2009年1月9日 金曜日 著者: 山田八王子
読売新聞
衆院予算委 民主党は積極的に対案を示せ(2009/01/09 読売新聞の社説)
- 衆院予算委員会で、政府の2008年度第2次補正予算案に対する各党の質疑が始まった。
- 衆院予算委での最大の論点は、第2次補正予算案に盛り込まれた2兆円の定額給付金の扱いだ。
- 民主党など野党3党は定額給付金を削除する修正案を提出し、これも併せて審議された。
- 民主党の菅直人代表代行は質疑で、2兆円のより効果的な使い道として、09年度予算案で、学校耐震化に1兆円、介護人材の確保に7000億円、雇用対策に3000億円をそれぞれ積み増す案を初めて示した。
- 自民党の石原伸晃・幹事長代理は、「政府の対策で資金繰りはついたが、今度は肝心の仕事がなくなった」という中小企業経営者の悲鳴を紹介しつつ、迅速な経済対策の実行を求めた。
- 実体経済と雇用情勢の悪化が、政府の対応を上回る速度で進んでいることについて、与野党とも同じ認識が示された。
- 民主党は雇用対策について政府案との違いを整理し、改めて対案を示してはどうか。
- 経済界には、1人当たりの労働時間を縮めて仕事を分け合うワークシェアリングを検討する動きも出ている。
- 日本の雇用体系をどうしていくのか。新たな産業、新たな雇用をどう創出するのか。
露ガス輸出停止 欧州のもろさが露呈した(2009/01/09 読売新聞の社説)
- ロシアが、ウクライナ経由の欧州向け天然ガス輸出を全面停止した。
- ガス輸出価格交渉の決裂で、ウクライナ向け輸出を停止したところ、欧州に向かうパイプラインからウクライナがガスを抜き取ったため、という。
- 欧州が消費する天然ガスの25%はロシア産だ。
- その8割が、ウクライナ経由のパイプラインで運ばれている。
- ブルガリアでは暖房がストップし、ハンガリーでは日系自動車工場が操業中止に追い込まれた。
- 商取引をめぐる交渉ごととして、当初は静観していた欧州連合(EU)が、ロシアとウクライナに早期解決を求めたのも当然のことだろう。
- ウクライナの場合、親欧米政権が5年前に登場して以降、特に米国の後押しを受けて、欧州連合(EU)との経済統合や、北大西洋条約機構(NATO)加盟を推進してきた。
- (ロシアが強硬手段に出たのは)ウクライナ・パイプラインの弱みを欧州に印象づけ、ウクライナを迂回(うかい)した新規パイプライン建設構想に欧州の関心をひきつけたい計算もあるに違いない。
- 欧州としては、エネルギー安全保障の観点から、ロシアへの依存度を下げることが課題となろう。
- エネルギー資源の大部分を海外に依存している日本にとっても、他人事(ひとごと)ではない。
- 国際情勢を鋭意注視しながら、石油や天然ガスへの依存度を抑えて、原子力などの利用を着実に拡大していく努力を、継続していくことが重要である。
引用元:YOMIURI ONLINE
日経新聞
欧州揺るがすガス紛争の早期解決を(2009/01/09 日経新聞の社説)
- (ロシアとウクライナの天然ガス)紛争の原因はウクライナがロシアにガス代金を払わなかったり、今年のガス価格をめぐる交渉が決裂したことで、欧州諸国にはとんだとばっちりだ。
- ロシアはウクライナが北大西洋条約機構(NATO)加盟をめざしていることに反対、最近では、ウクライナがグルジアに兵器を売り昨年8月の南オセチア攻撃に肩入れしていたとの批判を強めていた。
- ウクライナはロシアが天然ガスを使って対ロ関係を変えようと政治的圧力をかけていると反発する。
- 一方でウクライナの姿勢にも問題が多い。巨額のガス代金が未払いだった。
- 価格の問題はパイプライン通過料金も絡んで複雑だが、ロシアのガス会社ガスプロムが当初提示していたのは国際価格以下で、そう不当とも思えない。
- ガスプロムは交渉決裂を受けて1日にウクライナへのガス供給を停止した。
- 欧州諸国への供給分は従来通りパイプラインに送っていたというが、その後はウクライナが欧州向けガスをかすめ取っている、いやそんなことはしていないと非難の応酬合戦が続き、揚げ句の果て7日には全面的に欧州向けの供給が止まってしまった。
