2009年2月11日 水曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

企業の資本増強 公的支援は「危機回避」に絞れ(2009/02/11 読売新聞の社説)

  • 大企業の倒産を引き金に経済危機が拡大しないよう、政府が一般企業の資本増強を支援する方向で準備を進めている。
  • 新制度では、政府系の日本政策投資銀行などが企業に出資し、その一部を政府が保証する。
  • 導入に向け、政府は産業活力再生特別措置法(産業再生法)の改正案を今国会に提出した。
  • 支援対象は、産業再生法の適用を受け、3年以内に収益向上が見込めると認定された企業だ。
  • 一般企業に対する公的支援の目的は「危機回避」である。
  • 倒産すると日本経済が揺らぐような企業に対象を絞るべきだ。
  • 支援決定までの経緯や理由を開示し、監督官庁によるお手盛り救済や、地元や業界の陳情に配慮した政治の介入などは排除しなければならない。
  • 判断を役所と金融機関任せにせず、産業再生機構の支援先を選んだ産業再生委員会のような、第三者機関も検討してはどうか。

事故米業者逮捕 まかり通った偽装を解明せよ(2009/02/11 読売新聞の社説)

  • 米穀加工販売会社「三笠フーズ」社長ら5人が不正競争防止法違反容疑で警察に逮捕された。
  • 容疑の対象は、殺虫剤が検出されたベトナム産うるち米だ。
  • 三笠フーズは、関係会社などと複雑な取引を繰り返す中で「食用」「国産」と偽り、購入時の4、5倍の価格につり上げて、酒造会社に転売したとされる。
  • 中国産米の転売でも三笠フーズを追及し、詐欺罪の立件も図るという。
  • 不正を見逃した農水省の責任も重大だ。
  • 検査も事前に通告した上でのもので、業者寄りの姿勢は明らかだった。
  • 今回、業者の手みやげを受け取った職員らが処分された。
  • 別の輸入米をめぐる事件では、入札の予定価格を漏らした農水省職員が、加重収賄罪で有罪判決を受けている。
  • 事故米事件を検証した有識者会議は、食の安全に関して「政府や農水の職員の意識が変わらない限り、いかなる制度や仕組みを作っても作動しない」と断じた。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

米新政権の対話姿勢にイランも応えよ(2009/02/11 日経新聞の社説)

  • オバマ米大統領は9日の記者会見で、今後数カ月の間にイランとの直接対話の糸口を探ると述べ、「互いに敬意を抱き前進する関係になることは可能だと思う」と語った。
  • イラクからの米軍撤収やアフガニスタン情勢打開でも、両国に影響力を持つイランを無視することはできないという現実的判断も働いている。
  • 最大の焦点であるイランの核開発計画をめぐる対立も、早急な打開は難しい。
  • 米国の対話呼びかけを関係修復と国際的な孤立脱却につなげるには、イラン側の信頼醸成の努力が不可欠だ。
  • 核開発は軍事目的ではないと主張するなら、抜き打ち査察を可能にする国際原子力機関(IAEA)の追加議定書を批准すべきだ。
  • この(国連安全保障理事会の常任理事国5カ国とドイツは)6カ国は今月、米国の対話姿勢を歓迎し、IAEAへの完全協力をイランに求める共同声明を発表した。
  • オバマ大統領は行動を変えるシグナルを発するようイランに促している。
  • イランもこれに応えて信頼醸成に踏み出すべきだ。

ゼネコン裏金の徹底解明を(2009/02/11 日経新聞の社説)

