2009年2月10日 火曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

公的教育投資 国際競争に堪えうる大学に(2009/02/10 読売新聞の社説)

  • 各先進国が力を入れている高等教育分野は、資源の乏しい日本が国際競争を勝ち抜くために重要である。
  • 政府の教育再生懇談会が第3次報告で強調したのもこの点だ。
  • 「大学全入時代」の教育のあり方について、高等教育への公的支援に納税者の理解を得るためには、「教育の質の担保に努力しない大学は淘汰(とうた)もやむを得ない」としている。
  • 経済協力開発機構(OECD)が昨年発表した国内総生産(GDP)に対する公的教育支出の割合(2005年)をみると、日本は04年より0・1ポイント下がり、過去最低の3・4%になった。
  • 比較可能な28か国で最下位だった。
  • 昨年策定された国の教育振興基本計画では、教育への投資充実を求めている。
  • 基本計画を受け、中央教育審議会も中長期的な大学教育のあり方を審議している。
  • 教育専門家らだけではなく、経済学者なども交えて議論すべきではないか。
  • どの分野でどういう成果を上げるために、どれだけの公的な資金をつぎ込むのか。

イラク地方選 治安改善による首相派の勝利(2009/02/10 読売新聞の社説)

  • イラク地方選で、マリキ首相を支持するイスラム教シーア派の穏健政党連合の躍進が確実となった。
  • 首相は昨年、バグダッドや南部バスラで、シーア派民兵の掃討作戦を実施し、治安改善を導いた。
  • 宗教色を薄め、イラク・ナショナリズムを前面に打ち出して国民融和の必要性を訴えた首相の主張も、支持を得た。
  • 前回の選挙でその大半がボイコットしたスンニ派が選挙に参加したことも、明るい材料だった。
  • マリキ首相派が勢力を伸ばしたのとは対照的に、同じシーア派の最大政党である「イラク・イスラム最高評議会」は、後退を余儀なくされた。
  • その敗北は、シーア派国家イランの影響力が拡大することに、国民が警戒感を示した結果と言える。
  • 選挙は、クルド人自治区の3県と、帰属問題が未解決の産油地キルクークを抱える県では実施されなかった。
  • 選挙で、「政治」に対する一定の期待感が表明された。
  • だが、暮らしに直結する問題の打開に手間取れば、国民の忍耐はいつまでも続くまい。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

産業支援の自国優先主義を断ち切れ(2009/02/10 日経新聞の社説)

  • ある国が自国の企業だけに有利な政策を打ち出せば、貿易相手国は対抗するために同様の保護政策に傾く可能性がある。
  • この悪循環を放置すれば、国内企業と外国企業が対等に競い合うことを重視した世界貿易機関(WTO)の内外無差別の原則が形骸化してしまう恐れがある。
  • 日米欧主要7カ国(G7)の政府は、今週ローマで開く財務相・中央銀行総裁会議で、保護主義的な政策の横行に歯止めをかける強い意志を示すべきだ。
  • 気をつけなければならないのは、危機対策や産業支援という大義名分の下で保護主義が正当化されやすいという現実である。
  • 米議会で景気対策法案に「バイアメリカン」条項が盛り込まれた例は典型だろう。
  • 公共事業で米国製の鉄鋼製品などの調達を義務づける内容は、紛れもなく保護主義政策だ。
  • 自由貿易体制から大きな恩恵を受ける日本は、自国中心主義の批判を受けぬよう注意すべきだ。
  • 政府は資金難に陥った企業を公的資金で救済する新制度を導入するが、国内企業だけを優遇するという誤解を招くことがあってはならない。
  • 産業支援策は危機が去るまでの一時的な措置とするとともに、内外無差別の原則を貫いた公正な運用が欠かせない。

アフガン戦略どう見直すか(2009/02/10 日経新聞の社説)

