2008年12月16日 火曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

日銀短観 景気の悪化が加速している(2008/12/16 読売新聞の社説)

  • 景気が驚くほどのスピードで悪化している。
  • 日銀の12月の企業短期経済観測調査(短観)は、景気認識を示す業況判断指数が大企業・製造業でマイナス24となった。
  • 第1次石油危機の1974年8月調査で記録した26ポイントに次ぐ、過去2番目の悪化幅だ。
  • 7~8割の企業が11月下旬までに回答を終えている。
  • その後の減産や人員削減の広がりを考えると、現在の景況感は、さらに悪いに違いない。
  • 雇用人員や生産設備の過剰感を示す指数が上昇してきたことも気がかりだ。
  • 日銀による社債の買い上げなど、新たな企業金融支援策も追加すべきではないか。
  • 日銀の利下げ余地は少ないが、ゼロ金利や量的緩和策も例外とせず、追加策を検討すべきだ。

新テロ法成立 給油継続の「次」も考えたい(2008/12/16 読売新聞の社説)

  • 改正新テロ対策特別措置法が、参院で否決された後、衆院の3分の2以上の多数で再可決、成立した。
  • 海上自衛隊によるインド洋での給油活動の期限が来年1月15日から1年間延長された。
  • 日本は最低限の責務として給油活動を継続せねばならない。
  • 民主党は、給油活動に反対するだけで、現実的な対案の党内論議さえ回避してきた。
  • こうした姿勢では政権担当能力に疑問符がつく。
  • 最も迅速な対応が求められるのは、ソマリア沖の海賊対策だ。
  • 新テロ特措法を1年ごとに改正する手法も見直す必要がある。
  • オバマ米次期大統領がアフガンへの部隊増派を発表するなど、国際社会はアフガン重視の姿勢を強めている。
  • 日本も、自衛隊のアフガン派遣について、より真剣に議論する時期が来ている。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

異常な景気に政策のスピード上げよ(2008/12/16 日経新聞の社説)

  • 日銀による12月の企業短期経済観測調査(短観)は、米国発の金融危機が日本経済を根元から揺さぶる構図を如実に示した。
  • 大企業製造業の景況判断は9月より21ポイント悪化し石油危機時の1975年2月と並ぶ過去2番目の大きな下げ幅だった。
  • 自動車の業況判断が46ポイント悪化するなど、日本を代表する業種の落ち込みが著しい。
  • 雇用や設備の過剰感を聞いた指数も10ポイント近く悪化した。
  • 政府は日銀に企業のCPを直接買い取る資金繰り支援策を求めたが、現時点で日銀は慎重だ。
  • 金融機関のCPを担保にとって資金供給する方式と違い、企業の倒産リスクを日銀が直接かぶることに抵抗感があるのはわかる。
  • だが、緊急事態では必要に応じて非伝統的な政策発動もためらうべきでない。
  • 現在年0.3%の政策金利の引き下げも検討課題となろう。
  • 異常な景気悪化の局面ではスピードが大切である。

難題先送りのポズナニ会議(2008/12/16 日経新聞の社説)

  • ポーランドのポズナニで開かれていた国連気候変動枠組み条約の締約国会議(COP14)は、地球温暖化防止の次期枠組みづくりをわずかに進展させただけで閉幕した。
  • 米国のオバマ政権誕生まであえて難題を持ち越したというのが実情だ。
  • オバマ政権では問題を熟知した専門家が交渉を担当するとされており、政権発足早々に方針が明確になるだろう。
  • 枠組み交渉には景気減速が微妙な影を落としている。
  • ただ欧米では、景気減速で温暖化防止が後退したり、排出量取引など経済的手法による排出削減が足踏みしたりすることはあるまい。
  • むしろ需要喚起や雇用創出を狙い低炭素社会への転換を促す動きが加速するだろう。
  • 景気刺激のためにも、日本は中期目標を早く決め、低炭素社会に向け政策を動員すべきではないか。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

