2008年12月15日 月曜日  著者: 山田八王子

※5紙とも2008年12月14日の社説です

読売新聞

日中韓首脳会談 定期対話で「共益」を目指せ(2008/12/14 読売新聞の社説)

  • 麻生首相、中国の温家宝首相、韓国の李明博大統領が福岡県で会談した。
  • 会談では、世界的な金融危機対策や北朝鮮の核問題で日中韓が緊密に連携することで一致した。
  • 北朝鮮は先の6か国協議で、核のサンプル(試料)採取の文書化を拒否した。
  • 実効性のある検証の実現には、日米は無論、日中韓も足並みをそろえ、北朝鮮に受け入れを迫ることが肝心だ。
  • 3首脳が署名した共同声明は、日中韓協力の原則として「開放性、透明性、相互の信頼、共益及び多様な文化の尊重」を掲げた。
  • 発表された行動計画には、政治、経済など5分野で、投資、エネルギー、環境、科学技術、青少年交流、観光、アフリカ支援など31項目の協力が盛り込まれた。
  • 一方で、隣国の日中韓の間には、歴史認識や領土をめぐる問題が存在しているのも事実だ。
  • 麻生首相は日中首脳会談で、中国の海洋調査船が今月上旬、尖閣諸島付近の日本の領海を侵犯したことに遺憾の意を表明した。
  • 首相の抗議は当然だ。
  • 中国は、日中の戦略的互恵関係に障害をもたらすような行動を繰り返してはなるまい。

COP14 険しさを増した「ポスト京都」(2008/12/14 読売新聞の社説)

  • 温室効果ガスの排出量削減を目指す気候変動枠組み条約の第14回締約国会議(COP14)は終始、議論に盛り上がりを欠いたまま、確たる成果を得られずに閉幕した。
  • 交渉の停滞を如実に示したのが、世界共通の長期目標の設定に合意できなかったことだ。
  • こうした低調な議論の背景に、世界各国が直面している景気後退があることは間違いない。
  • 各国政府は目下、排出削減策の前に、自国経済の立て直しに追われているのが現状だ。
  • 交渉の本番はオバマ政権が動き出してから、と判断した国も多かったとみられる。
  • 京都議定書では、大量排出国の米国が離脱し、中国も削減義務を負っていない。
  • それを教訓に、「ポスト京都」には主要排出国すべてが参加しなければならない。
  • 今後、経済情勢がどう変化するかは不透明だが、今回先送りした懸案を一つ一つ乗り越えていく以外、方法はあるまい。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

金融で連携演出した日中韓会談の船出(2008/12/14 日経新聞の社説)

  • 世界的な金融危機のさなか、福岡県太宰府市で麻生太郎首相、温家宝首相、李明博大統領による初の日中韓首脳会談が開かれた。
  • 確かに金融危機への対応や北朝鮮問題、防災面での協力などでは、それなりの成果はあった。
  • 国内で支持率低迷に悩む麻生首相と李大統領は外交面での得点を稼ぐ必要があった。
  • 輸出の急減速など難しい経済運営を迫られている温首相も事情は似たり寄ったりだろう。
  • 3首脳は共同声明で未来志向の協力について「開放性、透明性、相互の信頼、共益及び多様な文化の尊重」という原則を示した。
  • だが、相互信頼への道のりは遠い。
  • 例えば、首脳会談の直前、中国の海洋調査船が尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近の日本領海に侵入した。
  • 日中間に尖閣諸島の領有権問題がくすぶるのと同様、日韓間には竹島(韓国名・独島)の領有権問題が横たわる。
  • 東アジア共同体構想の具体化には国内総生産、貿易額とも世界の17%程度、東アジアの約7割を占める日中韓3カ国がまず信頼関係を構築しなければならない。

ビッグスリー支援への注文(2008/12/14 日経新聞の社説)

