2009年2月5日 木曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

バイ・アメリカン、保護貿易主義は許されぬ(2009/02/05 読売新聞の社説)

  • 米議会下院が1月末に可決した8000億ドル超(約74兆円)の景気対策法案に、「バイ・アメリカン条項」が盛り込まれた。
  • 米国政府が発注する道路や橋などを建設・改修する公共事業で、米国製の鉄鋼を優先的に購入するよう政府に義務づける内容だ。
  • 上院が近く採決する法案は、鉄鋼だけでなく、政府が調達する一般工業製品も、バイ・アメリカン条項の対象に加えている。
  • 外国製品を締め出すもので、露骨な保護主義といえよう。
  • バイ・アメリカン条項はこの協定に違反している可能性が大きい。
  • 「今後1年は新たな貿易障壁を設けない」という昨年11月の金融サミット合意も反古(ほご)になる。
  • オバマ大統領は3日、「貿易戦争の引き金を引くような条項が法案に盛り込まれないようにすべきだ」と述べた。
  • 金融危機が広がった昨秋以降、ロシアが自動車、インドが鉄鋼の関税を引き上げるなど、保護主義的な動きが相次いだ。
  • 自由貿易を推進してきた米政権の姿勢が問われている。

沿岸捕鯨再開、IWC案を生かさぬ手はない(2009/02/05 読売新聞の社説)

  • 20年以上も絶えていた日本の沿岸捕鯨が、再開できるかも知れない。
  • 国際捕鯨委員会(IWC)が、日本の沿岸捕鯨の再開を条件付きで認める議長案をまとめた。
  • 議長案には、日本が南極海などで実施してきた調査捕鯨の縮小・中止などが盛り込まれており、簡単にはのめない点がある。
  • だが、商業捕鯨を全面的に禁止してきたIWCが、姿勢を一部でも転換した意義は大きい。
  • 政府は沿岸捕鯨再開に向け、議長案を受け入れる方向で、条件などの調整に入るのが得策だろう。
  • 一方で議長案は、調査捕鯨に対し、「捕獲数を20%ずつ減らして5年後にゼロにする」、「今後5年間、鯨種別に捕獲枠を設ける」との2案を示した。
  • 限定的な沿岸捕鯨を認める代わりに、外洋での大規模な調査捕鯨の抑制を求めたものだ。
  • 日本はこの機会をとらえ、積極的に反捕鯨国と話し合って、妥協点を探るべきである。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

国際会計基準採用へ準備と戦略怠るな(2009/02/05 日経新聞の社説)

  • 金融庁(企業会計審議会)は日本の上場企業に国際会計基準(IFRS)を採用する方針を打ち出した。
  • 国際基準の統一の流れを決定づけたのは米国の戦略転換だ。
  • 米国は昨年、欧州連合(EU)が域内企業に強制適用している国際基準を自国企業に採用する方針であることを表明した。
  • 百を超える国が導入している国際基準は事実上の世界標準になっており、独自基準を持つ主要国は米国と日本だけという背景がある。
  • 欧州委員会は昨年末、日本基準は国際基準と同等という評価を下しており、直ちに日本企業が準拠する会計基準が様変わりすることにはならない。
  • 会計基準の国際化は、企業と投資家の活動の世界的広がりを背景に、国ごとの違いを修正し、会計情報を比較可能にする資本市場のインフラ整備を担ってきた歴史がある。
  • EUの例に倣い、投資情報としての連結決算への国際基準の導入を先行し、税制などとも絡み中小企業も使用する個別決算の国内基準との分離や併用が考えられる。
  • 会計基準の品質とその実効性を高めるために、日本の考えをどう反映させるか。
  • 政官民一体の国際的な会計戦略が問われる時代を迎える。

今だからこそODA重視を(2009/02/05 日経新聞の社説)

  • 発展途上国経済が世界的な金融危機の直撃を受ける中、先進国による途上国援助の重要性が高まっている。
  • こんな時になぜ外国を支援しなければならないのかという疑問が生じるかもしれない。
  • 世界各国首脳は2000年に国連の場で貧困削減など8つの分野について15年をめどに達成すべき目標を作成した。
  • ミレニアム開発目標と呼ばれる。
  • 今週発表された日本の政府開発援助(ODA)白書によると、07年のODA実績は米、独、仏、英に次いで世界第5位に転落した。
  • 1990年代には第1位を誇っていた。
  • 援助政策が日本外交の重要手段であること、さらに途上国経済が疲弊すれば日本経済に直接間接に影響を与えることなどを考えても、ODAの減少傾向に歯止めをかける時期に来ている。
  • 麻生太郎首相はダボス会議でアジアに対し170億ドルのODAを供与すると述べた。
  • 国際公約はしっかり守りたい。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

バイ・アメリカン―保護主義の誘惑を断て(2009/02/05 朝日新聞の社説)