タイ新首相―国民和解にまず対話を(2008/12/16 朝日新聞の社説)

  • (タイでは)今月初めから続いた連立政権交渉で、タクシン元首相派と対立してきた野党民主党が多数派工作に成功した。
  • 下院は、44歳のアピシット民主党党首を新首相に選んだ。
  • 新首相はなによりもまず、この対立と憎悪を解消する手を打ち、国民和解を通じて政治の安定を取り戻さなければならない。
  • 新首相が民意の支持を得るためには、国会を解散して総選挙を行うのが民主主義の筋道だろう。
  • 国際社会のタイへの信頼はすでに大きく損なわれている。
  • 反タクシン派による空港占拠事件では、日本人を含む多くの外国人観光客が足止めを食らい、進出企業にも影響が出た。
  • 国民の統合に大きな役割を果たしてきたプミポン国王の健康不安も気がかりだ。
  • タイが内外の信頼を回復し、不安を解消させなければ、日系企業の長期戦略の見直しが必要だ。
  • 王室に依存する体質を改めなければ、政治の安定は得られまい。

温暖化防止―「南北共益」の道はある(2008/12/16 朝日新聞の社説)

  • 地球温暖化を防ぐための京都議定書は、2012年で期限が切れる。
  • その後の枠組みは来年末に決める予定だが、なかなか国際社会の意見が一致しない。
  • ポーランドで開かれた気候変動枠組み条約の締約国会議(COP14)では、多くの課題が先送りになった。
  • 京都議定書は先進諸国だけに排出削減を義務づけたが、ポスト京都では世界全体で削減していかなければならない。
  • 最大の焦点は、こうした南北問題にどう対処するかである。
  • そんな中で注目したいのが、国連環境計画(UNEP)の「グリーン経済イニシアチブ」である。
  • 革新的なエネルギー技術などへの投資を拡大し、雇用機会を増やしながらCO2の排出削減も進めるビジョンだ。
  • オバマ次期大統領は、クリーンエネルギー投資で新たな雇用を創出する方針だ。
  • UNEPの構想はこうした投資を世界規模で進めることをめざしている。
  • 北側から南側への経済支援と技術移転が進めば、「50年までに世界で半減」という目標が双方の利益にかなう現実的なものになるだろう。
引用元:asahi.com

産経新聞

排出量取引 EUと競える制度構築を(2008/12/16 産経新聞の主張)

  • 地球温暖化防止を目的に、国内で試行を始めた日本型排出量取引制度への参加企業が501社に上った。
  • 参加申請は、東京電力などのエネルギー企業や重工業だけでなく、コンビニエンスストアや航空会社、大学などからもあった。
  • 排出量取引は目標以上に二酸化炭素(CO2)を削減できた企業はその余った排出枠を、目標を達成できなかった企業に売却できる。
  • 日本型制度の特徴は、自主参加と排出量の削減目標を企業自らが定める方式にした点である。
  • 実際の取引は来年2月ごろから始まる。
  • 排出量取引では企業ごとに排出枠を義務付ける方式の欧州連合(EU)が先行している。
  • 日本としては、どちらが国際標準になるかを競う意気込みが必要だろう。
  • 気候変動枠組み条約の第14回締約国会議(COP14)は先週末、これといった成果もなく閉幕した。
  • むしろ、温暖化対策を新たな技術開発の原動力にするぐらいの議論が必要だ。

WTO年内断念 保護主義の台頭を恐れる(2008/12/16 産経新聞の主張)

