2008年12月22日 月曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

米自動車支援 破綻はひとまず回避したが(2008/12/22 読売新聞の社説)

  • ブッシュ米大統領は、大手3社(ビッグスリー)のうち、経営危機に陥ったゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーに対し、総額174億ドル(1兆5500億円)の融資を決めた。
  • 本来は金融機関向けの金融安定化法の公的資金枠を活用するもので、異例の措置といえよう。
  • 大統領は「通常ならば、連邦破産法を適用すべきだが、現時点では好ましくない」と述べた。
  • 政府は融資条件として、来年3月末までに、債務や人件費削減などの抜本的な再建計画の策定を求めた。
  • 計画が不十分な場合は、融資の返済を要求する。
  • 議会で支援法案が廃案になった主因は、日本車メーカーに比べて割高な賃金の大幅カットを全米自動車労組(UAW)が拒否したことだった。
  • 競争力を回復し、経営を立て直すには、今度こそ、労使が痛みを分かち合うべきだ。
  • 米自動車大手の再建問題は、オバマ米次期政権に委ねられる。

テスト結果公表 学力向上に正面から取り組め(2008/12/22 読売新聞の社説)

  • 全国学力テストの結果公表については、来年以降も過去2年間と同じ方針で臨むべきだ――。
  • そう結論づけた文部科学省の専門家会議の見解には疑問をぬぐえない。
  • これまでの実施要領では、結果については、市町村教育委員会は自らの市町村分を、学校は自校分を公表できるが、都道府県教委は市町村・学校別を、市町村教委は学校別を公表できない。
  • これに対し、独自公表が相次ぐ背景には教育現場に競争意識と緊張感を持たせ、学力向上に取り組ませようとする狙いがある。
  • ところが、専門家会議は、都道府県教委が情報公開請求を受けても開示せずに済むよう、文科省から市町村・学校別結果を受け取らないこともできることとした。
  • 児童生徒数の少ない小規模校や市町村内に小中学校が1、2校しかない市町村には、配慮が必要だろう。
  • だが、近隣市町村とも比較できなくては、全国テストの意義が薄れる。
  • 平均正答率などは学力の現状を映し出す貴重なデータだ。
  • 都道府県教委が責任を持って対策とともに公表してこそ、意味を持つ。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

交渉挫折は保護主義への非常警報だ(2008/12/22 日経新聞の社説)

  • 世界貿易機関(WTO)の自由貿易交渉が挫折した。
  • 年内の大枠合意を目指した調整が失敗に終わり、加盟国は閣僚会議の開催を断念した。
  • 大恐慌が貿易保護主義を呼び寄せ、やがて第二次世界大戦に突入していった過ちの歴史を思い出すべきだ。
  • これらの主要関係国は、保護主義への危機感を共有していなかったようだ。
  • 交渉挫折の直接の原因は、米国とインド・中国の対立である。
  • オバマ次期米大統領は米通商代表部(USTR)代表に、米国内の雇用を重視するとされるロン・カーク元ダラス市長を指名した。
  • 日本は直ちに米国や中印に働きかけ、交渉再開に向けた経済外交を積極化すべきだ。

ビッグ3は痛みを伴う決断を(2008/12/22 日経新聞の社説)

  • 経営危機に直面するゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーに対して、ブッシュ米大統領は19日、当面の経営破綻を回避するために最大174億ドル(約1.5兆円)の公的融資を実施すると表明した。
  • 米政府は融資の見返りとして、来年3月までに新たな再建計画の策定を求めている。
  • ビッグスリー労使は甘えを断ち切り、自ら痛みを伴うリストラを決断すべきだ。
  • 自動車市場の急激な縮小に対応するためには、GMとクライスラーの合併などの再編集約も一つの選択肢だろう。
  • 日本でもそうだが、自動車は多くの国において多数の雇用を生み出す基幹産業だ。
  • そのため有力メーカーが危機に陥れば、政府は救済に乗り出す誘惑にかられる。
  • 現に米国だけでなく、欧州でも自動車産業の支援策がいろいろ検討されている。
  • だが、こうした動きが行きすぎれば、自国企業を守る保護主義に転化しかねない。
  • 民間企業の政府による救済はあくまで緊急時の例外措置だ。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

増税への道筋―社会保障の中身を語れ(2008/12/22 朝日新聞の社説)

  • 安心できる社会保障制度のために、財源をどのように確保していくのか。
  • その道筋を示す税制改革の「中期プログラム」づくりが大詰めだ。
  • 焦点の一つが、麻生首相が「3年後」と明言している消費税増税の時期を、政府・与党の方針としてはっきり打ち出すかどうかである。
  • 来年秋までには総選挙がある。この時期に「増税」を打ち出すとは、一大転換である。
  • 政権基盤の極めて弱い麻生首相がそれを貫けるか、なんとも心もとないが、その勇気と責任感は大いに歓迎したい。
  • 政府内には「いまは3年後に増税という方針だけ決めればいい。中身の議論は先のこと」という声もある。
  • だが、漠然と「社会保障のため」というだけで、使い道のはっきりしない増税をお願いされても、有権者は選挙で判断のしようがないではないか。
  • まず消費税の増税は、社会保障の充実・強化や、これから増える社会保障費を賄うためのものだ、という考え方をはっきり示すことだ。