  • 議会では3社につなぎ融資を与える法案が上院を通過せず事実上の廃案になった。
  • ホワイトハウスは金融安定化法に基づく公的支援を検討している。
  • 米政府が安易なビッグスリー救済に動けば、米国内のほかの業界も救済を要望し、さらには他国の保護主義的な動きを誘発する恐れもある。
  • こうした問題を避けるために公的支援は1回限りにとどめることが重要だ。
  • 3社が米議会に提出した再建計画は十分とはいえず、米議会でも「この程度の計画では支援が2度、3度と繰り返される」と批判の声が上がった。
  • 米国内では「個別企業の救済に税金を使うのはおかしい」という声があるが、それに加え、なし崩し的な保護主義の広がりを防ぐためにも、救済融資については今回限りを前提とすべきである。
  • 米議会が政府融資にあたり「労務コストをトヨタ自動車など在米外資なみに下げる」のを条件にしようとしたところ全米自動車労組が拒否したと伝えられるが、理解に苦しむ。
  • 労使が痛みを分かち合って再建に取り組むときだ。
  • 一方でブッシュ政権もオバマ次期大統領と協力し、世界各国にとっても納得のいく支援策にしてほしい。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

日中韓首脳会議―東アジアの安定装置に(2008/12/14 朝日新聞の社説)

  • 重い歴史を背景に何かと関係のきしむことが多かった日中韓の首脳が、一つのテーブルを囲み長時間、地域や世界が直面する問題を語り合った。
  • 日中韓はそれぞれ2カ国で話し合うと、歴史や領土など難しい問題を避けて通れなくなる。
  • 3カ国ならば議論の中心を前向きな話題に移すことができる。
  • そんな効用に気づいて、初めて単独の会議を開く機運が生まれた。
  • 遅ればせながらも日中韓3カ国の首脳が自然体で会談し、それを定例化することに合意したことは評価したい。
  • アジア地域だけでも、アジア太平洋経済協力会議(APEC)やアジア欧州会議(ASEM)など、多国間会議が増えている。
  • しかし、ややもすれば合意文書を作り上げて成果を強調するだけになりがちだ。
  • せっかくの日中韓首脳会議を儀式にしてはならない。
  • 3首脳に話し合ってほしい課題はまだまだたくさんある。

衆院再可決―「3分の2政治」もう限界(2008/12/14 朝日新聞の社説)

  • 先週末の国会で、補給支援特措法と金融機能強化法の改正案が、与党の「3分の2」以上の多数による衆院再可決で成立した。
  • 重要法案と位置づけた両法案の成立で、この国会の山は越した。
  • しかし、与野党の論戦が活発に行われたとはとても言えない。
  • 「3分の2」政治には与党の結束が欠かせないが、そこが怪しくなっているからだ。
  • 17人が採決で反対に回れば、再可決に必要な数に欠けてしまう。
  • 再可決頼みの政治に展望はない。
  • やはり総選挙で民意の支持を受けた政権を早くつくるしか、道はないのだ。
  • 「仮に3分の2を失っても、私は何も恐れはしない。国民の信が私の背にあれば、粘り強く野党を説得し、答えの出せない不毛な対立に終止符を打てる」。
  • 首相就任直前、論文でそう宣言した初心に首相は立ち返るべきだ。
引用元:asahi.com

産経新聞

日中韓首脳会談 今度こそ「近くて近い国」(2008/12/14 産経新聞の主張)

  • 福岡県で日中韓3国による首脳会談が開かれた。
  • 3国は米国発の金融危機に効果的に対処する協力の強化だけでなく、多くの分野でも未来志向の協力をうたった共同声明をまとめた。
  • 地震、津波などの防災面でも、情報共有や被害を極小化する体制整備の協力強化を約束した。
  • 中国の相当数の中距離核ミサイルは日本に照準を合わせている。
  • これをそのまま放置しておいて、共同声明がうたう「将来の3国間協力を促進するための強固な基盤」を築くことはできない。
  • また中国の海洋調査船2隻が8日、尖閣諸島沖の日本領海を9時間半にわたって侵犯した。
  • 中国は1992年の尖閣諸島を自国領土とした領海法の既成事実化に乗り出したのだ。
  • 日本が対抗措置を示さなければ、中国の行動はさらにエスカレートしよう。
  • 中韓とも自国の国益を優先して、臨んでいることを忘れてはなるまい。

