2008年12月17日 水曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

成年年齢 「18歳」へ議論を深めよう(2008/12/17 読売新聞の社説)

  • 民法が定める成年年齢を20歳から引き下げることの是非を検討している法制審議会の部会が、中間報告をまとめた。
  • 昨年成立した憲法改正のための国民投票法は、投票権を18歳以上に与えた。
  • さらに付則で、2010年5月の法施行までに、選挙権年齢の引き下げのほか、民法など関係法令も検討し、「必要な法制上の措置を講じる」とした。
  • これに伴い、政府は、年齢条項のある191の法律、117の政省令の見直しを検討する。
  • 中間報告によると、成年年齢引き下げについては、「若者の社会参加や自立が促される」との賛成意見がある一方、「そうしたことが促されるとは限らない」「社会参加は選挙権年齢の引き下げで対処すればよい」などの反対論も出て、議論が収れんしなかった。
  • 米国の多くの州や欧州諸国、中国、ロシアなども、成年年齢、選挙権年齢は18歳だ。
  • 世論調査では、成年年齢の引き下げに反対が多い。
  • これを解消するためにも、中間報告が求めた消費者被害の防止や若者の自立支援のための施策の充実に取り組む必要がある。
  • 飲酒・喫煙などは社会への影響を踏まえ、20歳に据え置くかどうかを個々に判断すればよい。

春闘方針 「労使一丸」で難局に挑め(2008/12/17 読売新聞の社説)

  • 経営側と労働側の、来年の春闘方針が出そろった。
  • 日本経団連の方針を示した「経営労働政策委員会報告」には、「未曽有の危機」「回復までには相当の期間を要する」といった深刻な言葉が並ぶ。
  • こうした認識を踏まえ、「雇用の安定に努力することが求められる」とし、雇用優先の姿勢を鮮明にした。
  • 自動車や電機など春闘のリード役の業界で、期間従業員や派遣社員の削減が相次いでいる。
  • 経労委報告は「政府の積極的な役割」に期待している。
  • 政府も迅速、的確に景気対策、雇用対策を打っていかねばならない。
  • 一方、労働団体の連合は、消費者物価の上昇に見合うベースアップを要求する。
  • 連合は今年度の消費者物価上昇は1%台半ばとみているが、デフレ懸念も強まっている。
  • 経労委報告は「労使が一丸となって難局を打開していく姿勢が求められる」と強調している。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

非正規の雇用対策に労使とも力尽くせ(2008/12/17 日経新聞の社説)

  • 日本経団連は16日、来春の賃金交渉に向けて経営側の指針となる2009年版「経営労働政策委員会報告」を発表した。
  • 連合も同日、緊急雇用対策会議を開いた。
  • 労使双方の全国レベルの団体がそろって雇用問題についての見解を表明したわけだが、具体的な内容に乏しく、日々悪化する現状への影響はほとんど期待できそうにない。
  • 経労委は複数の副会長をはじめ多数の企業トップで構成しているが、事務局任せの会見となった。
  • 後で御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)が数分の記者会見に応じたが、組織として危機感があるのか疑わせる対応だった。
  • 連合は地方組織の代表者らを集めて緊急雇用対策会議を開いたが、中身は11月20日の中央執行委員会で決めた緊急対策の進み具合の確認と情報交換が中心だった。
  • 肝心の傘下にある企業の労働組合が、雇用問題にどう対処すべきかについての踏み込んだ指導が弱いため、存在感が薄い。
  • 正社員の場合は企業と労組が交渉して、削減数や退職条件を双方が折り合って決める。
  • 非正規は、もともと雇用の調整弁という位置づけのため妥当な線がわかりにくい。
  • 政府による離職者対策の充実は必要だが、労使も非正規労働者の解雇について条件や支援策に手を尽くすべきである。

18歳成年の“安全網”議論を(2008/12/17 日経新聞の社説)

