうよう求めている。
  • 裁判員対象事件の裁判は、9割が5日以内に終わるとみられる。
  • だが、2008年11月末から裁判員候補者29万5000人に通知が送られると、専用コールセンターには「どんな場合に辞退できるのか」などの質問が相次いだ。
  • 読売新聞の主要100社アンケートでは7割余りが有給休暇を与えると答えたが、中小企業約300社を対象にした東京商工会議所の調査では、休暇制度を導入・検討しているのはまだ4分の1だ。
  • 裁判員制度の導入を前に、司法は準備作業を進めてきた。
  • 審理を短期間で済ませるため、裁判官と検察官、弁護士で事前に争点を絞る。
  • 最高裁の調査では、殺人など裁判員対象事件で、07年中にこの手続きを経た裁判は、他の裁判より3分の1以下に短くなった。
  • 裁判員制度導入の背景には、詳細な事実認定を旨とする「精密司法」への反省があった。
  • 真実の解明に寄与する反面、審理の長期化を招いてきたためだ。
  • 過去の判例を過度に重視した判決は、国民の素朴な処罰感情と隔たりが大きいこともあった。
  • 裁判員制度の下では、これまで以上に迅速な審理が求められることになる。
  • しかし、真実解明をなおざりにした拙速な審理は許されない。
  • 徹底した検証作業のうえ、密接な連携を図って改めるべき点は改めていく姿勢が大切だ。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

電子納税の普及へ国民番号の導入を(2009/02/23 日経新聞の社説)

  • 国税庁はインターネットで納税できる「e―Tax」の普及に力を入れている。
  • 今年から難しいソフトは使わず、ホームページ上で申告や納税ができるようにした。
  • 昨年実績を見ると、所得税の電子申告の半分は税務署のパソコンからで、4割は税理士経由。
  • 企業の法人税は個人の所得税より電子申告が普及しているが、意外なことに大企業では電子申告が1割程度しかない。
  • 企業会計と税務会計に微妙な基準の違いがあり、システム対応にコストがかかるためだ。
  • 電子申告すると、納税証明書なども当然、電子化される。
  • だが多くの銀行が電子証明書の受け取りを拒んでおり、企業にしてみれば電子化するメリットが損なわれてしまうからだ。
  • 海外で電子納税が普及した背景には、社会保障番号などIDの存在が見逃せない。
  • 納税手続きを効率化し電子政府を推進するには、こうした国民番号の導入を検討すべきだ。

深刻さ増す欧州の金融・経済(2009/02/23 日経新聞の社説)

  • ハンガリーやポーランド、チェコの金融市場の混乱は著しい。
  • 3カ国の株価は2月半ばから下落が加速し金融危機前に比べて約半分の水準となった。
  • 債券も売られ、通貨も下がっており、最悪の状態といえるトリプル安の様相を見せ始めている。
  • この地域で事業展開する企業などに資金を融資しているのは主に西欧各国の金融機関だからだ。
  • 特にオーストリア、ドイツ、イタリアの銀行の債権額が大きく、主要行の財務への影響は深刻だとみられている。
  • EU内にとどまらず日米を含め国際的で大規模な政策協調を考えるときだ。
  • 国際通貨基金(IMF)や世界銀行の支援も視野に置くべきである。
  • 1930年代の大恐慌は米国の株価暴落に始まった。
  • それが世界的な同時不況に発展したきっかけは、東欧経済の不振に伴うオーストリアの銀行の破綻だったとされる。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

個人情報流出―制裁は刑罰より賠償で(2009/02/23 朝日新聞の社説)

  • 個人情報が、企業や役所からインターネット上に流出する事例が後を絶たない。
  • その数は、07年度に事業者が公表しただけでも848件にのぼった。
  • だからといって、罰則を作ってどんどん取り締まればいいと考えるのは早計だ。
  • ここは、クレジットカード番号といった一定の個人情報に限って、漏出を禁じる規定をつくってはどうだろう。
  • ただしこの場合でも、表現の自由を侵害しないようにするため、罰則まで設けるのは慎重にすべきだろう。
  • そもそも個人情報をネット上にばらまくような行為に対しては、刑事罰ではなく、民事裁判で損害を償わせるのが筋だろう。
  • 高額な賠償を科せられることになれば、意図的な発信行為を抑止できる。
  • 02年施行のプロバイダー法によって、個人情報を流された被害者は、ネット接続業者に対し、流出情報の削除や、発信者の情報の開示を求めることができることになった。
  • この制度をさらに生かすには、裁判とは別に、政府から独立した第三者機関による迅速な救済の仕組みを検討していい。

景観の価値―鞆の浦架橋で試される(2009/02/23 朝日新聞の社説)

  • 舞台は広島県福山市の鞆(とも)の浦。
  • アニメ映画「崖の上のポニョ」のモデルの町と言った方がわかりやすいかもしれない。
  • 広島県と福山市は、ここに町なかの渋滞解消のためのバイパス道路を築く計画を進めている。
  • 半円状の湾の15%にあたる約2ヘクタールを埋め立てたうえ、湾を横切る形で180メートルの橋を架けようというのだ。
  • 現在、広島県知事が埋め立ての認可を国土交通省に求めている。
  • 埋め立て地にターミナルを築くというフェリーの航路は、人口700人の島との1本だけ。
  • 架橋に反対する住民らは山側にトンネルを掘る案を提案している。
  • 景観を壊さず、渋滞を和らげる効果がある。
  • 広島県知事には、景観法や瀬戸内法の趣旨を踏まえ、将来に悔いを残さない解決策を求めたい。
引用元:asahi.com