  • 金融危機の広がりをきっかけに早期合意の機運が高まっていた世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が結局、今年7月の交渉決裂時のデッドロックを解くことができず、目標とした年内合意を断念する事態となった。
  • 世界の153カ国・地域が参加するWTOの貿易自由化交渉は、合意に至れば金融危機による世界経済の悪化を下支えすると期待されていただけに、年内合意の断念はきわめて残念である。
  • なによりも、景気が悪化するなかで、各国が国内産業や雇用機会を保護しようと、輸入規制などの保護主義的な動きを強めることを恐れる。
  • 保護主義は、結局は貿易を縮小させ、世界景気をさらに悪化させることは、大恐慌の歴史が教えるところである。
  • 保護主義の危険性を知っていればこそ、金融危機に取り組んだ11月の主要20カ国・地域首脳による金融サミットでは、WTO交渉について特に「年内の大枠合意を目指し努力する」とうたい、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳声明では「年内の合意を誓約する」とまで踏み込んだ。
  • 7月の交渉決裂も、農産物で途上国に許される特別緊急輸入制限(セーフガード)の条件をめぐって米国とインドなどが対立したことが主因とされた。
  • 鉱工業製品の分野別関税引き下げ交渉でも中国を含む途上国が強く抵抗した。
  • 米国が政権交代で少なくとも来年前半は再交渉の態勢が整わないことも懸念材料だ。
  • 貿易交渉が長引けば長引くほど世界経済にはマイナスに作用する。

毎日新聞

日銀短観 過剰に萎縮していないか(2008/12/16 毎日新聞の社説)

  • 日銀短観が発表され、経済の急速な下降を反映し、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、極端な悪化を示す項目が並んだ。
  • DIは大企業・製造業の場合、前回9月調査に比べ21ポイント下落しマイナス24となった。
  • このほか、大企業・非製造業のDIは10ポイント下落のマイナス9で、中堅企業、中小企業も、製造業、非製造業を問わず下落した。
  • 雇用も大企業・製造業でプラス8となり、「過剰」が「不足」を上回った。
  • 金融危機が世界を覆い、実体経済が急速に悪化する中、日本が再び設備、雇用の調整を伴う景気後退期に入ったことを今回の日銀短観は示している。
  • 雇用情勢は悪化しているものの、中堅、中小企業の非製造業ではまだ「不足」が「過剰」より多い。
  • 人手不足を訴えている企業はまだあり、介護でも人手不足は深刻だ。
  • 介護従事者の賃金改善などの施策をとれば雇用のミスマッチの解消につながるはずだ。
  • 省エネ推進のためのグリーンビジネスの育成も有望な分野だろう。
  • 農林水産業も、抜本的な改革を行い産業として自立できるようにすれば、新たな雇用の場となりうる。

COP14閉幕 環境と経済の両立日本が示せ(2008/12/16 毎日新聞の社説)

  • 京都議定書以降(ポスト京都)の枠組み作りを終えるまで、残すところ1年。
  • 重要な通過地点である国連の「気候変動枠組み条約第14回締約国会議(COP14)」が閉幕した。
  • 来年の作業計画では一致したものの、具体的中身では進展に乏しい。
  • 金融危機による景気後退が影響したためとみられるが、EUに限らず、経済状況の悪化ですぐに腰が引けてしまうようでは、ポスト京都の長期的な対策は望めない。
  • むしろ、景気対策を温暖化対策と結び付けていく知恵が必要だ。
  • 経済と環境の両立が相反しないことを示せなければ、途上国を説得することも難しい。
  • 今回の会議は、オバマ次期米大統領の登場を待つ姿勢も見られた。
  • EUが及び腰になっている今、景気対策と連動させた温暖化対策の方向性を日本が打ち出す時ではないか。
引用元:毎日jp

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カテゴリー: 2008年12月の社説  | タグ:

1件のコメント >コメントする

  1. 米景気対策91兆円検討と日銀短観 日本の国家戦略は

    オツカレです。

    やはりこれくらい大規模な景気対策が必要となりそうだ
    [14日 ワシントン 時事]景気対策、最大91兆円に=次期米大統領が上積み検討
     米紙ウォール・スト…

    トラックバック by ハズレ社会人 — 2008年12月16日 @ 20:16

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