- EU(欧州連合)諸国は天然ガス消費量の約4分の1をロシアから輸入している。
- その約8割がウクライナを経由するパイプラインで運ばれている。
- ロシアには欧州にガスを供給し、ウクライナには欧州向けのガスを支障なく通過させる責任がある。
総務相の「待った」に異議あり(2009/01/09 日経新聞の社説)
- 日本郵政が赤字続きの宿泊施設「かんぽの宿」の一括譲渡先にオリックスグループを選んだのに対し、鳩山邦夫総務相が待ったをかけた。
- オリックスの宮内義彦会長が小泉政権の規制改革・民間開放推進会議の議長を務め、民営化議論を主導していたとして「国民が出来レースと受け取る可能性がある」という。
- 不正の疑いがあるなら徹底的に調べればよい。
- だが対象企業の経営者の公職歴や主張を盾に入札結果を拒むのは筋が通らない。
- (かんぽの宿は)採算の合わない投資やずさんな運営が重なり、2007年度は40億円、08年度上期も26億円の赤字を出している。
- 27社が名乗りを上げ、2回の入札を経て、最も高い金額を提示したオリックスに70施設を一括譲渡することを年末に決めた。
- 4月に予定した譲渡後も施設に勤める約3000人の雇用は維持する。
- 随意契約でなく入札という手続きを経た結果を、十分な根拠もなく「お手盛り」のように言うのは明らかに行き過ぎである。
- こんなことでは公職を引き受ける経営者もいなくなる。
引用元:NIKKEI NET
朝日新聞
派遣切り拡大の衝撃―雇用を立て直す契機に(2009/01/09 朝日新聞の社説)
- 仕事も住まいも失った派遣労働者が増え続ける中で、雇用対策を盛り込んだ第2次補正予算案などをめぐる国会論戦が始まった。
- 当初は通訳のような専門的な仕事に限られていた派遣という働き方が一気に広がったのは90年代後半。
- そして5年前に製造業への派遣が解禁された。
- 一方で、肝心な働き手を守るしくみの整備は置き去りにされ、その結果生じた社会のひずみが一気に広がっている。
- 野党は、製造業への派遣を禁じる方向で動き出している。
- 経済界は反発する。繁閑に対応できる雇用の調整弁はほしい。
- 解雇や派遣切りが、今ほど深刻な事態につながった原因は、非正社員を増やして雇用の流動化を進めながら、失業しても安心して次の職探しが出来るようなセーフティーネット(安全網)の整備を怠ってきたことだ。
- 安全網からこぼれる人をなくすには、まず非正社員を原則としてすべて雇用保険に入れることだ。
- 日本経団連の御手洗冨士夫会長は、失業者の住宅確保や職業訓練の支援のために、企業が出資しあって基金を作る構想を示している。
- 雇用を守るため、正社員も含めて働く時間を短くし、互いに仕事を分け合うワークシェアリングについても労使で議論を始めたい。
引用元:asahi.com
産経新聞
赤羽医師解放 民間人の安全確保強化を(2009/01/09 産経新聞の主張)
- 昨年9月にエチオピア東部で武装グループに誘拐され、隣国ソマリアに拉致されていた日本人医師、赤羽桂子さん(32)がオランダ人男性看護師とともに3カ月半ぶりに解放された。
- 赤羽さんは、国際医療支援団体「世界の医療団」(MDM、本部・パリ)に属し、ボランティアとして紛争地や被災地などでの人道医療活動に従事していた。
- MDMは1980年、フランス人医師で後に外相も務めたクシュネル氏らによって設立され、「国籍、人種、思想、宗教などのあらゆる壁を越えて、最も弱い立場にある人々に支援の手をさしのべる」ことを目的としている国際非政府組織(NGO)だ。
- 政治的中立性を保つため、紛争地でも政府軍などの護衛をつけずに活動していたことが、今回の事件を誘発する一因ともなったようだ。
- より大事なことは、こうした崇高な目的のために献身的に働く民間人、邦人たちの海外での安全をいかに確保するかだ。