  • アフガニスタンのカルザイ大統領が、対立してきたイスラム原理主義組織タリバンのうち穏健な勢力に対し、話し合いに応じるよう呼びかけた。
  • 「テロとの戦い」の相手と位置づけてきたタリバンでも、武力対決に固執せず政府側との何らかの和解を考える勢力となら話し合いは可能という発想だろう。
  • 反対勢力を一様にテロ組織と決めつけ、政治プロセスに取り込む工作を怠ってきたとの指摘もある。
  • NATOによると、昨年のタリバン勢力による攻撃件数は前年比3割以上増えた。
  • 外国人兵士の死者は300人近くに上り、民間人の死者は約2000人という。
  • オバマ米大統領はアフガニスタンでのテロとの戦いを最重要の安全保障政策として位置づけ、3万人を増派する計画だ。
  • ただ、軍事力だけではテロとの戦いに勝てないことは7年余りの経験でわかっている。
  • ミュンヘンの会議では軍事作戦と人道援助、開発をより効率的に組み合わせ、新たな包括的戦略を作ることが必要だとの意見が出された。
  • 状況はきわめて厳しいが撤収するわけにはいかない。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

直轄負担金―橋下知事の不払いに理(2009/02/10 朝日新聞の社説)

  • 大阪府の橋下徹知事の口から、また大胆な発言が飛び出した。
  • 政府が独自に進める道路やダムなどの公共事業で地元自治体に費用負担を求める直轄事業負担金に批判の矢を向けた。
  • 「僕の責任で2割ストップさせてもらう」。
  • 府の事業は聖域なく削っているのに、国の事業だけ青天井とはいかないというわけだ。
  • 予算計上の段階で、何にいくら使うのか詳細な支出が示されないまま、負担額だけが自治体に通告される仕組みなのだ。
  • 鳥取県の前知事で慶応大教授の片山善博氏によると、江戸の敵を長崎で討たれかねないという心配が背景にあるという。
  • 政府の事業に反対すると、後から別の国の補助事業でしっぺ返しを食うのではないか。
  • そう恐れる首長が少なくないのだ。
  • 府民の高い支持を得ている橋下氏だからできる話なのかもしれないが、ほかの知事たちも声をあげてもらいたい。

タクシー再規制―「利用者第一」の視点で(2009/02/10 朝日新聞の社説)

  • タクシー事業について、行政機関が新規参入や台数を制限できるようにする特別措置法案が近く閣議決定される。
  • 規制緩和の結果、都市によっては台数が増えすぎ、運転手の賃金も大きく下がっている。
  • 法案は、台数過剰になった都市などを「特定地域」に指定し、台数を減らしたり、タクシー会社の合併など経営改善を促したりできるようにする。
  • そうではなく、運転手の賃金や労働条件への規制の方を強めるのがいいのではないか。
  • 運転手の固定給部分を手厚くし、安全運転のために勤務規制も強める。
  • 野放図に台数を増やせば経営のマイナスになる仕組みをつくって、需要に合った台数へ落ち着くよう誘導する手法が望ましい。
  • タクシーは身近な足であり、公共交通機関だ。
  • 社会が高齢化するにしたがってますます欠かせない足となるだろう。
  • 改革論議に「利用者第一」の視点が乏しいことが最大の問題だ。
引用元:asahi.com

産経新聞

覚醒剤密輸 官民で海岸を警戒しよう(2009/02/10 産経新聞の主張)

  • 高知県の漁港で、不審船から覚醒(かくせい)剤の入ったバッグを受け取ろうとした中国人3人と、沖合を航行中の不審船の中国人船長ら6人が覚せい剤取締法違反などの疑いで逮捕された。
  • 最近、外国人による覚醒剤密輸事件が急増している。
  • 前年より5割以上増え、中国からの密輸が約半数を占めた。
  • 日本の海岸線は3万4000キロに及び、米国の2万キロをはるかに上回る。
  • それを海保の巡視船や航空機だけで守り切るのは、容易ではない。
  • 警察や海上自衛隊との連携に加え、民間の協力が不可欠である。
  • 平成15年2月、「海守(うみもり)」という強力な民間支援組織が生まれた。
  • 海での異変を「118番」(海の110番)通報しようという全国的なボランティア組織である。
  • 海守の通報により、かなりの成果が挙がっている。
  • 覚醒剤事件に限らず、拉致事件のような非道な国家犯罪を防ぐためにも、官民一体で海岸線に目を光らせることが必要だ。