給油支援延長 恒久法で責務を果たそう(2008/12/14 産経新聞の主張)

  • インド洋での海上自衛隊による給油支援活動を1年間延長する改正新テロ対策特別措置法がようやく成立した。
  • 一方でさらなる国際平和協力が求められているのに、国会は内向き傾向を強め、時限立法である特措法の更新は政争の具になっている。
  • 2001年9月11日の米中枢同時テロを受けた国連安保理決議に基づき、米国などは地上での掃討作戦を行う一方、海上でもテロリストや関連物資の拡散、流入を阻止している。
  • これを補給面で支えているのが海自だ。
  • 海自の技術と能力は高く評価されており、日本の「誇り」でもある。
  • 米政府は既に日本に対し、自衛隊ヘリコプターの派遣などを打診している。
  • 国際共同行動に参加するためには、これまでの正当防衛・緊急避難に限った武器使用を、国連基準である任務を妨害する行為の排除まで認めなくてはならない。
  • こうした国連などの警察活動にどの程度関与するかを麻生太郎首相と小沢一郎民主党代表は論じ合うべきなのである。
  • 国際社会の平和と安定が、日本の安全や発展に直結している。

毎日新聞

日中韓首脳会議 東アジアの軸がやっと動いた(2008/12/14 毎日新聞の社説)

  • 日本、中国、韓国の首脳が福岡県太宰府市に集まり、3カ国協力の促進をうたった共同声明を発表した。
  • 今回が9回目だが、国際会議と切り離しての開催は初めてとなった。
  • 金融危機への対応では、3首脳は地域協力を強化することを確認するとともに、ウォン安に苦しむ韓国を支援するため日中韓の2国間通貨交換(スワップ)協定の資金の融通枠を拡大することで3カ国政府が合意したことを歓迎した。
  • 今回首脳同士が合意した3カ国協力を対北朝鮮政策で生かしてほしい。
  • 日中間では、中国製冷凍ギョーザによる中毒事件がまだ解明されていない。
  • 加えて、今月には中国の調査船が尖閣諸島沖の日本領海に侵入する事件も起きた。
  • 内閣府の世論調査で日中関係を良好と思わない人が7割を超え過去最高になったことはこれらと無関係ではないだろう。
  • 定例化される3首脳会議は、2国間のこうした問題についても首脳同士が率直に話し合える舞台になるはずである。

ビッグ3 時間稼ぎだけでは救えない(2008/12/14 毎日新聞の社説)

  • ゼネラル・モーターズ(GM)など米国の大手自動車3社(ビッグ3)に対する救済法案は、議会での調整がつかず廃案となってしまった。
  • 米政府は混乱を回避するため声明を発表し、つなぎ融資を行う方向で検討に入ったことを明らかにした。
  • 金融市場の崩壊を防ぐのが金融安定化法の目的で、そのために用意した公的資金7000億ドルを使い自動車会社を支援するのは、本来なら筋が通らない話だ。
  • しかし、世界恐慌の再現も指摘される危機的な状況下では、緊急避難としてやむを得ない措置と言えるのだろう。
  • 新型車の開発で後れをとり、高い労働コストと高額の役員報酬といった問題は長期にわたり指摘されてきた。
  • 米政府が融資すれば立ち直るわけではなく、1カ月ほどで誕生する民主党政権と新議会に解決を委ねるための時間稼ぎに過ぎない。
  • 雇用などの対策も含め再生のための明確なプランをつくり、実行すべきで、米国の政府、議会、自動車業界が結束して取り組むことを期待したい。
引用元:毎日jp

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