2009年2月20日 金曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

臨床研修見直し 医師不足の主因を見誤るな(2009/02/20 読売新聞の社説)

  • 医師不足にどう対処するかという議論と、新人医師をどう教育するかという議論が、混線しているのではないか。
  • 厚生労働省と文部科学省の合同検討会がまとめた医師研修の見直し策である。
  • 2004年度から始まった現行制度は、新人医師に2年間、幅広く七つの診療分野を体験する臨床研修を義務づけている。
  • 見直し策は必修を内科、救急、地域医療の3分野に絞り、外科、小児科、産婦人科、麻酔科、精神科を選択制とする。
  • 幅広く総合力を培う研修は事実上、半分に短縮される。
  • 現行制度は、結果的に、医師不足現象に拍車をかけてもいるからだ。
  • 研修医の約半数は大学病院ではなく、主に都市部にある症例豊富な一般病院を選ぶようになった。
  • 徒弟制度のような雰囲気の中で研修医を便利な労働力にしてきた大学病院は人手不足となり、周辺の自治体病院などに派遣していた中堅医師を引き揚げてしまった。
  • 医師不足を解消することは喫緊の課題だが、そのために医師の臨床研修が不十分なものになってはなるまい。
  • 義務研修を終えた若手医師を、必要な地域と分野にきちんと割り振る仕組み作りを急ぐべきだろう。

春闘要求提出 雇用不安の解消を優先させよ(2009/02/20 読売新聞の社説)

  • 「賃上げこそ最大の景気対策」という労働側の要求は、もはや現実的ではない。
  • トヨタ自動車やホンダの労働組合が、組合員平均で月額4000円の賃金引き上げを会社側に要求した。
  • 日立製作所など電機大手の労組は、統一して月額4500円の賃上げを求めた。
  • 今年は景気が急変したというのに、要求額は大幅アップという選択である。
  • 代表的な輸出産業である自動車と電機は、世界不況の影響で大幅減産を余儀なくされ、今3月期は多くの企業が赤字決算となる。
  • 労組があくまでも賃上げにこだわり、その結果、一段と経営が悪化して大リストラに追い込まれては、元も子もない。
  • 上部団体の連合が2008年度の物価上昇を根拠に、8年ぶりにベースアップ要求の大方針を掲げたのだが、デフレ懸念が強まり、その根拠が薄れてきた。
  • 労組としても、まずは雇用不安の解消に優先的に取り組むべきだ。
  • 雇用を守り、さらに雇用を創出していくために、新規事業や技術開発に知恵を絞らなければならない。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

分権推進へ国の直轄事業の見直しを(2009/02/20 日経新聞の社説)

  • 公共事業のあり方に各地の知事から批判の声があがっている。
  • 口火を切ったのは大阪府の橋下徹知事だ。
  • 関西国際空港連絡橋の国有化事業で、国が府に求める負担金の2009年度予算への計上を見送った。
  • 新潟県の泉田裕彦知事は、北陸新幹線の建設で増額された約220億円の負担金の支払いを拒否した。
  • 建設資材の高騰が増額の理由のようだが、すでに資材価格は下落に転じている。
  • 直轄事業では一般に建設費の3分の1、維持管理費の半分近くを地方が負担する。
  • 自治体が実施する公共事業と比べて、国の事業はコストが高いという指摘もある。
  • 政府が手がける公共事業は本来、拠点空港の整備のような国際競争力の強化につながる事業や、首都圏の環状道路など経済効果が大きい事業に絞り込むべきではないか。
  • それ以外は原則として、自治体に権限と財源を移した方がいい。

中正公平な報道への責任(2009/02/20 日経新聞の社説)

  • 日本経済新聞社の社員株主制度を巡る訴訟で、株式譲渡ルールは有効という判断が最高裁判決で示された。
  • 報道の自由を守るため日刊新聞法に基づく現行のルールが必要だという日経の主張が認められた。
  • 日経は外部からの介入を防ぎ報道の中立性を守るため、株主を役員、社員、一部OBなどの事業関係者に限定している。
  • 株式の売買は日本経済新聞共栄会を通じ、譲渡する時も買い取る時も1株100円とする。
  • 日経の元社員から持ち株を100円を超える価格で直接譲り受けた別の元社員が、自分が株主であることの確認を求めた案件などに関して、この譲渡ルールの正当性が争われた。
  • 最高裁判決は、日経が日刊新聞法1条に基づいて株式の保有資格を限定している事実などを指摘し、その合理性を認めた。
  • 海外を含む外部の資本が入り込み報道を著しくゆがめるようでは困る。
  • 企業の大株主がいるために、その企業の公正な批判をできないといった事態を避けなければならない。
  • 今回の判決を機に、民主主義と市場経済の擁護・発展のため、読者の期待にこたえて力を尽くす決意である。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