  • 海外から不正に資金を持ち込んだとして東京地検特捜部は外為法違反の罪で西松建設前社長を起訴したが、そうしたカネの使途をあぶり出さねば捜査は完結しない。
  • 大分県でのキヤノンの関連工事に絡み、大手の鹿島などからの資金を脱税した疑いでコンサルタント会社社長らが逮捕された。
  • こうした資金は何に使われたのか。
  • 浮上している疑惑の1つは、与野党の政治家サイドへの献金だ。
  • 同社OBが代表だった2つの政治団体が複数の国会議員側に献金を繰り返しており、特捜部は関係先を家宅捜索している。
  • 福島県の原子力発電所関連事業の受注工作も明るみに出ている。
  • さらに、タイのバンコク都庁発注の工事受注をめぐる贈賄疑惑も注目すべきだ。
  • 業界はかつてゼネコン汚職で大掛かりな摘発を受けた。
  • 談合との決別も宣言したが根絶できず、こんどは裏工作疑惑の噴出である。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

自動車の苦境―首相が言うほど甘くない(2009/02/11 朝日新聞の社説)

  • 麻生首相は「他国に比べたら傷は浅い」というが、そうだろうか。
  • トヨタ自動車や日産自動車など大手10社が発表した09年3月期の決算予想によると、半分の5社が営業赤字に転落する見通しだ。
  • たしかに昨年9月の時点では、金融危機が起きた米国や英国に比べれば日本経済はまだ健全であり、経済界の危機感もさほどではなかった。
  • ところがその後は危機が深まり、自動車や電気製品の買い控えが一気に世界規模で広がった。
  • その直撃を受けて、日本の昨年10~12月期の経済成長率は、金融危機で傷んだ米国や英国よりもマイナス幅が大きくなると見られている。
  • 米国やフランス、スウェーデンは自動車産業への金融支援などの保護策を打ち出し始めた。
  • 日本政府に対しても、日産自動車のカルロス・ゴーン社長が「業界を支援してくれることを願っている」と発言している。
  • 安易に乗り出すべきではないが、危機対策、雇用対策としてやむをえない面もある。
  • 自動車産業に限らず、いま適切な対策は何か、どこまでが政府の責任で、どこからが自助努力の範囲なのか。
  • そこを政府や国会が判断しなければいけない局面に来ている。

漢字検定協会―まさか「私益法人」では(2009/02/11 朝日新聞の社説)

  • 京都市にある財団法人「日本漢字能力検定協会」が、監督官庁である文部科学省の立ち入り検査を受けた。
  • 公益法人であるにもかかわらず年数億円もの利益をあげていた。
  • さらに理事長ら親族が自ら役員を務める会社と多額の業務委託契約を結んでいた。
  • 公益法人は積極的に不特定多数の者の利益の実現を目的とする、と規定されている。
  • 税法上の優遇措置を受けているのも、公に資するのが目的だからこそである。
  • 公益法人の監督については毎年提出される事業計画や事業報告で精査しているうえ、通常、3年に1回程度は立ち入り検査をしているという。
  • 文科省によると、その際に検定料の引き下げなどを指導したという。
  • 指導後も改善がなかったとすれば、文科省もずいぶん軽く見られたものである。
  • パソコン全盛の時代に漢字の読み書き能力向上に果たした協会の役割は小さくない。
  • 協会は身ぎれいになって出直す時だ。
引用元:asahi.com

産経新聞

三笠フーズ 「豊かな食」考える機会に(2009/02/11 産経新聞の主張)

  • 輸入事故米を不正に転売し、日本の主食・コメの安全に対する信頼を揺るがせた「三笠フーズ」(破産手続き中)に対して、大阪府警などの合同捜査本部が社長ら関係者の逮捕に踏みきった。
  • 今回の着手容疑は不正競争防止法違反となっているが、さらに罰則の重い詐欺や食品衛生法違反などが適用可能かどうか、捜査の行方を見守りたい。
  • すでに大臣と事務次官が一連の責任をとって辞任したほか、現場担当者の中には、不正転売をうすうす感づいていながら見逃していたのではないかという疑いすら指摘された。
  • 政府の有識者会議が昨年11月、「歴代農水相や局長、部長らの責任が最も重い」とする調査報告書を消費者行政担当相に提出したのは当然だろう。
  • これほどの事態に至った原因について考えると、かつての日本人が持っていた素朴な「食の安全神話」が根底から覆されていると認めざるを得まい。
  • 安価さのみを求め、中国などの安い野菜を輸入する一方で、一部の行き過ぎたグルメブームに影響されて、内外の高級食材を過剰に珍重する風潮が背景にあった、とはいえないだろうか。
  • その点で、今回の事件を、消費者も「真に豊かな食生活とは何か」を原点に戻って考え直す機会にすべきだ。