  • 民法上の成人年齢を引き下げるべきかどうかを法相から諮問された法制審議会が中間報告を出した。
  • 引き下げに賛成か反対かは「意見が分かれている」ので結論を控え、ただ、引き下げる場合は社会的安全網となる「一定の施策が必要とする点で意見が一致した」旨、記している。
  • 安全網を例示して中間報告は「親の同意なしに民法上の契約行為ができるようになる若者が悪質商法の被害に遭わないよう消費者教育を充実させたり、若年者を保護する制度を創設する」などをあげた。
  • 諸外国の成人年齢、選挙権年齢は18歳が圧倒的に多い。
  • そうした“国際標準”に加え、少子高齢化が進む日本では特に、若年層の意見を強く政治に反映させる工夫をしないと世代間の公平が保てない恐れもでてくるから、選挙権年齢の引き下げは実現させたい。
  • 法相が法制審に民法4条改正の当否を諮問したのは、国民投票法(2010年5月に施行する)で18歳以上に投票権を与える条項を設け、同規定を実施する条件として選挙権年齢と民法の成人年齢の見直しを求めるからである。
  • 法制審では「民法の成人年齢と選挙権年齢は必ずしも同じ必要はない」で意見が一致したという。
  • しかし社会の構成員として一人前と認めて選挙権を付与するのだから、他の成人としての権利も授け、また義務も負わせるのが自然ではないか。
  • 18、19歳の若者を成人とした場合に社会的安全網としてどんな施策が要るのか、法制審のほかにも議論の場を広げなければなるまい。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

雇用対策法案―この国会で成立させよ(2008/12/17 朝日新聞の社説)

  • 世界金融危機に端を発し、みるみるうちに国内へも広がった雇用削減の嵐に対し、民主党など野党3党が緊急の雇用対策法案を参議院へ出した。
  • 採用の内定を取り消す場合には書面で理由を示すことを義務づける。
  • 非正社員として働く人の解雇を抑えるために、雇用調整助成金の対象を広げる。
  • 職とともに住まいを失った人へは、公的な住宅を提供したり生活支援金を給付したり、といった内容である。
  • それなのに自民党は、野党の法案の成立には消極的だ。
  • 会期末になって法案を出し、麻生政権の無策ぶりを浮き立たせることを狙ったような民主党の作戦に対して反発もあるに違いない。
  • 政府や国会の対応の遅さにしびれを切らして、独自に手を打つ自治体も出てきた。これは痛烈な批判であると、各党とも受けとめるべきだ。
  • 与党の対策であれ、野党の法案であれ、可能なものから、できるだけ早く進めていかなければならない。
  • 法案に修正すべき点があるならば手直しして、会期末までに成立させるべきだ。

WTO交渉挫折―もう失敗は許されない(2008/12/17 朝日新聞の社説)

  • 「年内の大枠合意」をめざして調整が進められていた世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)は、合意のための閣僚会合の年内開催を断念した。
  • 11月の金融サミット(G20)で首脳たちが「年内合意」というメッセージを発したのは、世界同時不況の様相が濃くなったためだ。
  • これでは、自国経済を優先して貿易規制を設けたり、排他的な経済ブロックを作ったりする国が現れかねない。
  • 事実、G20で「今後1年間は新たな貿易障壁は設けない」と約束したにもかかわらず、ロシアが来年1月から自動車関税を引き上げることを決めた。
  • 挫折の主因は、米国とインド・中国など新興国との対立だ。
  • 農産物の輸入が急増したときに輸入制限を発動できる条件を巡り、厳しい基準を求める米国と、できるだけ緩くしたい新興国が対立した。
  • 自由貿易を維持しようという世界の合意が消えうせれば、世界貿易は縮小へと逆回転する。
  • 保護主義がやがて世界大戦へ発展した戦前の歴史を忘れてはならない。
  • 1月に米オバマ政権が発足したら、すみやかに最終交渉を再開してもらいたい。
引用元:asahi.com

産経新聞

春闘方針 雇用維持に労使で協調を(2008/12/17 産経新聞の主張)

  • 日本経団連が平成21年春闘の指針となる「経営労働政策委員会報告」をまとめた。
  • 副題は「労使一丸で難局を乗り越えて」と労使協調を前面に出す異例の表現だ。
  • 経労委報告は積極的な賃上げ姿勢を示した20年春闘から一転して「今次労使交渉・協議は雇用の安定に努力することが求められる」と雇用優先をうたった。
  • 麻生太郎首相は記者会見で、雇用促進住宅などを一時的に提供するといった緊急の失業対策を約束した。
  • 失業者救済のため、対策に万全を期すのは政府の責任といえる。
  • 景気の悪化はまた、雇用保険や年金の未加入問題など非正規社員をめぐる安全網の不備も浮き彫りにした。
  • 連合はすでに「物価上昇分に見合うベースアップで生活水準の維持と内需喚起につなげる」として「1%台半ば」の賃金改善を求める春闘方針を決めている。
  • 増益の企業には積極的な賃上げを求めるのは当然として、賃上げが現実的要求かどうかの再検討は必要だろう。
  • 連合も今回は対決より協調を重視し、非正規社員を含む雇用の維持に全力を挙げるべきだ。

