2008年12月26日 金曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

雇用機構廃止 「看板掛け替え」で済ませるな(2008/12/26 読売新聞の社説)

  • 様々な無駄遣いが指摘されていた独立行政法人「雇用・能力開発機構」を廃止し、別の2法人と統合することが決まった。
  • 求職者らに職業訓練を行う61の職業能力開発促進センターと、学卒者らを訓練する計22の職業能力開発大学校・短大は、都道府県の希望に応じて地方に移管する。
  • 都道府県の職業訓練との二重行政を解消し、地域の実情に応じた雇用政策を後押しする観点からも、できるだけ多くの施設を地方に移すことが望ましい。
  • 都道府県の知事も、地方分権を唱える以上、積極的に業務を引き受ける気概が求められる。
  • 廃止の方向だった職業能力開発総合大学校は、職業訓練指導員の養成のあり方や費用対効果を抜本的に見直したうえ、存続することになった。
  • 多額の赤字を計上している職業体験施設「私のしごと館」は、運営の民間委託の期限である2010年8月までに廃止される。
  • 施設は、いずれ売却されるが、どんな安値でも売れればいいという無責任な対応は許されない。
  • 雇用・能力開発機構は、運営が行き詰まった多くの勤労者福祉施設を総工費の3%程度で売却した“前歴”がある。

浜岡原発 廃炉と新設を着実に進めよ(2008/12/26 読売新聞の社説)

  • 電力の供給事業は、安全性の確保と同時に、経済合理性も、おろそかにはできない。
  • 中部電力が、浜岡原子力発電所の1、2号機を廃炉にして、6号機を新設する方針を決めたことは、この原則に沿った妥当な判断と言える。
  • 浜岡原発は、東海地震の想定震源域の中央にある。
  • 一連の知見を踏まえ、同社は2005年、敷地内の五つの原子炉すべてを大幅に耐震補強する方針を打ち出した。
  • 両方(1、2号機)合わせて5号機と同じ能力だが、補強費用は3000億円、工期も10年以上かかる、と試算された。
  • これでは、原子炉を新設するのと変わらない。
  • 着実な廃炉も大切だ。放射能レベルが下がるまでに10年程度、解体に3~4年かかる。
  • しかし、発電炉の廃炉は国内で3例目とまだ経験が少ない。
  • 新設との同時進行も初だ。慎重に、計画的に取り組みたい。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

2次補正・本予算の早期成立が先決だ(2008/12/26 日経新聞の社説)

  • 臨時国会が閉幕した。
  • 「政局より政策」と強調していた麻生太郎首相が第2次補正予算案の臨時国会提出を見送り、急激に悪化する景気・雇用情勢への対策が後手に回ったのは痛恨の極みである。
  • 深刻さを増す景気情勢を踏まえれば、来年1月5日に召集される通常国会で2次補正と来年度予算案を1日も早く成立させることが与野党の責務である。
  • 臨時国会では金融機能強化法とインド洋給油活動継続法が成立したが、2次補正先送りで景気対策では目立った成果を上げられなかった。
  • 終盤に民主党が提出した雇用対策法案も政府の無策ぶりを際立たせる国会戦術の域を出なかった。
  • 来年の通常国会は冒頭から波乱含みである。
  • 審議が難航するような場合は、麻生首相が話し合い解散を呼びかけ、野党に審議促進で協力を求めることも真剣に検討してもらいたい。
  • 民主党も不必要な引き延ばしや審議拒否で2次補正や本予算案の成立を遅らせてはならない。
  • いたずらに審議を引き延ばせば、有権者の批判が民主党に跳ね返ってくることを覚悟すべきである。

問題多いタクシー規制強化(2008/12/26 日経新聞の社説)