配偶者への暴力―加害者の更生に本腰を(2008/12/22 朝日新聞の社説)

  • 元妻を人質に自宅に立てこもり、救出にあたった警官や自らの家族ら4人を銃で死傷させた愛知県の男に、名古屋地裁が無期懲役の判決をくだした。
  • 配偶者への暴力(DV)が原因で離婚に至ったのに、男は浮気を疑い、復縁を迫った。それが事件の発端だ。
  • 10カ月の娘を残して殉職した23歳の警察官、半身不随になった55歳の警察官、父に撃たれた息子や娘の心に残した深い傷。
  • 加害者の再教育や更生には何の対策も講じられておらず、傷害罪などで立件されない限り放置されている。
  • 長年見下し、暴力をふるってきた相手が突然姿を消したことで逆恨みしたり、執拗(しつよう)に復縁を迫ったりする。
  • つきまとわれるため、被害者は職や住居探しにも苦労している。
  • 自治体や民間団体では、独自の更生プログラムを試行するところも出てきた。
  • 「DVは犯罪です。被害者が逃げ回るしかない、という現状はおかしい」 07年度、全国の支援センターへのDV相談は6万件を超えた。
  • 放置すれば、社会のリスクやコストを高める。
引用元:asahi.com

産経新聞

放鳥トキの死 野生復帰に非情さも必要(2008/12/22 産経新聞の主張)

  • トキが死んだ。佐渡島の山林で死骸(しがい)が見つかった。
  • 9月末に放鳥された10羽のうちの1羽である。
  • 命を落とすトキが、今後も続くことが考えられる。
  • このトキの死を受けて、新潟県知事と佐渡市長は、環境大臣に要望書を送った。
  • 環境省の専門家会合が、厳冬期の暮らしもトキの自活力に委ねることにしている方針を「非情」とみて、その見直しを求める内容だ。
  • 気持ちはわかる。しかし、野山に放たれたトキの一部が死ぬのは避けられないことなのだ。
  • 今のトキに必要なのは「個体」の生命維持だけでなく、生態系の一員として生きていける「種」としてのトキの存続である。
  • 環境省は、トキの野生復帰とそれに伴う死の意味を、国民に広くしっかり説明すべきである。
  • 膨大な税金が投入されていることも忘れてもらっては困る。

大学の資産運用 失敗して困るのは学生だ(2008/12/22 産経新聞の主張)

  • 駒沢大学(東京都世田谷区)が資産運用のデリバティブ(金融派生商品)取引で約154億円もの損失を出し、理事長が解任された。
  • 日本私立学校振興・共済事業団の平成17年度末の調査ではデリバティブ取引を行っていた大学・短大は75校あった。
  • 国立大の資産運用は、法律で元本が保証されたものに限られている。
  • これに対し、私立大の資産運用は原則自由になっている。
  • 少子化で受験生が減る中、大学は学費や受験料以外の収入源を求める傾向を強めている。
  • 税制の優遇や私学助成などがある私立大などは、一般企業に比べ経営が甘くなりがちだ。
  • 今回の失敗を猛省し、大学経営の根本を見つめ直す必要があろう。
  • 高い経営判断と真に教育研究の質を高める地道な努力が一層求められる。

毎日新聞

自治体財政 雇用の安全網の一端を担え(2008/12/22 毎日新聞の社説)

  • 来年度の地方財政の指針となる計画が決まった。
  • 景気悪化で地方税収入が急速に落ち込む中で一般歳出などの規模はほぼ前年並みを維持した。
  • 景気悪化で特に打撃を被ったのは、法人からの税収が豊富で比較的財政に余裕があった自治体だ。
  • 財政力が弱い自治体を対象とする交付税が配分されていない東京都が来年度7500億円の税収減を見込んだほか、2700億円が落ち込む愛知県は交付団体への転落が確実だ。
  • 肝心なのは、雇用情勢の厳しい地域に重点配分される交付税の使い道だ。
  • 校舎の耐震補強など将来に生きる投資はもちろん、公営住宅の活用や失業者救済など、対策は地域の実情に応じ多様であるべきだ。
  • 市町村が独自に対策に動く現状は、政府の無策の反映であることを恥じるべきだ。
  • 現在、自治体では約50万人もの臨時・非常勤職員が幅広い職務に従事している。
  • 地方財政が圧迫されると、こうした立場の職員に「雇い止め」などのしわ寄せが民間企業と同様に来るおそれもある。
引用元:毎日jp

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