建国記念の日 政府が率先し祝うべきだ(2009/02/11 産経新聞の主張)

  • 43回目の「建国記念の日」を迎えた。
  • 「建国記念の日」は戦前の「紀元節」を引き継いだものである。
  • その「紀元節」は、明治維新のさい『日本書紀』で初代神武天皇が即位したとされる2月11日を選んで制定された。
  • 西欧列強に植民地化されるかもしれない危機の中、新しい国づくりに乗り出すに当たり、建国の歴史を学ぶことで、国民に一致団結を呼びかけたのだった。
  • 民間団体による式典はいくつか開催されているが、今年、麻生太郎首相が出席する予定はない。
  • 国際的にみても、国が制定した建国の記念日を政府自らが祝わないというのは、異例なことと言わざるをえない。
  • 明治政府がそうしたように、まず建国の歴史をその中心に据えたい。
  • 今後、政府が率先してこの日を祝う方法を考えてほしい。

毎日新聞

巨額脱税事件 裏金はびこる商慣習改めよ(2009/02/11 毎日新聞の社説)

  • 大分市のコンサルタント会社「大光」の社長や、取締役を務めていた元大分県議会議長らが法人税法違反(脱税)容疑で東京地検特捜部に逮捕された。
  • 精密機器大手「キヤノン」グループの大型工事を受注したゼネコン大手「鹿島」や下請け受注した電気設備工事大手「九電工」から提供された裏金などを隠し、3億円近くを脱税したとされる。
  • 裏金は鹿島が約5億円、九電工が約2億円に上るとみられている。
  • 裏金提供は企業のコンプライアンス(法令順守)が求められる今の時代に明らかに逆行する行為であり、許されない。
  • 御手洗会長は事件について「キヤノンや私の関与は全くない。迷惑を被っている」と説明している。
  • 御手洗会長は日本経団連会長も務めるだけに、取引の透明さがより一層求められるのではないか。
  • 準大手ゼネコン「西松建設」が海外で作った裏金を不正に国内に持ち込んだとして、前社長や元副社長らが逮捕・起訴されたばかりだ。
  • 公共工事にせよ民間の工事にせよ、裏金が介在すればその分、経費は高くつき、ツケは国民や消費者に回ってくる。
  • 裏金を「必要悪」として商取引に介在させる慣習を、いいかげんに断ち切らなければならない。

バイアメリカン このままでは世界が失望する(2009/02/11 毎日新聞の社説)

  • 保護主義という名の伝染病が世界的に広がり出した。
  • 公共事業で米国製品の使用を義務付ける「バイアメリカン条項」は保護主義の伝染を促す悪い内容と言わざるを得ない。
  • 先に可決した下院の法案は鉄鋼製品に限定した内容だったが、上院版は製品全般と広範になった。
  • オバマ大統領は「世界の貿易が減少している時に、米国は自国のことしか構わない、世界貿易に関心がない、とのメッセージを送るのは間違いだ」「貿易戦争の引き金を引く条項を入れてはならない」などと語り、見直しを迫った。
  • 拒否権を行使してでも阻止すべきである。
  • 自国製品の購入を呼びかけたり、国内企業への貸し出しを銀行に求めるといった動きが欧州でも広がっている。
  • その勢いに対抗するには、保護主義政策を取らないというだけではなく、さらなる貿易自由化を各国が協調して推進することが不可欠だ。
  • それを主導する責任があるのが米国であり日本である。
  • 責任を放棄するようなら、世界は早速オバマ政権に失望することだろう。
引用元:毎日jp

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