  • 国土交通省がタクシーの規制強化に乗り出す。
  • 新規参入の要件を引き上げるほか、台数が増えすぎた地域では減車を促す措置も講じる。
  • タクシーは2002年に規制が緩和され、参入が自由になった。
  • それを受けて仙台など一部地域では車両が急増し、月収10万円程度の運転手もいるという。
  • だが、タクシー運転手の全国平均年収をみると、規制緩和よりはるか以前の1990年代半ばから下降曲線を描いてきた。
  • ここから読み取れるのは、規制緩和とは関係なく、景気が落ち込めばタクシー運転手の収入が減り、景気が上向けば収入も上がるという当然の相関関係だ。
  • 供給過剰は無理な増車に走った業界が招いた事態である。
  • これを解消するには、身を削るリストラか、需要を増やすための営業努力が必要だが、その取り組みは十分だったのか。
  • 自分の責任は棚上げし、苦しくなれば規制強化や値上げを政府に求めるのでは、利用者の理解は得られまい。
  • 以前のような業者保護行政に立ち戻ることのないよう強くくぎを刺しておきたい。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

裁判員制度―裁判官も公判には白紙で(2008/12/26 朝日新聞の社説)

  • 審理不足を指摘したのが、3年前に広島市で起きた女児殺害事件で、先ごろ言い渡された広島高裁の判決だ。
  • 無期懲役とした一審判決を破棄し、広島地裁に審理のやり直しを命じたのだが、高裁判決が地裁の審理を批判するようなことがなぜ起きたのか。
  • 犯行場所について真相を解明する努力を怠ったという理由からだ。
  • 高裁は一審の訴訟手続きについても言及し、「裁判の日程を優先するあまり、公判前整理手続きを十分しないまま終結させた」と指摘した。
  • 公判前整理手続きの目的は、争点と証拠を整理して公判を進める計画をつくることだ。
  • 裁判に参加する市民を長期間拘束できないため、それが集中審理の実現に欠かせないからだ。
  • だが今回の事件で一審の裁判官は、公判前整理手続きの段階で判決に至る道筋まで決めようとして、争点や証拠を絞り込みすぎたのではないか。
  • 裁判官の役割は当事者の主張のいわば交通整理であるはずだ。
  • 裁判官は初公判に、裁判員とともに白紙の状態で臨む。
  • そうした心構えがなくては、裁判員制度は絵に描いた餅になってしまう。

学校ケータイ―家族と共にルール作りを(2008/12/26 朝日新聞の社説)

  • 子どもたちが学校に携帯電話を持ち込むのは原則ノー。大阪府教育委員会が公立小中学校向けにこんなメッセージを発信した。
  • (府教委の実態)調査では、ケータイ漬けの著しい子ほど家庭での学習時間が短く、生活習慣が乱れていることもわかった。
  • 気になるのは、メールやネットを使ったいじめの増加だ。
  • 小中高生を対象にした文部科学省調査によると、昨年度、パソコンや携帯電話などを使った嫌がらせは約5900件にのぼり、前年度に比べて約1千件増えた。
  • 有害サイトの悪影響も心配されている。
  • たとえば居場所を知らせる全地球測位システム(GPS)や通話機能に限定したものを広める方法もある。
  • 有害サイトの閲覧を制限するフィルタリングというサービスもある。
  • 「食卓で使わない」「夜は電源を切る」など使用のルールをつくれば、学校のルールも生きてこよう。
  • なにより、子どもたちをケータイ漬けから救い出し、顔と顔を見合わせて意思を交わす本来のコミュニケーション能力を高めてやりたい。
引用元:asahi.com

産経新聞

ガス版OPEC 露の支配力拡大に注意を(2008/12/26 産経新聞の主張)

  • 世界の主要な天然ガス生産国が参加する「ガス輸出国フォーラム」が、新たな国際組織創設で合意した。
  • 参加国はロシアやイラン、中東諸国など15カ国だ。
  • 天然ガスは石油と並ぶ重要なエネルギー資源である。
  • 創設を主導したのはロシアだ。
  • 天然ガスの価格も原油につれて下落している。
  • 危機感を持った生産国は、新組織により価格を立て直そうとしているようだ。
  • 原油は市場が整備され短期のスポット取引も多いが、天然ガスは産出国と消費国の間の長期契約が主流だ。
  • 天然ガスの輸出はパイプライン形式が多く、輸送に便利で価格設定が柔軟な液化天然ガス(LNG)にして輸出する割合は全体の約3割にとどまっている。
  • しかし、ロシアの狙いはLNG支配力の拡大だろう。

