2009年1月23日 金曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

海賊対策新法 現行法での対応は応急措置だ(2009/01/23 読売新聞の社説)

  • 現行法による海上自衛隊の派遣は、あくまで暫定措置だ。
  • 海賊対策新法による対応が依然、急務で、怠るべきでない。
  • ソマリア沖の海賊対策に関する与党プロジェクトチームが、当面、自衛隊法の海上警備行動を発令して海自艦船を派遣する方針を決めた。
  • 3月上旬には海賊対策に関する本格的な新法を国会に提出し、早期成立を図る。
  • 民主党はこれまで、海賊対策の本格的な党内論議さえしていない。
  • 「国民の命と暮らしを守る新しい政権」の樹立を目指すという党方針と矛盾しないか。
  • 「航行の自由の確保のための国際社会の取り組みに積極的かつ主導的に寄与する」。
  • 民主党が一昨年末に国会に提出した新テロ対策特別措置法の対案の一節だ。
  • 民主党は、党内論議を急ぎ、新法の早期成立に「積極的かつ主導的」な役割を果たしてほしい。

景気悪化加速 デフレ防止を政策の最優先に(2009/01/23 読売新聞の社説)

  • 日本銀行は22日の金融政策決定会合で、足元の景気判断を前月の「悪化している」から、「大幅に悪化している」に下方修正した。
  • 国内総生産(GDP)実質成長率の見込みも、従来のプラス予想を改め、2008年度はマイナス1・8%、09年度はマイナス2・0%と、2年度連続で大幅なマイナス成長を見込んだ。
  • 09年度は、戦後最悪のマイナス成長のうえに、消費者物価上昇率もマイナス1・1%と、厳しいデフレ状態に入ると見ている。
  • 大企業も、資金繰りを銀行からの借り入れに頼る状況で、中小企業まで十分な融資が行き渡らなくなる恐れがある。
  • 日銀が、企業向け金融を支援する量的金融緩和を一段と拡充する方針を決めたのもそのためだ。
  • すでに打ち出していたコマーシャルペーパー(CP)の買い切りに加えて、満期までの期間が1年以内の社債も、日銀による買い切り対象とする検討に入った。
  • さらに不動産ファンドなどが発行する債券も資金供給の担保として新たに認める。
  • あらゆる政策手段を駆使して、金融の目詰まり解消に万全を期してほしい。
  • それでも金融機能の回復が思うように進まず、不安が高まるようなら、全面的な量的緩和策の復活も検討しなければなるまい。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

景気底割れのリスクに日銀は備えを(2009/01/23 日経新聞の社説)

  • 日本銀行は金融政策決定会合で、政策金利を年0.1%で据え置く一方、企業の資金繰りを助ける追加策を決めた。
  • 今年最初の政策会合で、日銀は企業が発行するコマーシャルペーパー(CP)と中小企業の売掛債権などを担保とする資産担保CPを合計3兆円まで買い入れると決めた。
  • 不動産投資信託(REIT)が発行した一定条件以上の債券も資金供給の担保として認める。
  • 残存期間が1年以内の社債の買い取りも検討する。
  • 09、10年度の消費者物価上昇率(生鮮食品を除く)はほぼ横ばいとした前回予測から、マイナス1.1%、同0.4%と2年連続の下落を見込む。
  • 白川方明総裁は物価下落と景気悪化が相乗的に進むデフレスパイラルの兆候は「現時点ではない」という。
  • だが日本の景気には明らかに下向きの圧力が強まっている。
  • 米欧でも金利引き下げ余地は乏しくなり、各国中央銀行は金融資産の買い取り拡大など非伝統的な金融政策を模索している。
  • 日銀も追加の資金供給や金融緩和に機敏に動くべきだ。
  • 政府も雇用や需要の創出へ有効な対策をもっと進める必要がある。

組織の責任を問われた海自(2009/01/23 日経新聞の社説)

