2009年2月21日 土曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

海兵隊移転協定 民主党の対応が問われる(2009/02/21 読売新聞の社説)

  • 政府は来週、2014年までに在沖縄海兵隊の隊員8000人と家族9000人をグアムに移転するための日米協定の承認案を国会に提出する。
  • 実動部隊を沖縄に残すことで米軍の抑止力は維持される。
  • 協定は、中曽根外相とクリントン国務長官が署名した。
  • 海兵隊のグアム移転が、普天間飛行場の沖縄県内移設などと一体の計画であることも改めて確認された。
  • そうである以上、普天間移設を日米合意通りに進めるのが負担軽減を実現する近道である。
  • 沖縄県は、普天間飛行場の代替施設の沖合移動に固執せず、普天間など6米軍施設の返還後の跡地利用などについて政府と前向きに協議する方が得策ではないか。
  • 民主党は「経費の積算根拠などの説明責任が果たされていない」と海兵隊のグアム移転を批判する。
  • 民主党が次期衆院選後に政権を担う覚悟があるなら、野党だから政府案には何でも反対するという姿勢に陥るべきではあるまい。

不妊治療ミス 「命」の管理がずさん過ぎる(2009/02/21 読売新聞の社説)

  • 香川県立中央病院の不妊治療で、「他人の受精卵を移植した」という信じ難い医療ミスにより、妊娠9週目の女性が中絶を余儀なくされた。
  • 今回の取り違えは、担当医師が同じ作業台の上に、別の患者の受精卵が入った容器(シャーレ)を残していたことが原因だ。
  • 受精卵の成熟を確認するため、新しいシャーレに移す際に誤ったと見られる。
  • シャーレは蓋(ふた)に張られた色つきシールだけで区別していた。
  • ずさん過ぎる。
  • 不妊治療施設で組織する「日本生殖補助医療標準化機関」が、質の向上を目指した医療基準を独自に定めているが、認定を受けた施設は20か所にとどまる。
  • まずは、学会としての統一的な事故防止マニュアルを作ることが必要だろう。
  • 今や、体外受精によって、全国で毎年2万人の子どもが生まれている。
  • それだけに、厳格な安全管理体制を確立し、再発防止策を徹底しなければならない。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

「かんぽ」撤回が映す民営化後退を憂う(2009/02/21 日経新聞の社説)

  • 日本郵政は「かんぽの宿」のオリックス不動産への一括売却を白紙撤回した。
  • 第1の焦点は27社参加の入札でオリックスを有利にする不正な扱いがあったかどうかだ。
  • だが日本郵政の公開資料をみる限り、意図的な落札を導いたと断ずるに足る証拠はない。
  • 第2の焦点は一括売却というやり方の妥当性だ。
  • 一括売却の結果で決まった109億円という落札価格について「建設費の2400億円に対して安すぎる」という批判は多い。
  • だがこれは単なる不動産売却ではなく、毎年50億円近い赤字を出す事業を雇用を含めて買い取るという話だ。
  • 総務相は個別に地元業者に譲渡すれば良いと主張するが、不採算施設まで売れるかどうかは疑問だ。
  • 売却が1年後なら総額160億円近くで売れないと、オリックスへの売却より不利になる計算になる。
  • この問題をきっかけに、郵政民営化の後退や官僚主導の復活といった動きが強まるのは好ましくない。

信頼かかる柏崎原発の再開(2009/02/21 日経新聞の社説)

  • 一昨年夏の新潟県中越沖地震に被災した東京電力・柏崎刈羽原子力発電所の運転再開の手続きが進んでいる。
  • 原子力安全委員会は復旧の先行した7号機の安全審査を終えて、試運転を認め、再起動は地元の了解取り付けを残すだけになった。
  • 日本原子力産業協会が昨秋にまとめた意識調査の結果では、原子力安全行政への信頼感はどの地域でも極めて低い。
  • 政府の原発安全監視や事故防止を信頼し、情報が信用できるとした回答は全国で10%以下、原発地域でも10%強しかない。
  • 中越沖地震では地元が政府より国際機関の原発調査に頼ろうとした。
  • 地震後の機敏な対応の欠如など、原因は様々だろうが、運転再開に向けて、この信頼感の薄さは克服しなければならない。
  • 原発は温暖化ガスの排出量が少なく、温暖化防止につながる。
  • 日本が排出削減を進めるには新規立地に加え、既存原発の稼働率の向上も必要になる。
  • 稼働率は定期検査の間隔も絡むが、地震大国の日本では盤石な地震対策が原発の安定運転の必要条件だろう。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

受精卵取り違え―命を扱う緊張感忘れずに(2009/02/21 朝日新聞の社説)

  • 体外受精で念願の子を授かった20代の女性が実は別人の受精卵を移植されたらしいとわかり、人工中絶した。
  • あってはならないことが香川県の県立病院で起こったのは、昨秋のことである。
  • 体外受精で誕生する赤ちゃんはふえており、今や国内で1年に約2万人いる。
  • ほぼ50人に1人の割合だ。
  • シャーレに入った受精卵を検査のために作業台に並べた際、別人のものが交じっていたらしい。
  • 体外受精による赤ちゃんは1978年、世界で初めて英国で生まれ、日本でも83年に第1例の出産があった。
  • それが今ではごく当たり前の医療になった。
  • しかし、人の手を介して新しい命を芽生えさせるという性格をもつ医療だ。
  • 緊張感を忘れてはならない。

防衛省不祥事―「組織防衛」省では困る(2009/02/21 朝日新聞の社説)