- 無法地帯と化して久しいソマリアなどのようなところでは自衛のための力も必要となる。
- 政府がソマリア沖の海賊対策に海上自衛隊の派遣を検討しているのもそのためだ。
- 昨年末に採択された海賊対策の国連決議が求める国際協力に日本も積極的に応じたい。
欧州へのガス停止 露は供給国の責任果たせ(2009/01/09 産経新聞の主張)
- ロシアは年明けから隣国ウクライナへの天然ガス供給を停止した。
- 両国間の“天然ガス紛争”が再燃し、ウクライナ経由のパイプラインでガスを受け取る欧州諸国への供給も止まった。
- ロシアは、一切の責任は価格面などで条件を受け入れないウクライナ側にあると強く非難し、一歩も引かぬ姿勢を示している。
- しかし一方では、同じ隣国でも親ロシア的なベラルーシには格安の価格でエネルギーを供給している。
- 天然ガス産出国による国際カルテルともいうべき天然ガス版石油輸出国機構(OPEC)の創設にもロシアは動いたばかりだ。
- 経済危機が世界に暗雲を広げるこの時期にエネルギー資源を囲い込み、それを政治的な武器とする姿勢は、国際常識から著しく逸脱した行為であり、無責任との非難を免れないだろう。
- ウクライナ側にも非はある。まずは、ロシアへの債務を期日内に支払うことだ。
- ロシアからの欧州向け天然ガスはウクライナ経由が約8割を占める。
- ハンガリーやオーストリア、スロバキア、ブルガリアなど十数カ国では供給が停止し、一部の国では凍死者が出るなど、すでに危機的な状況にあり、非常事態宣言を検討している。
引用元:MSN産経ニュース
毎日新聞
国会論戦 定額給付金の矛盾は深まった(2009/01/09 毎日新聞の社説)
- 08年度2次補正予算案を審議する衆院予算委員会の質疑が始まり、国会の論戦が本格化した。
- 焦点の定額給付金について麻生太郎首相は今度は景気刺激策の意図を前面に出し、高額所得者も受給し「盛大に」使うべきだと説明した。
- 首相は経済情勢の変化を理由に、給付金の性格は消費刺激の比重が増したと説明した。
- 制度の性格を変えるのであれば、自治体への丸投げも撤回すべきだろう。
- それ以上に解せないのが、首相が自身が受け取るかの態度表明を予算案の未成立を理由に拒み、「その時になって判断する」との姿勢を崩さなかったことだ。
- 「個人の判断」の側面も強調したが、制度設計の責任者である首相の立場は一個人とはもちろん異なる。
- 肝心の雇用問題の議論も具体的に進まない。
- 政治への不信を加速させぬためにも、矛盾を深める給付金の分離に首相は応じるべきである。
ガス供給停止 強権的措置は控えるべきだ(2009/01/09 毎日新聞の社説)
- 天然ガスの供給をめぐるロシアとウクライナの対立は、ウクライナ経由で送られている欧州向けガスが完全停止するといった事態に発展してしまった。
- ガス価格などで交渉が決裂し、ロシアはウクライナ向けのガス供給を停止したものの、欧州向けの供給は続いていたはずだった。
- ところが、現実には、オーストリア、チェコ、ルーマニア、スロバキアなど10を超す国々でロシア産ガスの供給が完全停止したという。
- ウクライナはグルジアと同様に親欧米政権で、北大西洋条約機構(NATO)加盟を目指している。
- ロシアがウクライナに対し資源で圧力をかけている背景には、親欧米政権への懲罰と、欧米諸国に対するけん制の意味合いがある。
- ロシアは天然ガスでも石油輸出国機構(OPEC)と同様の国際カルテル組織の結成をめざすなど、資源を武器に大国としての存在感の拡大を図っている。
- サハリンでの石油・ガス開発でもロシア側に主導権を奪われるなど、その影響は日本にも及んでいる。
- 強権的対応は中長期的にみて得策ではないということだ。
- 中央アジアから直接供給を受けるなどロシアを迂回(うかい)したエネルギー供給ルートの建設が進むだろうし、ロシアへの海外からの投資にも影響しかねない。
引用元:毎日jp
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