  • 昨年2月に房総半島沖でイージス艦「あたご」と漁船が衝突した事故について、海難審判所が裁決を言い渡した。
  • 見張りをきちんと行う体制をつくりあげていなかった海上自衛隊の組織に重大な問題があったとする結論である。
  • 海難審判は刑事裁判に似た手続きによって船舶事故の原因を究明し責任の所在を判定する。
  • 被告人に相当する指定海難関係人は艦長、当直士官ら自衛官4人と、「あたご」が所属する第3護衛隊の5者だった。
  • 海自の組織が審判に付されたのは潜水艦「なだしお」と釣り船の衝突事故以来になる。
  • 裁決は、衝突時の当直士官の行為と第3護衛隊の組織体制が「本件発生の原因」と指摘したうえで、「艦内の連絡・報告体制、見張り体制を総合的に改善しなければ事故再発防止は図れない」として護衛隊に「反省を促し改善措置を要求する」勧告を出した。
  • 「あたご」の事故を巡って、海自には様々な不祥事があった。
  • 海上保安庁への通報が遅れ、防衛相に情報を伝えるのに1時間半もかかったこと、事故後、海保に無断で「あたご」航海長から事情聴取をし、当初それを隠していたことなどだ。
  • 事故の再発防止とともに、こうした不祥事を起こした組織の緩みも点検し改めなければならない。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

イージス艦事故―勧告を重く受け止めよ(2009/01/23 朝日新聞の社説)

  • 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と小さな漁船がぶつかり、2人の漁師が命を落としてから間もなく1年。
  • 原因の究明と再発の防止をめざした海難審判は、あたご側に衝突の主な原因があったとの判断を示した。
  • なかでも注目すべきなのは、海難審判が組織の問題にも切り込み、あたごの所属部隊に対して、安全教育を徹底するように勧告したことだ。
  • 海上自衛隊はあらためて事故の反省点を洗い直し、再発防止の手だてをとるべきだ。
  • それが事故を起こした組織の責任である。
  • 「国民の生命・財産を守るべき自衛隊がこのような事故を起こしてしまい、誠に遺憾」。
  • あたごと漁船の衝突について、防衛白書はこう記した。
  • 同じような悲劇を二度と起こさないよう自衛隊が変わらなければ、犠牲者の遺族はやりきれないだろうし、国民の信頼が得られるはずもない。

資金繰り支援―日銀は先を読み大胆に(2009/01/23 朝日新聞の社説)

  • 日本銀行が企業の資金繰り支援へ、さらに一歩踏み込んだ。
  • 年度末の3月には、社債の償還の山が来る。
  • 新たに社債を発行しての借り換えができないと、償還資金を借りに大企業がまた銀行へ向かう。
  • 日銀の社債買い入れは、このような資金繰り難の波及を止めようというものだ。
  • CP買い入れの上限も、大方の予想だった2兆円を上回る3兆円にした。
  • CP市場の残高は全体で17兆円程度なので、日本政策投資銀行が買い取る予定の2兆円とあわせ、3割近くが公的に消化されることになる。
  • 日銀はこのほか、金融機関に資金を供給する際の担保として、上場不動産投資信託(Jリート)が発行する債券や債権も認めた。
  • 資金繰り問題は本来、金融機関が自己資本を増強して融資余力を高め、克服すべきものだ。
  • だが(改正金融機能強化法による公的資本注入の)申請が広がっても、臨時株主総会の開催など手続きに時間がかかり、年度末のピンチには間に合いそうにない。
  • 日銀が一肌脱ぐしかなかろう。
引用元:asahi.com

産経新聞

消費税増税 足並みの乱れが信頼失う(2009/01/23 産経新聞の主張)

  • 今国会に提出する来年度税制改正法案の付則案に、消費税の増税時期をどう書き込むかで自民党内の議論が決着した。
  • 増税時期に関する問題は、昨年暮れに中期プログラムをまとめた段階でいったん合意をみていた。
  • 反対論が拡大し、党を二分する論争となった背景には、政策論とは別に、衆院選を控えて増税路線の印象を回避したい議員心理が働いていたといえる。
  • 財政悪化を食い止め、安定的な社会保障財源を確保するには、抜本税制改革が避けられない。
  • 付則はその道筋を示す「中期プログラム」を法律として書くものだ。
  • 付則案は2011(平成23)年度までに消費税を含む税制抜本改革の法整備を行う趣旨は変えないが、3年間は景気回復に集中し、実際の増税時期は景気回復の状況をみて別に定めることを盛り込んだ。
  • 将来の社会保障制度を安心なものにすると言いながら、具体的な話になると、消費税増税は当面、必要ないとする民主党と同じような主張を展開しているようでは、自民党議員への信頼は高まるまい。
  • 議論を封じ込めるものであってはならないが、与党の責任を果たすために結束を優先させるときだろう。

イージス艦裁決 異例の勧告にえりを正せ(2009/01/23 産経新聞の主張)