産経新聞

ポル・ポト法廷 人的貢献さらなる継続を(2009/02/23 産経新聞の主張)

  • カンボジアの旧ポル・ポト政権による170万人以上におよぶ大虐殺を裁く国連支援の「カンボジア特別法廷」がプノンペン郊外で始まった。
  • ポル・ポト派は1960年代後半の中国文化大革命に影響を受けた恐怖政治(75~79年)を敷き、とくに都市部の知識層を徹底的に弾圧した。
  • これまでに最高指導部メンバーら5人が逮捕され、法廷には子供や外国人を含む約1万5000人を殺害した罪で最初に起訴された元政治犯収容所長が出廷している。
  • 特別法廷の最大の狙いは「法による正義」を実現し、カンボジア国民に民主主義を実感してもらうことにある。
  • このため、被害者や遺族が傍聴だけでなく証人などとして審理に参加できる前例のない手法が採用された。
  • 上級審判事7人の1人には国連の推薦で野口元郎・元東京地検検事が任命された。
  • 法廷運営費の4割にあたる45億円を拠出する日本の役割は小さくない。
  • 93年には地方選挙のボランティア監視員をしていた中田厚仁さんら2人が凶弾に倒れる尊い犠牲も払ったが、その後も法曹関係者を派遣して裁判官や検察官を養成し、法律の起草にも協力してきた。
  • カンボジア特別法廷を日本の国際平和協力の役割を改めて認識する機会としたい。

柏崎刈羽原発 運転再開を着実に急ごう(2009/02/23 産経新聞の主張)

  • 東京電力・柏崎刈羽原子力発電所は、平成19年7月に起きた新潟県中越沖地震で被災し、計7基の原子炉すべてが止まったままである。
  • 東電は地震直後から約1年半にわたって各原子炉や発電機をはじめとする設備について、損傷の有無やその程度の確認作業を続けてきた。
  • 経済産業省の原子力安全・保安院も7号機の起動について安全上の問題はないと判断した。
  • 後は地元の了解を待つだけの段階である。
  • 中越沖地震の揺れに対して稼働中の原子炉は、速やかに自動停止した。
  • 「止める」「冷やす」「閉じ込める」の3機能はしっかり働いて、安全の基本は保たれた。
  • にもかかわらず、長期停止という事態を招いてしまった。
  • その一因は、黒煙を伴った火事の放置と安全情報の周知の遅れにあった。
  • 自衛消防隊や情報発信力の強化で対応するよう改善された。
  • また、心強いことには、国際原子力機関(IAEA)によっても柏崎刈羽原子力発電所全般の安全性が確認され、7号機に損傷が生じていないことなどを認める報告書が出されたところである。

毎日新聞

麻生内閣 「早く退陣を」が国民の声だ(2009/02/23 毎日新聞の社説)

  • 毎日新聞が21、22日に実施した全国世論調査で麻生内閣の支持率は1月調査からさらに8ポイントも下落し、11%となった。
  • とりわけ、政府・与党が深刻に受け止めなくてはならないのは、今回調査で麻生太郎首相は「今すぐ辞めるべきだ」と答えた人が39%、「来年度予算の成立まで続けるべきだ」と答えた人も同様に39%で、早期退陣を求める声が約8割に達した点だ。
  • 民主党の小沢一郎代表と麻生首相のどちらが首相にふさわしいかの質問では、小沢氏が前回と変わらず25%だったのに対し、首相は前回から半減してわずか8%だった。
  • 経済政策の目玉・定額給付金も依然、73%の人が「評価しない」と答えている。
  • 自民党内でも、公然と「麻生降ろし」が語られ始めている。
  • 麻生首相のもとでは衆院選は戦えない。
  • よって再び首相交代を、ということのようだ。
  • そもそも「自分の選挙が危ういから首相交代を」ということ自体、国民不在というべきだ。
  • 国民に信任された政権をつくるため、早急に衆院を解散し、総選挙を行うよう再度求めておく。

米軍アフガン増派 成功への戦略を知りたい(2009/02/23 毎日新聞の社説)

  • 米国がアフガニスタンへの1万7000人の増派を決めた。
  • 米同時多発テロ(01年9月)の翌月から米軍がアフガンで始めた軍事作戦は、既に7年余に及ぶ。
  • 米軍は9・11テロを実行したテロ組織「アルカイダ」の拠点を掃討し、アフガンを実効支配していたイスラム原理主義組織タリバンを政権の座から追い落とした。
  • 一口に反米武装勢力と言っても、タリバンやアルカイダの戦闘員もいれば、母国への外国軍隊駐留に反発して武器を取った人もいるだろう。
  • イスラム圏では外国軍隊の駐留や占領への抵抗感が特に強い。
  • しかも国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)によると、08年の戦闘による民間人の死者は2118人と最悪の数字になり、うち4割近くが米軍の空爆などによる犠牲者だった。
  • こうした状況を思えば、米国は軍事行動の必要性を改めて説明し、アフガンや隣国パキスタンなどの穏健イスラム層の理解を得る必要がある。
  • 軍事行動の限界を認識し、反米感情の改善に努めるのが得策だろう。
  • また、日本を含めた国際社会の支援を求めるにしても、米国自身がアフガン安定への確かな展望と戦略を示さなければ、具体的な支援要請はしにくいはずだ。
引用元:毎日jp

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