  • 昨年9月、広島県・江田島の海上自衛隊第1術科学校で、15人を相手に連続組手をやっていた隊員が、訓練途中に倒れて、死亡する事故があった。
  • 事故調査委員会は10月末、「教官の格闘の指導者としての適格性は今後調査が必要」という中間報告は出したが、最終報告はまだだ。
  • 警察に代わって捜査している海上自衛隊警務隊もまだ検察庁への送検をしていない。
  • 山田洋行など軍需専門商社による防衛装備品の過大請求問題も同じだ。
  • 山田洋行で34件、約8億円。
  • ほかの商社で17件、約6300万円の過大請求が見つかっている。
  • しかし防衛省は「調査がまだ終了していない。これまで過大請求で刑事告発した例がない。刑事事件にするかどうかは検察庁の判断すべきことだ」と、いまだ刑事告発していない。
  • 刑事訴訟法は、自衛隊の警務隊のような司法警察員が犯罪を捜査したときは「速やかに事件を検察官に送致しなければならない」と規定している。
  • また、公務員が犯罪を見つけたときは告発しなければならないという「告発義務」も定めている。
引用元:asahi.com

産経新聞

春闘 雇用維持が最優先課題だ(2009/02/21 産経新聞の主張)

  • 急激に景気が悪化する中で今年の春闘の労使交渉が始まった。
  • 三菱自動車を除いたトヨタ自動車や日産自動車など自動車大手の労働組合は月額4000円、日立製作所やパナソニックなど電機大手は4500円の賃上げを要求した。
  • これに対して、経営側は「ベースアップを回答できる状況にない」と一様に厳しい反応を示している。
  • 組合側が賃上げの理由として挙げるのは平成20年の物価上昇だ。
  • だが、世界同時不況で原油や食料などの価格が下がって、いまはデフレの方が懸念されている。
  • 労使にとって雇用確保こそ今春闘の最大の課題だ。
  • 昨年12月の完全失業率は4・4%と前月比0・5ポイントも上昇した。
  • 組合側があくまで賃上げにこだわれば、企業の業績悪化とリストラに拍車がかかろう。
  • 経営側も安易な雇用調整が景気をさらに悪化させることを認識すべきだ。

受精卵取り違え 安全対策の徹底を求める(2009/02/21 産経新聞の主張)

  • 不妊治療中の女性に他人の受精卵を移植した可能性の高いショッキングな医療事故が発覚した。
  • 女性は身ごもったが、妊娠9週目で人工中絶を強いられた。
  • 事故は昨年9月中旬、香川県立中央病院(高松市)で起きた。
  • 受精卵を移植する前の培養段階で、担当医が女性の受精卵を入れた容器と、事前に作業していた別の女性の受精卵が入った容器とを取り違えたらしい。
  • 国内初の体外受精児は昭和58年に生まれ、それ以降急激に増加し、いまや新生児の60人に1人の割合で誕生している。
  • 妊娠にまでは至らなかったが、受精卵取り違え事故は平成7年に石川県の診療所でも発生した。
  • 14年には愛知県で、夫以外の精子が女性に注入される人工授精のミスも起きている。
  • 日本産科婦人科学会は受精卵の管理を厳重に行うよう通知しているが、不妊治療施設の人員不足や経営事情などから、施設によって安全対策にばらつきがあるのが実情だ。
  • 今後は専門家と厚生労働省が中心になって統一した安全基準とマニュアルを作り、不妊治療施設全体で共有することが重要だ。

毎日新聞

カンボジア 特別法廷で大虐殺にけじめを(2009/02/21 毎日新聞の社説)

  • ポル・ポト政権時代のカンボジア大虐殺を裁く特別法廷が開廷した。
  • 遅きに失した感はあるが、170万人と言われる自国民を犠牲にした異様な惨劇の責任を明確にし、けじめをつけてほしい。
  • 国連平和維持活動(PKO)では邦人2人が死亡した。
  • 特別法廷は国連の協力を得てカンボジア政府が国内で開く。
  • 費用の約4割を日本が負担し、上級審では日本人判事も参加する。
  • ベトナム戦争終結と同じ75年4月に親米政権を倒しカンボジアを支配したポト派は、79年のベトナム軍侵攻で失権するまで、極端な革命路線をとった。
  • 拷問と処刑、集団虐殺、強制労働による衰弱死などが全土に広がり、当時の国民の4人に1人が死んだとされる。
  • 東西冷戦に中国とソ連、ベトナムの対立が複雑にからみ、もともとポト派と関係が深い中国ばかりか米国も同派を外交的に一時支援した。
  • これらについてフン・セン首相は、中国や米国も特別法廷で裁くべしと主張したことがある。

受精卵取り違え 生殖医療の監視体制が必要だ(2009/02/21 毎日新聞の社説)

  • 高松市の香川県立中央病院で起きた「体外受精卵の取り違え疑惑」は衝撃的だ。
  • 一方の夫婦は、自分たちの子どもを妊娠したと思っていたら、他の夫婦の受精卵らしいと知らされた。
  • もう一方の夫婦は、自分たちの子どもに育つ可能性が高かった受精卵が妊娠中絶に至ったと後になって告げられた。
  • ミスの直接の原因は、担当医が同じ作業台に2組の夫婦の受精卵を置いていたことだと考えられる。
  • 体制の不備と単純ミスが重なった事故だが、こうした取り違えのリスクは、この病院に限った話とは言い切れない。
  • 体外受精の歴史は30年を超え、日本では新生児の56人に1人がこの技術で生まれるまでになった。
  • 着床前診断には受精卵の選別という倫理問題がつきまとう。
  • さまざまな課題があるにもかかわらず、日本には生殖補助医療を規制する法律がなく、国の監視システムもない。
  • 今回のようなミスを防ぐことはもちろん、思わぬミスがあった時の対応も含め、国レベルの規制や監視体制が必要だ。
引用元:毎日jp

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