  • 海上自衛隊イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突で、横浜地方海難審判所はあたごの監視が不十分で、清徳丸を避けなかったことを事故の主因とする裁決(判決)を言い渡した。
  • 裁決は防衛省に再発防止の徹底を求める勧告も行った。
  • これまでも海自の過失を認定した例はあるが、勧告が出たのは昭和63年の潜水艦「なだしお」と遊漁船「第1富士丸」の衝突事故以来2例にすぎない。(※1)
  • 海自は審判の中で、事故後に事故調査委員会を独自に設置するなど、十分な再発防止策をとってきたと主張、勧告を盛り込まないよう求めていた。
  • しかし、あたごの事故後も海自艦船がらみの事故が頻発していることもあり、安全運航対策のさらなる徹底を求める異例の勧告に踏み切った。
  • 裁決は清徳丸についても警告信号を出さず、衝突を避ける協力動作を取らなかったと認定した。
  • 事故当初は、一方的に海自が悪いとする風潮があったことを考えれば、妥当な判断といえよう。
  • 海の安全運航は海事関係者一人一人の自覚により守られる。
  • 海自は今回の裁決を謙虚に受け止め、安全運航に全力を挙げ、再発防止に努めなければならない。

毎日新聞

「あたご」事故裁決 「安全」徹底を海自改革の柱に(2009/01/23 毎日新聞の社説)

  • 昨年2月の海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、横浜地方海難審判所があたご所属の第3護衛隊に対し安全航行・教育を徹底するよう勧告する裁決を下した。
  • 裁決が確定すれば海自への初の勧告発令となる。(※2)
  • あたご事故だけでなく、海自ではここ数年、イージス艦情報流出事件(07年1月)、インド洋における米軍への給油量データの隠ぺい発覚(07年10月)、護衛艦「しらね」の火災(07年12月)など不祥事が相次いだ。
  • このため、昨年3月、海自内に「抜本的改革委員会」を設置し、再発防止策を検討してきた。
  • そして、不祥事の底流には「装備と人員のアンバランス」「業務の多様化と増大」などがあると分析し、対策では「護衛艦の充足率向上」「業務の削減と効率化」などを打ち出した。
  • 人員不足が事故など不祥事の背景にある場合もあるかもしれない。
  • しかし、人命を奪ったあたご事故のような不祥事の主因は、組織の規律や教育の不徹底に求めるべきであろう。
  • 海自は、今回の裁決を正面から受け止め、安全航行のための教育を主眼にした対策に力を傾注すべきだ。

2段階消費増税 国民に信を問うのが先決だ(2009/01/23 毎日新聞の社説)

  • 社会保障の機能強化や財政再建を目的とした税制の抜本改革の実施時期をめぐって、政府は経済状況を好転させることを前提に、11年度までに必要な法制上の措置を講ずることになった。
  • 自民党が政府案を受け入れたもので、23日に閣議決定する09年度税制改正関連法案の付則に盛り込む。
  • 最終的に、必要な法制上の措置を11年度までに講じ、増税時期は明示しないことで妥協が成立した。
  • 日本の財政が一段と厳しさを増していることは客観的事実だ。
  • 歳出の抜本的見直しをした上でのことだが、経済が回復したいずれかの時期の増税は避けられない。
  • これは超楽観的な成長論者や極端な小さな政府論者を除けば、自民党、民主党を問わず共通認識と言っていいだろう。
  • ところが、与党は消費税を含む国民負担増で国民に信を問うことをしていない。
  • 自民党税調の税制改正大綱や政府の「中期プログラム」でその方向を示してはいるが、政策決定過程のあり方からすれば、何らかの形で負担増を法律に盛り込む際には、あらかじめ有権者の意思を確認すべきである。
  • 国民の意思を問わずに、増税の準備を行うことは問題が大きい。
引用元:毎日jp

山田のおせっかい

(※1)産経新聞では「海自への勧告が出たのは昭和63年の潜水艦「なだしお」と遊漁船「第1富士丸」の衝突事故以来2例にすぎない」としてますが、(※2)毎日新聞では「裁決が確定すれば海自への初の勧告発令となる」としています。

昭和63年の潜水艦「なだしお」と遊漁船「第1富士丸」の衝突事故は、第一審裁決(横浜地方海難審判庁)は、海自に対して「勧告」したが、第二審裁決(高等海難審判庁)では、海自に対して「勧告」はしてません。事故当時の海難審判法下では、審判は二審制だったため第二審裁決(高等海難審判庁)をもって確定した、と推察します。

よって、産経新聞は、「潜水艦なだしお以来、確定ではないが第一審裁決で海自への勧告が出た」、毎日新聞は「確定した裁決で海自への勧告はまだない」ということでしょう。ちなみに海難審判は、平成20年5月からは一審制に移行したようです。

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