2009年2月6日 金曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

海賊対策新法 武器使用権限の拡大が肝要だ(2009/02/06 読売新聞の社説)

  • 海賊取り締まりは、国連海洋法条約や国連安全保障理事会決議を根拠としている。
  • 政府・与党によるソマリア沖の海賊対策新法の検討作業で、海上自衛隊の武器使用権限の扱いが焦点になっている。
  • 防衛省や自民党は権限の拡大を求めているが、公明党には慎重論もある。
  • 新法制定までの「応急措置」として、海自の護衛艦2隻が来月にも自衛隊法の海上警備行動に基づき、ソマリア沖に派遣される。
  • 重火器で武装した海賊を相手にするのに、これでは効果的な取り締まりができないばかりか、自衛官を危険にさらしかねない。
  • 海賊取り締まりの実効性を確保するためには、武器使用権限の拡大が肝要である。
  • さらに、国際協力の観点では、海自の哨戒機P3C数機を派遣し、護衛艦とは別の海域の上空で警戒活動を行うことが望ましい。
  • そもそも2隻の護衛艦では、1日平均5、6隻にも上る日本関係船舶の全部を警護するのは物理的に難しい。
  • P3C派遣が護衛艦の活動を補完することになる。

「円天」詐欺 悪質商法に素早く対処せよ(2009/02/06 読売新聞の社説)

  • 高配当をうたい、主に中高年の女性から多額の資金を集めていた「L&G」の会長ら22人が組織的詐欺の疑いで逮捕された。
  • 「1口100万円の協力金につき年36%の配当を支払う」「元本は保証」と宣伝していた。
  • 協力金の額に応じて「円天」という疑似通貨を支給した。
  • 出資を募っては、運用もせずに配当に回すだけという手法では、いずれ行き詰まるのは目に見えていた。
  • 各地の消費者センターには、すでに04年ごろから、「怪しげな勧誘をしている」という情報提供や苦情が寄せられていた。
  • それにもかかわらず、東京都が立ち入り調査したのも、警察が捜索に入ったのも、「L&G」が破綻(はたん)した後の07年10月になってからだ。
  • こうした教訓から、金融商品取引法が07年9月に施行され、一般投資家から出資を受ける投資事業については、金融庁への登録が義務づけられた。
  • 犯罪事実が不明でも、無登録ならば、投資話で資金を集めただけで、懲役3年以下などの罰則に問うことができる。
  • 悪質商法には素早い対応が求められる。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

米国発の保護主義の連鎖を許すな(2009/02/06 日経新聞の社説)

  • 世界的な不況を受けて、米国内で貿易保護主義が頭をもたげている。
  • 米議会下院が可決した景気対策法案に「バイアメリカン」条項が盛り込まれた。
  • このまま同法が成立すればドミノ倒しのように保護主義が世界に広がりかねない。
  • この条項は公共事業で調達する鉄鋼や衣料品を米国製に限定し、外国製品を米国の市場から締め出すという差別的な内容である。
  • 中心的な役割を果たしたのは、オバマ大統領の身内である与党民主党の議員を中心とする鉄鋼議員連盟である。
  • 民主党の新人議員の提案で、空港の荷物検査員の制服などの繊維製品を米国製とする条項も付け加えられた。
  • 一方、上院は義務的な調達の範囲を鉄鋼などに限らず、工業製品一般に広げた法案を審議中である。
  • 上院でも可決されれば、最終的な立法の判断はオバマ大統領に委ねられる。
  • 米国と世界の期待を担って登場したオバマ大統領には、国内の保護主義勢力を説得する責任がある。

「郵政」見直しなら民意を問え(2009/02/06 日経新聞の社説)

  • 麻生太郎首相は衆院予算委員会で郵政民営化について「4つに分断した形が本当に効率としていいのかどうか、もう1回見直すべき時に来ている」と4分社化の見直しに言及した。
  • 郵政民営化法による1回目の見直し時期が3月に来るが、4分社体制を変えることは民営化路線の根幹にかかわる。
  • それならば、首相は衆院を解散して、はっきりと民意を問うべきだろう。
  • 政権の責任者として一連の答弁は有権者に不誠実ではないか。
  • 郵政民営化は前回衆院選の最大の争点で、多大な賛意が集まった。
  • ねじれ現象を起こしている国会で、与党が衆院で3分の2条項を生かして重要法案を再可決できるのもその結果だ。
  • 資金の入り口である郵便貯金や簡易保険を民業に転換し、肥大化した財政投融資にメスを入れることは、政府のリストラの大前提だ。
  • 首相の発言には次期衆院選で郵政票が野党に流れるのを阻止したい思惑もあろう。
  • それならばあいまいな軌道修正の繰り返しでなく、極力早く解散で路線変更への民意を問うのが筋ではないか。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

