2008年12月12日 金曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

6か国協議 北朝鮮の居直りを許すな(2008/12/12 読売新聞の社説)

  • いったい、いつになったら、北朝鮮が申告した核計画の検証作業が始められるのか。
  • 5か月ぶりに開かれた6か国協議は、今回も検証細目を定める合意文書作りで結論を得られぬままに終わった。
  • 重要なのは、明確で厳密な検証の枠組みを明文化して、北朝鮮の言い逃れを許さないことだ。
  • 米国は、テロ支援国指定解除をしてまで、6か国協議のプロセスを前進させようと譲歩したのかもしれない。
  • だが、北朝鮮は肝心の検証に応じず、だまされた形だ。
  • 日本は、拉致問題で進展がない現状では、北朝鮮への支援はしない立場だ。
  • 北朝鮮は激しく非難しているが、今回の協議では、他の国から、日本への支持や理解の表明があった。
  • 日本は、米国や韓国と連携し、核、ミサイル、拉致の包括的解決を図る方針を貫けばよい。

社会保障予算 「削減路線」は破綻している(2008/12/12 読売新聞の社説)

  • 来年度の予算編成で、社会保障費の議論が迷走中だ。
  • 高齢化の進行に伴い、社会保障費は、毎年約8000億円のペースで自然に膨らんでいく。
  • 財政再建を最優先する政府は、この自然増を毎年2200億円ずつ機械的に削減してきた。
  • 社会保障費の削減路線に固執し続けるならば、医療や福祉の歪(ゆが)みはさらに広がる。
  • 明確に路線変更すべき時だ。
  • 基礎年金の国庫負担割合を2分の1まで引き上げることについても政府の腰は定まっていない。
  • 理由は「安定財源の確保」を怠ってきたことに尽きる。
  • 必要な約2・5兆円を安定的に確保するには、消費税率を引き上げるしかない。
  • 政府・与党は、消費税率引き上げの道筋を併せて示さねばならない。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

信用収縮を食い止める十分な備えを(2008/12/12 日経新聞の社説)

  • 自己資本が不足しそうな金融機関に前もって公的資金を注入可能にする金融機能強化法改正案が12日に成立する。
  • 金融不安を防ぐ最低限の土台となるが、信用収縮を抑え企業の資金繰りを助けるために、さらなる備えが不可欠だ。
  • まず金融機関の資本を固め、融資の余力を保つことだ。
  • 金融機能強化法による資金注入枠は2兆円では十分とはいえず、枠を大幅に増額すべきだ。
  • 銀行が株価に振り回されないよう、日銀による銀行保有株の買い取りを早期に再開するのも課題だ。
  • 第二に企業への資金の流れを絶やさない手だてである。
  • 日銀は銀行に資金を貸す際の担保として低い格付けの社債を受け入れ、企業への資金供給を促す対策を決めたが、一層の円滑化策も考えるべきである。
  • 中小企業対策では信用保証協会による緊急保証枠の拡大が重要だ。
  • 首相が第二次補正予算案の提出を先送りしたため、保証枠を6兆円から20兆円に広げる計画の実現も来年まわしになった。
  • 「現行枠で足りる」と首相は言うが、全国で保証の申し込みが殺到しており、保証枠拡大の緊急性は増している。

改革30年 中国が迎えた試練(2008/12/12 日経新聞の社説)

  • 中国の11月の輸出がドルベースで前年同月比2.2%減となった。
  • 輸出減少は7年5カ月ぶり、世界貿易機関(WTO)加盟後では初めてだ。
  • 中国経済の急減速を一層鮮明に映すのは17.9%のマイナスを記録した輸入の動向だ。
  • 今年前半には年率10%近い勢いで上昇していた人民元の対ドル相場は、7月以降ほぼ横ばいに転じ、最近は下落する場面も目立つ。
  • 元安には中国の景気を下支えできる面があるが、他の途上国の輸出機会を奪い途上国通貨に一層の下落圧力をもたらしかねない面もある。
  • 中国の産業構造の高度化や内需主導の経済構造への転換を遅らせる影響も予想される。
  • 30年にわたる忘れ物もある。78年に活動家の魏京生氏が「第5の近代化」として提起した民主化だ。
  • 世界人権宣言の採択60周年にあたる10日、中国の学者や弁護士ら303人が一党独裁を批判する声明をインターネット上に発表した。
  • 中国は経済政策の見直しだけでなく、政治と社会のあり方も問われている。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