  • 世界同時不況を受けて、輸入関税の引き上げや自国産業への補助金のような保護主義的な動きが、各国に出ている。
  • そこへ、よりによって戦後の自由貿易体制の中心となってきた米国で、公共事業から輸入製品を締め出すような法案が審議されている。
  • 公共事業で米国製の鉄鋼の使用を義務づける内容で、下院が先週可決した。
  • オバマ大統領は今週、テレビのインタビューでこれについて「貿易が世界規模で落ち込んでいる時に、米国が世界貿易より国益ばかり考えているというメッセージを送るのは誤り」「貿易戦争を引き起こさないという保障が必要だ」と述べた。
  • ただ今後、上下両院の調整を経て、もしこの条項が景気対策法案に含まれたまま議会を通れば、オバマ氏も難しい立場に置かれる。
  • 拒否権を行使すれば景気対策の財政出動や減税まで遅れるし、いきなり議会と対立するのは新政権として避けたいところだろう。
  • 4月に開かれる2回目の金融サミットでは、この保護主義が焦点の一つとなるだろう。
  • そのときオバマ大統領が首脳たちへ「自由貿易の堅持」を訴えられるよう、自国の保護主義を排除しておく。
  • 経済危機の震源地となり不況を世界中へ及ぼした米国には、そのように行動する責任がある。

国会論戦―選択肢をより鮮明に(2009/02/05 朝日新聞の社説)

  • 09年度当初予算案をめぐる衆院の予算委員会が幕を開け、与野党の論戦がいよいよ熱を帯びてきた。
  • 秋までに必ずある総選挙を意識してのことだろう。
  • 野党各党はきのう、えりすぐりの論客を質問に立て、麻生首相や閣僚に論戦を挑んだ。
  • 民主党は菅直人、前原誠司の両元代表、「消えた年金」の問題を発掘した長妻昭政調会長代理ら、共産党は志位委員長が自ら立った。
  • 野党側の質問、そして政府側の答弁に耳を傾けていると、なるほどとうなずいたり、逆に不見識に驚く場面が何度もあった。
  • この国会には、論戦を通じて総選挙での争点を有権者に明らかにする重要な役割がある。
  • 野党の側にも自分たちが政権をとればこうする、という具体的な政策や構想をぜひ示してほしい。
  • その意味で、相変わらず民主党の小沢代表の「顔」が見えないのは物足りない。
  • 党首討論を含め、できるだけ早く論戦の表舞台に立つべきだ。
引用元:asahi.com

産経新聞

公務員天下り 骨抜き許さぬ制度設計を(2009/02/05 産経新聞の主張)

  • 国民の批判が強い公務員の「天下り」が、根絶に向けて動き始めた。
  • 政府の国家公務員制度改革推進本部が、改革スケジュールを定めた「工程表」を決定し、平成23年から新たな人事制度を実現するとした。
  • 麻生太郎首相は、今年限りで天下りと天下りを繰り返す「渡り」を廃止する政令を作ることを表明した。
  • 渡りで公務員OBは転職するたびに高額退職金を受け取る。
  • 1人で3億円を超す所得を得ていたケースも明らかになっている。
  • 今回は天下りの背景である、事務次官レースに敗れたら定年まで勤めにくいという国家公務員特有の慣行にもメスを入れる。
  • ここを改めなければ、実効性は上がるまい。
  • 制度改革は、これまで何度も官僚に骨抜きにされてきた。
  • 今回も官僚OBからは「長年の慣行で各省とも渡りのルートができあがっている。斡旋がなくても先輩が譲る形で自動的に再就職する仕組みは続き、実態は変わらない」との声が出ている。
  • 官僚機構の分厚い壁に穴を開けるのは相当の覚悟が必要だ。

テポドン発射準備 日米韓の結束強めるだけ(2009/02/05 産経新聞の主張)

  • 北朝鮮が米国領土に到達可能な「テポドン2号」を含む長距離弾道ミサイルの発射準備を進めていることがわかった。
  • この時期に「これ見よがし」の行動に出たのは、米新政権発足を意識した動きとみていい。
  • オバマ政権は中東、アフガニスタン問題に着手したが、北朝鮮問題は「過去の交渉を点検している」(クリントン国務長官)段階で、基本的にブッシュ政権下で始まった6カ国協議を継続する方針だ。
  • これに対して北朝鮮は、「核保有国」の立場で新たな核軍縮交渉を要求している。
  • 北朝鮮は05年の6カ国合意で核廃棄を約束したにもかかわらず、テロ支援国家指定解除や重油供給支援を「ただ取り」した形で核査察を拒否して現在に至っている。
  • 北朝鮮が脅し外交に励んだところで、日米韓・中国の結束と協調を強める逆効果をもたらすだけだ。
  • 北朝鮮に必要なことは6カ国合意の基本に立ち戻って、核査察と廃棄の合意事項を誠実に果たしていくことである。

毎日新聞

早期補正浮上 予算組み替えや修正が先だ(2009/02/05 毎日新聞の社説)

  • 09年度政府予算審議が始まったばかりというのに、与党内で早期の補正予算必要論が浮上している。
  • 山口俊一首相補佐官は、後になり取り消したが、「麻生太郎首相が編成を検討している」とまで発言した。
  • 麻生首相自ら、08年度予算の1次補正、2次補正、09年度当初予算と切れ目なく、施策を講ずることで、先進国で最初に景気回復を実現すると強調している。
  • その裏で、当初予算成立を待って補正予算編成の腹積もりというのでは、当初予算が景気回復に無力であることを認めているに等しい。
  • 与党内では、早期補正予算編成のみならず、景気対策のための政府紙幣発行構想も論議を呼んでいる。
  • 財政、金融両面での節度をかなぐり捨てた議論だ。
  • 異説や奇策では済まない。
  • 経済を危うくする策だ。
引用元:毎日jp

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