ネットの中傷―表現の舞台を汚す卑劣さ(2009/02/06 朝日新聞の社説)

  • お笑いタレントの男性のブログに事実無根の書き込みをしていたとして、警視庁は全国に住む18人を名誉棄損の疑いで書類送検する方針を固めた。
  • また、タレントを「殺す」などという内容を書いたとして、1人を脅迫の疑いで書類送検した。
  • ブログへの書き込みをめぐる集団摘発はきわめて異例だ。
  • それほどネットの世界には、悪質きわまりない書き込みがあふれているということだ。
  • 深刻なのは、そうした無責任な書き込み行為が幅広い層に広まっている点だ。
  • 今回摘発された中には女子高校生から国立大学の職員までいた。
  • 背景にあるのは、名乗らずに発信できるネット社会の特性だろう。
  • 今回は被害の訴えを受けて警察が乗り出したが、健全なネット社会を築くには世の中全体の努力が要る。
  • 学校も家庭も、ネットの使い方と発信者の責任をきちんと教えるべき時代になった。

タイ首相来日―不況の克服へ態勢作りを(2009/02/06 朝日新聞の社説)

  • 政治や社会の混乱の火種がくすぶっているところに世界同時不況が影響し始めた。
  • そんな状況のタイから、44歳の新首相アピシット氏が来日した。
  • ASEANプラス日中韓の首脳会議や東アジアサミットが昨年末に開催される予定だったが、タイの政治混乱で流れてしまった。
  • アピシット氏は一連の国際会議を4月に開催する意向だ。
  • 麻生首相は、危機対策として1兆5千億円以上の政府の途上国援助(ODA)を、アジアへ投じる考えを示している。
  • タイの隣国ミャンマー(ビルマ)から船で出国した少数民族ロヒンギャ族の多くの人々が、タイやインドネシアに漂着している。
  • ミャンマー軍事政権から迫害を受けている民族だ。
  • 彼らはタイ海軍が彼らを保護せず、放置したと訴えている。
  • ここでもタイの信頼回復が問われている。
引用元:asahi.com

産経新聞

減反見直し 農業改革へのたたき台に(2009/02/06 産経新聞の主張)

  • コメの作付面積を制限し、価格を維持してきた生産調整(減反)の見直しをめぐる議論が活発になっている。
  • 石破茂農林水産相が減反に参加するかどうかを各農家に委ねる「選択制」を検討する意向を示したからだ。
  • 選択制では減反に参加しない農家は自由にコメを生産できるようになる。
  • その半面、コメの価格が下がっても国からの補助金はない。
  • これに対して減反に参加する農家は生産量について制約を受けるが、政府から直接、所得補償が得られるという。
  • ただ、減反に参加しない農家は意欲的な専業農家である可能性が高い。
  • 日本の農業にとってはそうした農家の育成が重要である。
  • これらの農家に対しては、所得補償がない代わりに農地法を見直して農地の集約をしやすくするなどの規制緩和を進めることが必要だ。
  • 将来を見据え、日本の食料確保をどうするかという大きな構想作りの中で議論する必要がある。

橋下知事1年 大胆な手法で改革継続を(2009/02/06 産経新聞の主張)