金融強化法―中小企業融資へ生かせ(2008/12/12 朝日新聞の社説)

  • 今年の倒産件数が11月で昨年の総数を上回り、5年ぶりの高水準になった。
  • 黒字なのに、運転資金が手当てできずに倒れる企業が目立つ。
  • とくに中小企業が苦境に立たされている。
  • 銀行が融資をしぼっているうえに、大企業が銀行融資の獲得に走りだしたあおりを受けて、中小企業がはじき出されているからだ。
  • 銀行は、融資の総額を自己資本の厚みが許す範囲に収めるよう規制されている。
  • そこで自己資本を増強し、融資の余力をつけることが不可欠なのだ。
  • きょう衆院で成立する予定の金融機能強化法の改正案は、政府が金融機関へ公的資金を注入し、自己資本を厚くさせることで、中小企業への融資を拡大させることを狙っている。
  • (また公的資金の総枠も)与謝野経済財政相が「10兆円」と語ったことがあるが、それくらいあってもいい。
  • この新制度をどう生かすか、とくに中小企業向け金融機関の経営者はよく考えてほしい。

書記官事件―揺らぐ裁判所への信頼(2008/12/12 朝日新聞の社説)

  • 振り込め詐欺事件の被害金が入っていた埼玉県内の銀行口座が、警察の要請で凍結された。
  • ところが、この口座の名義人に債権を持っているという人物が、さいたま地裁熊谷支部に口座の差し押さえを申し立てた。
  • それには、債務を支払うように命じる京都地裁の判決が付いていた。この判決がにせものだった。
  • だが本物と信じた同支部は銀行に対して、口座を差し押さえ、凍結を解除するように命令した。
  • 次にこの「債権者」から銀行に、にせの振り込み依頼書が郵送され、銀行は指定された口座に現金約400万円を送金した。
  • 被害金を取り戻そうとした被害者が、凍結されている口座に現金がなくなっていることに気付いて裁判所に問い合わせ、ようやく発覚した。
  • 京都家裁に勤める35歳の男性書記官が、振り込み依頼書を偽造して銀行に郵送した容疑で逮捕された。
  • 書記官が専門知識を悪用する気になれば、法秩序を混乱に陥れるようなことができてしまう。
  • 難題ではあるが、そのためにも捜査当局には動機や背景を含め、事件の全容を徹底して解明してほしい。
引用元:asahi.com

産経新聞

雇用開発機構 廃止どころか組織温存だ(2008/12/12 産経新聞の主張)

  • 税金無駄遣い組織の象徴だとして国民の厳しい批判を浴びてきた厚生労働省所管の独立行政法人(独法)「雇用・能力開発機構」が、当初の解体方針から一転して同省傘下の別独法に統合する形で事実上、存続する方向が固まった。
  • 廃止とは名ばかりで、これでは実質的な組織の温存である。
  • 開発機構の廃止論議が一気に高まった背景には、若年層向けの職業体験施設「私のしごと館」による巨額の運営赤字がある。
  • しかし同機構はこれまでも、赤字垂れ流しの温泉保養施設を執と建設するなど、野放図なお役所仕事ぶりが批判されてきた。
  • 両大臣(舛添要一厚労相、甘利明行政改革担当相)の合意によれば、開発機構は業務を本来の職業訓練のみに特化し「高齢・障害者雇用支援機構」とともに新法人に統合する。
  • なにより統合される側の開発機構は、職員数でも約4000人と支援機構の約700人をはるかに上回る大組織だ。
  • 今後のスリム化にもよるが、新独法が事実上、開発機構の継承組織となるのは目に見えている。
  • 雇用対策は政府の責任で、しっかりと進めるのは当然だ。
  • しかし、それと官の組織温存とは本来別の議論だろう。