医師研修見直し―良医を増やすためにこそ(2009/02/20 朝日新聞の社説)

  • 厚生労働省と文部科学省の合同の検討会が、医師免許をとった新人医師に義務づけられている臨床研修制度の見直し案をまとめた。
  • 今は2年間に内科、外科、小児科、精神科など七つの診療科で学ぶことになっているのを、内科、救急、地域医療の必修にとどめ、残りは選択制にして、2年目から専門分野に進むことができるようにする。
  • さらに都道府県ごとに研修医募集の枠を設けて、大学病院に優先的に配分する。
  • これによって大学病院で研修を受ける医師をふやそうというねらいだ。
  • 04年度から始まった今の研修制度で研修先を自由に選べるようになってから、出身大学に残る研修医が少なくなった。
  • 人手が足りなくなった大学病院が地域の病院から医師を呼び戻し、医師不足を加速させたといわれる。
  • 医師不足解消の名のもとに、肝心の医師の質が下がってしまったのでは本末転倒ではないのか。
  • そもそも病院の医師不足は、医療費の抑制政策などと深くかかわったものだ。
  • 臨床研修の見直しは、あくまで患者が医師に何を求め、そうした医師を育てるのに何が必要か、という観点から進められるべきではないか。

米国の住宅救済―危機の病巣を除けるか(2009/02/20 朝日新聞の社説)

  • 世界的な金融危機の「病巣」である米国の住宅問題について、オバマ米大統領が思い切った対策を打ち出した。
  • 750億ドル(7兆円)の公的資金をつぎ込み、住宅ローンの返済に窮する900万世帯を救済するという。
  • まず、民間住宅ローンの金利上昇に苦しむ世帯が、低い金利へ契約変更できるように手を打つ。
  • 変更した貸し手業者に1件1千ドルを支給し、ローン金利の変更により生じる業者の損失の一部も政府が補填(ほ・てん)する。
  • 次に、政府系の住宅金融公社が関与する住宅ローンも、低利へ変えられるように変更条件を緩和する。
  • 第三には、これにより住宅金融公社の負担が拡大するため、公社へ注入した公的資金2千億ドルを、4千億ドルへ倍増させる。
  • 第四に、住宅の差し押さえが減るように破産法を見直す。
  • このため、財政の悪化懸念が金融市場へ不安を与えることも考えられる。
  • こうした不安を抑え込むためにも、まずは3点セットを迅速に実行へ移し、政策の効果を一刻も早く引き出していくことが何よりも大切だ。
引用元:asahi.com

産経新聞

臨床研修見直し 医師不足の解決になるか(2009/02/20 産経新聞の主張)

  • 厚生労働省と文部科学省の合同検討会が、新人医師の臨床研修制度を見直す最終意見をまとめた。
  • 最終意見では、(1)研修医の募集定員に都道府県ごとと病院単位の上限を設定する(2)必修科目の数を減らし、研修医が将来専門としたい診療科の研修を手厚く-などの見直しが提言された。
  • 平成22年度からの実施を目指す。
  • 上限の設定で地方の病院の医師数は補えることになるが、病院はこれに甘んじず、研修プログラムを一層充実させ、教育の質を高めていく努力が重要になる。
  • 提言は、現在の7つの必修科目を3つに減らして専門の診療科に時間を充て、2年の研修期間を実質1年に半減させることで、研修医が早期に病院の戦力となる道筋をつける。
  • しかし、なかでも医師不足が深刻な産科、小児科、救急の専門分野を研修医が選択するかどうかが問題であり、こうした診療科を若い医師にとって魅力的な仕事場に変えていかなければならない。
  • 医師不足の解決には研修医の見直しとは別に、病院勤務の医師を増やす必要がある。
  • たとえば、診療報酬の配分を調整して開業医に比べて低い勤務医の給与を引き上げ、労働条件も改善する。
  • 地方での一定期間の勤務を開業条件に入れたり、診療科を自由に名乗れる自由標榜(ひょうぼう)制に制限を加えて一部の診療科への集中をなくしたりすることなども忘れてはならない。