下山判事罷免 裁判員制度を危うくする(2008/12/26 産経新聞の主張)

  • 部下の女性にしつこくメールを送っていた宇都宮地裁の下山芳晴判事が、国会の弾劾裁判で罷免を言い渡された。
  • 下山判事は今年2~3月、甲府地・家裁の女性職員の携帯電話に計16回にわたり、性的表現を含むメールを送信した。
  • 同地裁はストーカー規制法違反で有罪判決を言い渡し、刑が確定している。
  • 裁判官は憲法で手厚く身分が保障されており、刑が確定しても国会の弾劾裁判所の審理を経ないと辞めさせられない。
  • 弾劾裁判所は衆参両院議員7人ずつ計14人で構成され、3分の2以上の賛成で罷免できる。
  • 注目したいのは、判決理由で裁判員制度に触れ、「制度導入を控え、国民に大きな衝撃を与え、司法への信頼は揺らいだ」と指摘したことだ。
  • 最高裁は裁判員制度に向け、しきりに国民の協力を求めている。
  • しかし、このような不祥事が重なれば国民の信頼は遠のくばかりではないか。
  • 裁判員裁判では、裁判官は裁判員を的確にリードし、判決に持っていくという重責を担っている。

毎日新聞

もみじマーク 方針転換の潔さは認める(2008/12/26 毎日新聞の社説)

  • 不評を買っていた、高齢運転者の保護のための「もみじマーク」について、警察庁が方針を転換し、75歳以上のドライバーの表示義務違反に4000円の反則金と違反点数1点を科す罰則を廃止する方針を打ち出した。
  • 表示を義務づける改正道路交通法の施行から約半年、再改正によって表示は従前の努力義務に戻す。
  • 「もみじマーク」は97年の道交法改正で75歳以上の表示を努力義務とした後、01年の改正では対象年齢を70歳以上に引き下げた。
  • さらに、昨年6月の改正で75歳以上の表示を義務づけたが、今年6月の施行を前に、同じ75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度への批判が噴出したことなどを考慮し、施行後の1年間を周知期間として取り締まりを猶予していた。
  • しかし、警察庁は「高齢者いじめだ」といった批判の声を謙虚に受け止め、運転者自身を保護するための制度としては罰則は厳しすぎたと反省して、撤回に踏み切った。
  • 担当者は「もっとお年寄りの立場への理解を深めてから実施すべきだった」とも述べている。
  • 「もみじマーク」の表示率は登場から10年間ほとんど上がらず、約35%にとどまっていたのに、この半年で75%を超すまでに上昇した。
  • 75歳以上のドライバーの死亡事故率も、10万人当たり約19件から約15件に改善された。
  • 異例の方針転換を奇貨として、高齢ドライバー保護の施策を充実させることが何よりも肝要だ。

学テ結果公開 順位を独り歩きさせるな(2008/12/26 毎日新聞の社説)

  • 秋田県の寺田典城知事は、07、08年の市町村別の平均正答率など結果公表に踏み切った。
  • 序列化を排し、学力向上につなぐ学力テスト本来の趣旨に照らせば、慎重な配慮と共通認識が欠かせない。
  • 今回の秋田県の措置で知事は「公教育はプライバシーを除いて公表が基本だ。有益な情報が県民に提供されないままになっている」と言う。
  • だが、一般に「順位」への関心の高さの割に、このテストがどのようなものか十分に理解されているとはいい難い。
  • 対象は小学6年、中学3年のほぼ全員で、毎年、国語と算数(数学)を基礎と活用に分け基本知識や記述する力を見る。
  • 子供たちには採点結果が渡されているが、保護者や地域住民がさらに相対的に正答率の高低や傾向を知りたいと考えるのは、自然なことともいえよう。
  • しかし、その前提として、これがどんなテストで、部分的ながらもどのような力を探り、その不足をどのように指導し、学力や適性を伸ばしていくか–を学校や教委も周知に努め、校区や地域にある程度共通の理解を広めておかなければならない。
  • でなければ、数字や順位がかつてのように独り歩きし、現場に再び混乱や萎縮(いしゅく)、偏見を生む恐れを懸念せざるを得ない。
引用元:毎日jp

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