  • 橋下徹大阪府知事が就任して1年になる。
  • 産経新聞社が1月下旬に実施した府内の有権者を対象とする調査では、支持率は依然8割を超え、橋下人気が衰える気配はない。
  • 財政非常事態宣言から予算の大幅削減、経営破綻(はたん)状態にある大阪市の第三セクター超高層ビルへの府庁移転計画、学力向上に向けた教育改革など、自身が掲げる「大阪維新」の看板にたがわぬ精力的な動きである。
  • その一方で大阪空港(伊丹)廃止論や、全国学力テストの市町村別結果公表に消極的な教育委員会を「くそ教育委員会」と呼ぶなど過激で勇み足的な発言も相変わらず多く、物議をかもしている。
  • 結果的に、それまで無関心だった府民の目を府政に向けた効果を忘れてはなるまい。
  • 編成中の平成21年度予算案では、法律で義務づけられた国直轄事業負担金を最大2割カットする考えを示した。
  • 橋下氏の打ち出すこうした施策が、道州制をにらみ、中央から地方への権限移譲を考えているのは明らかだ。
  • 橋下氏はこれまで通り、役所的常識にとらわれずに改革を進めるべきだ。
  • 幅広い府民の支持を背景に、大胆な政策を提示し、実現させれば府はもちろん、他の自治体にまで改革の機運は波及していくだろう。

毎日新聞

「円天」事件 甘いワナを暴き出す捜査を(2009/02/06 毎日新聞の社説)

  • 独自の電子マネー「円天」などを売り物に多額の出資金を集めた健康寝具販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」の会長、波和二容疑者はじめ20人を超す幹部らが、警視庁などの特別捜査本部に組織犯罪処罰法違反容疑で一斉逮捕された。
  • 1億余円をだまし取ったという逮捕容疑だが、約3万7000人から1260億円を集めた疑いが持たれている。
  • 過去の巨額詐欺事件でも、首謀者らは経営が破綻し、刑事責任を追及されることを百も承知で犯行に及んだケースが多い。
  • 集めた金を隠匿すれば実刑判決を受けて服役しても採算が合う、とのゆがんだ損得勘定に根ざしているためだ。
  • それだけに、捜査当局には事件の実態を暴き出す徹底した捜査を求めたい。
  • 1000億円単位の被害を出す詐欺事件が繰り返されるのは、行政機関や政治家の怠慢でもある。
  • 被害情報を得た国民生活センターなどが積極的に捜査機関に告発するなどの方策を講じていれば、被害拡大を食い止めることも可能だったはずだ。
  • マルチ業界から政治献金を受けた政治家の責任も問題化したが、毅然(きぜん)たる態度で悪質商法に立ち向かい、必要な規制を講じる義務と責任が国会議員にはある。
  • 警察などが巨額詐欺事件に発展させぬため、スピーディーな捜査を展開すべきは言うまでもない。

読書感想文 理解を表現し、対話する力に(2009/02/06 毎日新聞の社説)

  • 青少年読書感想文全国コンクール(全国学校図書館協議会、毎日新聞社主催)に寄せられる作品は、成長期のみずみずしい心を動かす「本の力」を教えてくれる。
  • 第54回の今年は441万8141編の応募があり、入選の表彰式が6日、東京である。
  • 読書し感想文を書く過程は、理解を深め、思考を整理・発展させ、対話するようにわかりやすい表現を工夫させる。
  • 文部科学省の全国学力テスト分析によると、授業で図書館を活用する学校に成績向上効果が見られた。
  • 昨年、毎日新聞が全国学校図書館協議会の協力でまとめた第54回学校読書調査では、1カ月の平均読書量が小学生11・4冊、中学生3・9冊と過去最多になった。
  • ケータイ小説の人気は高く、書籍化されたものも含め高校生では7割近く、中学生もほぼ5割が読んだことがあり、小学生にも広がる。
  • 東京、大阪で「文字・活字文化推進機構」などが開いた「子どもの読書環境整備推進フォーラム」でも、学校図書館の司書教諭配置は全国の小中学校の6割程度で、所蔵冊数の不足も報告された。
  • 衆参両院は来年2010年を「国民読書年」とする決議を全会一致で採択した。
  • 「活字離れ」現象が進めば読解力や言語力などが衰え、文化も変質するという危機感が底にある。
引用元:毎日jp

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1件のコメント >コメントする

  1. 郵政4分社体制「見直すべき」 小泉改革路線決別 民意は何処に

    オツカレです。

    つい先日その変貌ぶりを期待したのだ現在の支持率通り支持しようにもこれではできまい。公務員改革でも郵政改革でも迷走は続くよどこまでも。

    [5日 日経]首…

    トラックバック by ハズレ社会人 — 2009年2月6日 @ 15:20

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