アフガン増派 戦略作りに日本も参加を(2009/02/20 産経新聞の主張)

  • オバマ米大統領がテロとの戦いの主戦場とするアフガニスタンに向け、約1万7000人の米軍増派を決定した。
  • 現在計3万人を超える米軍を今後2年間で6万人規模にまで増やすという。
  • オバマ大統領は「軍事的手段だけでは解決できない」との考えから、外交を含む新たな戦略の検討に乗り出し、日本も戦略づくりの段階から同盟国として参加を求められている。
  • 軍事面では、ISAF参加も打診されているが、自衛隊派遣の根拠となる法律の制定は現状では困難だ。
  • 当面はすでに表明している食糧やインフラ整備など総額20億ドルの民生支援の完全実施を急ぐなどの支援を続けるしかない。
  • その意味で、先日来日したクリントン米国務長官に中曽根弘文外相が提唱した、パキスタン支援国際会議の日本開催に注目したい。
  • アフガンと隣国パキスタン国境の山岳地帯はアルカーイダやタリバンなど過激派の活動拠点であり、アフガン治安悪化の最大要因であるからだ。
  • 昨年5月、パキスタンのインフラ整備に479億円の円借款供与を決め、その後も洪水被害への支援を表明するなどの実績をもつ日本は、非軍事的貢献の効果を説く役割が期待されよう。
  • 日本は米国の同盟国として戦略づくりにも参画し、できる限りの役割を積極的に果たすべきだ。

毎日新聞

臨床研修見直し 幅広く声を聞き拙速は避けよ(2009/02/20 毎日新聞の社説)

  • 厚生労働省と文部科学省の専門家検討会が新人医師の臨床研修制度見直しの提言をまとめた。
  • 必修科目の削減と、都市部への研修医の集中を解消するために都道府県別に募集定員枠を設定することなどが柱になっている。
  • 焦点となっていた2年の研修期間の短縮については、1年目は内科、救急、地域医療を必修とし、2年目は外科、小児科、精神科など五つから2診療科を選択させる。
  • また、従来通り、各診療科を残り1年で回って研修を受けることもできることになった。
  • 当初は臨床研修を1年に短縮する案が有力だったが、医療の現場から「1年の研修では基本的な診療能力が習得できない」などの反対が強くあり、提言では「研修プログラムの弾力化」という折衷案を示した。
  • 臨床研修は医師養成のあり方が中心課題であり、医師不足の問題とは別に考える問題だ。
  • そもそも診療科ごと、また地域別に、何人の医師が足りないのかのデータがない。
  • 調査が難しいのは分かるが、基本的なデータ不足で医師不足を論じても有効な対応策は出てこない。

米自動車支援 保護主義への警戒を怠るな(2009/02/20 毎日新聞の社説)

  • 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーが経営再建計画を提出した。
  • 両社とも大規模なリストラを行うことを表明したが、その一方で、GMは最大で166億ドル(約1兆5000億円)、クライスラーも50億ドル(約4600億円)の追加融資を要請した。
  • 米国の金融システムは公的資金の大量投入によってどうにか支えられている状態だ。
  • ローンを組んで買う商品の代表例が自動車で、金融システムの再生が進まない限り、米国での自動車販売の回復は望めないというのが実情だろう。
  • 再建計画は、ガイトナー財務長官らを中心とする特別委員会で検証し、追加支援の是非を判断することになっている。
  • 連邦破産法を適用して再生手続きを進めるべきだという声も強い。
  • しかし、米国でも雇用の悪化が深刻化しており、部品会社や販売網も含め巨大な雇用を抱えている自動車産業が大混乱に陥ることは、米政府としては回避したいところだろう。
  • ただし、政府による自国企業への安易な支援拡大は、保護主義的な措置をとることを促しかねない。
  • また、なぜ自動車会社だけが救済されるのかという疑問も出てくるはずで、政府の支援が他の産業に広がらないとも限らない。
引用元:毎日jp

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