金融機能強化法 貸し渋り解消に活用せよ(2008/12/12 産経新聞の主張)

  • 金融機能強化法の改正案が11日、参院の委員会で否決されたものの、12日の衆院で再可決され、成立の運びとなった。
  • 改正法は、金融機関へ予防的に公的資本を注入し、自己資本の増強を通じて貸し出し姿勢を緩和させるのが目的である。
  • 資本注入は金融機関の申請に基づき、中小企業向け融資計画などの提出も義務づけた上で審査される。
  • 中小金融機関は、サブプライム関連商品で傷を負っただけでなく、もともと優良な融資先が乏しいところが多い。
  • 加えて、地方の金融機関の数が過剰で、経営環境が厳しい状況が続いている。
  • 金融庁は、貸し渋り対策だけでなく、公的資本注入を機に金融再編を働き掛けるべきであろう。
  • 金融機関は経営の健全性維持のため、資本増強を急いでほしい。

毎日新聞

給油活動延長へ 民意得た政権で総合支援策を(2008/12/12 毎日新聞の社説)

  • 来年1月に期限が切れる海上自衛隊のインド洋での外国艦船に対する給油活動を延長する新テロ対策特措法改正案は、参院の委員会で否決された。
  • 12日に参院本会議で否決され、同日の衆院本会議で「3分の2」以上を占める与党による再可決で成立する運びだ。
  • 私たちは、給油活動も「テロとの戦い」の選択肢の一つであると考えている。
  • しかし、同時に、自衛隊の海外派遣という安全保障の基本にかかわるテーマであることに加え、給油延長について国会も世論も賛否が分かれている以上、対テロ対策・アフガニスタン支援のあり方について、総選挙で民意を問うべきであると主張してきた。
  • しかも、法案は、自衛隊の活動区域や基本方針、部隊規模・装備などを定める実施計画を閣議決定事項にとどめ、「国会承認」が盛り込まれていない。
  • 国会の承認手続きを回避する法案には重大な欠陥がある。
  • イラクからアフガンへのシフトを明言しているオバマ次期大統領が、新たに資金協力やアフガン本土での人的貢献を求めてくることも予想される。
  • 求心力を失った麻生政権でこうした対応を探るのは限界がある。
  • 総合的な「テロとの戦い」、アフガン支援を打ち出すには国民の支持に裏打ちされた政権が樹立されなければならない。

たばこ増税 見送りで一件落着にするな(2008/12/12 毎日新聞の社説)

  • 政府・与党がたばこ増税見送りの方針を固めた。
  • たばこ増税の議論が社会保障の財源論に矮小化(わいしょうか)されてしまったのが、そもそも誤りだった。
  • たばこと健康の問題や「たばこ煙ゼロ環境」の実現に向けて、広く国民的な議論をするチャンスだったのに、それができなかった。
  • 禁煙が広がっていけば、健康被害が防止でき、医療費や職場の環境対策に使われる費用も節減できる。
  • たばこ増税を行う最大の理由は、喫煙者の健康や環境問題を考えてのことであり、増税による財源を社会保障費に充てることが主目的ではない。
  • 日本も締結している「WHOたばこ規制枠組み条約」は、たばこ消費を減少させて疾病や死亡を減らすこと、たばこ税の引き上げや禁煙指導の実施–などを各国に求めている。
  • たばこ規制枠組み条約に沿って禁煙対策に積極的に取り組んでいく意気込みが必要であり、強いリーダーシップを発揮してもらいたい。
  • たばこと健康問題についての議論を新たに始めるチャンスと考えればいいのではないか。
引用元:毎日jp

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