教育再生 道徳教育拡充に踏み出せ(2008/12/17 産経新聞の主張)

  • 政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾塾長)が第2次報告で、豊かな情操や道徳心の育成につながる題材を教科書に増やすよう提言する。
  • 小中学校で週1時間ある道徳の授業は生徒指導や別の教科に流用されてきた。
  • 一部教職員組合の反対で道徳の授業が行われていない学校さえあった。
  • 再生懇談会の前身の教育再生会議は昨年、徳育の教科化を提言した。
  • 道徳教育に対しては「価値観の押しつけ」といった反対が根強い。
  • 教科化すれば、教科書がつくられ、教材が充実し、指導法の研究が進むことが期待できるが、新しい学習指導要領では教科化は見送られた。
  • 再生懇談会は2次報告で教科書を質量とも充実させることを打ち出し、学力面では国語、理科などでページ数倍増を提案する。
  • 教育基本法改正をふまえ、国語や音楽などの教科書に日本の伝統文化や自然に関する記述を増やすことも提言する。
  • 学力、生徒指導両面で私学人気は高まり、公立復活、公教育再生というにはまだ課題が多い。

毎日新聞

税制改正 増税隠しは国民をあざむく(2008/12/17 毎日新聞の社説)

  • 自民、公明両党の与党が決めた09年度の税制改正大綱は、個別の施策では減税一色となった。
  • 国、地方を合わせた減税額は平年度ベースで約1兆700億円となっている。
  • 麻生太郎首相は依然、3年後の消費税率引き上げに意欲を示している。
  • 景気の局面からみれば、個人消費や経済活動に悪い影響を与えかねない増税は避けた方がいい。
  • また、政策効果が期待できる減税は実施した方がいい。
  • 景気が拡大していた中でも恩恵が及びにくかった中小企業への法人税減税は適切な措置である。
  • ただ、大型住宅ローン減税や証券優遇税制は富裕層向けであり、必要性は高くない。
  • 唐突な増税は経済を害するが、場当たりの減税は景気をわずかに持ち上げても、それ以上に財政状況を悪くする負の効果の方が大だ。
  • さらに増税隠しは国民をだますことである。

産科補償制度 一歩前進だが課題も多い(2008/12/17 毎日新聞の社説)

  • お産の時の医療事故で、重度の脳性まひになった赤ちゃんが速やかに補償を受けることができる「産科医療補償制度」が来年1月からスタートする。
  • 新制度のポイントは「無過失補償制度」の創設だ。
  • 通常の分娩(ぶんべん)で、医師や医療機関に過失がないのに脳性まひとなった場合に患者や家族に一時金600万円と毎月10万円の分割金が20年間支払われる。補償金は計3000万円となる。
  • 新制度を導入した背景には、出産時の事故によって訴訟が増えており、それが深刻な産科医不足を招いているという事情がある。
  • 医療機関は分娩にかかる費用35万円に加え、新制度の保険料として3万円を妊婦に請求し、この保険料から民間保険会社が重度の脳性まひ児の家族に補償金を支給する。健康保険組合は後日、38万円の出産育児一時金を妊婦に支払う。
  • なぜ、民間保険なのか。厚労省は「補償対象を訴訟が一番多い脳性まひに絞って、早急に制度を発足させるためには民間の力を使った方がいいと判断した」と説明しているが、これだけでは分かりにくい。
  • なぜ、重度の脳性まひに補償を限定するのか、なぜ先天性の脳性まひは補償対象としないのか。内科や外科でも無過失補償制度をなぜ創設しないのかなど、さまざまな問題や疑問が残されている。
  • 多くの問題はあるが、新制度を「安心の医療」に向けた大きな一歩にしたい。
引用元:毎日jp

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