バイ・アメリカン 削除が米大統領の責務だ(2009/02/10 産経新聞の主張)

  • 米国経済の再生をめざす景気対策法案が10日にも議会上院で採決される。
  • 減税やインフラ投資などの景気刺激策とは別に、法案には重大な問題がある。
  • 公共事業で米国製品の使用を義務付ける「バイ・アメリカン(米製品購入)」条項が盛り込まれているからだ。
  • この条項が批判されるのは、世界同時不況を1930年代のような大恐慌に陥れてしまう懸念がぬぐい切れないからだ。
  • 米国は1933年、今回と同様に国産品の使用を義務付けるバイ・アメリカン法を可決した。
  • それをきっかけに各国の報復合戦が起こった。
  • その結果、恐慌が深刻化し、第二次世界大戦につながった。
  • 昨年11月の金融サミットに参加した20カ国・地域は「1年間は新たな貿易障壁を設けない」と約束した。
  • オバマ大統領はそれを自覚し、議会に強く圧力をかける必要がある。

毎日新聞

築地移転新工法 消費者の疑念は晴れていない(2009/02/10 毎日新聞の社説)

  • 東京都は中央区築地にある中央卸売市場の移転予定地である江東区豊洲地区の土壌汚染対策を発表した。
  • 汚染対策工法の検討を行ってきた「技術会議」(座長=原島文雄東京電機大教授)の提言をもとに、ベンゼンやシアン、重金属などに汚染された土壌の当該地域内処理を基本に対策を実施する。
  • 新工法は公募技術・工法を実効性や環境配慮などの項目で評価し、システムエンジニアリングの手法で組み合わせた。
  • では、これで消費者や市場関係者の汚染に対する疑念を払うことができるのか。とてもそうはいえない。
  • 第一に、食物を扱う市場として、高濃度汚染の確認された地区は適切ではないということだ。
  • 専門家会議委員も「移転ありき」で報告書を作ったのではないと語っていた。
  • 第二に、技術会議が提言した新工法の評価である。
  • 原島座長は最適な技術の組み合わせだというが、同会議が非公開だったこともあり、移転の反対あるいは慎重な市民や仲卸業者を納得させるには十分ではない。
  • 移転、現地再開発を含め、これまでの行きがかりにとらわれず、最善の道を探るべきではないか。

イラン 革命30年を変身の機会に(2009/02/10 毎日新聞の社説)

  • 79年2月10日、イランの首都テヘランで激しい市街戦が続いた。
  • 当時のパーレビ王制を支持する親国王派と、ホメイニ師を信奉する革命勢力の衝突である。
  • この戦いはほどなくホメイニ師派が勝利を収め、中東随一の親米国家イランは、独特の統治理論を持つ反米国家に様変わりした。
  • それから30年。
  • バイデン米副大統領はドイツ・ミュンヘンで開かれた安保政策会議(7日)で、イランとの直接対話を望む意向を示した。
  • 新生イラクでも親イラン勢力は一定の力を持っている。
  • 核問題でイランの歩み寄りは不可欠だが、米国も武力行使をちらつかせるだけが能ではない。
  • 宗教権威者が政治をつかさどるというホメイニ師の政教一致体制を、21世紀の世界で維持することが有益なのか。
  • アフマディネジャド政権下で強硬なイメージを強めてきたイランは「チェンジ」の必要性に迫られている。
引用元:毎日jp

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