インド神話の斬り込み隊長 帝釈天
帝釈天とは
古代インドの神「ブラフマン」が仏教に取り入れられたのが「梵天【ぼんてん】」でした。同じように、古代インドの聖典「リグ・ヴェーダ」や、古代インドの大長編叙事詩である「ラーマーヤナ」にも登場するバラモン教・ヒンドゥー教の神、「インドラ」が仏教に取り入れられた姿、それがこの「帝釈天【たいしゃくてん】」です。
また、ゾロアスター教では魔王役で登場します。悪の限りを尽くす大魔王、雷を操る天空の神、野蛮で大酒飲みな褐色の大男、女神をナンパして失敗し、ついでに呪われちゃった女たらし、仏教を守護する部隊の隊長、と何とも幅広い芸風の神様です。また、かの有名な「阿修羅【あしゅら】」を張り倒して仏教に帰依させた、という逸話も残しています。
仏教に取り入れられてからは、梵天と並び天部の2トップの一角をなします。「男はつらいよ」に取り入れられてからは、寅さんの産湯を担当しました。
帝釈天の特徴
元々が武神ですので、衣装も鎧をまとった作例が多く見られますが、四天王の直属の上司という天部の中では非常に高い位置にありますので、最前線で戦う様な格好ではなく、梵天と同じ様な司令官タイプの衣装が定番です。
また、密教系の寺院では白い象に乗った姿で造形がなされます。これはインド神話時代のなごりです。
この白い象は、名を「アイラーヴァダ」といい、神様を乗っけているだけあって、ただのアルビノの畜生とはひと味もふた味も違います。まず、なんと翼があります。この翼で空を飛ぶ事ができるのです。
背中に乗っけている「インドラ」は、雷を操る神様ですのでやはり空高く舞う必要があったのでしょう。地上から地面へ雷を落としても、あまりかっちょよくありませんからね。それでは冬場に指先からドアノブへと放つ私の雷撃と大差ありません。
そういえば、昔つきあってた女の子に帯電体質の子がおりまして、冬場はしょっちゅう指先から私へと雷撃を放っておりました。残念ながらあだ名は「インドラ」でなく「ラムちゃん」でした。このラムch…(以下思い出話いが2時間続く)
話を元に戻しましょう。空を飛ぶ象、というと、某デ○ズニーのアニメにも○ンボというのがおりましたが、アイラーヴァダはこのダ○ボとはキャラ立ちのケタがひとつふたつ違います。
アイラーヴァダは、インドラを乗せて空に舞い、インドラの雷撃を際立たせるために雲と雨を用意する、という演出も担当しているのです。できた相棒ですね。
牙が4本(左右2本ずつ)というのもディ○ニーの象とはひと味違うポイントですが、これが何の役にたっているのかはよくわかりません。避雷針?雷吸っちゃっちゃぁ意味ないか。
帝釈天の見分け方
梵天とセットで安置されている事の多い仏です。梵天と違うのは一面二臂の像であるということ。片手に独鈷杵を持ち、白い象にまたがっていること、です。手に持つ独鈷杵は、帝釈天が雷の神だった頃に愛用していた武器であるヴァジュラと同じものです。
しかし、このあたりの特徴は、空海が唐から密教を持ち帰って以降に見られるようになったもので、奈良時代以前の像にはあてはまりません。これ以前の帝釈天は、中国の武官や菩薩と同じ様な姿形をしています。こうなると、もう梵天と帝釈天の見分けはつきません。あきらめて名札を探しましょう。
空海が興した京都のお寺「東寺【とうじ】」に、密教系の特徴がよく表れた帝釈天像が安置されています。仏像界随一の男前仏として、仏大好きっ娘たちの熱い視線を一身に集めています。同時に、パっとしない容姿の相方「梵天」の嫉妬も浴びています。
象にまたがる仏として、帝釈天の他に「普賢菩薩【ふげんぼさつ】」がおわします。混同しないように注意が必要ですが、普賢菩薩は独鈷杵を持ったり鎧を着たりといった事はしませんので、そこで見分けられると思います。
帝釈天スペック
| 名称 | 帝釈天【たいしゃくてん】 |
|---|---|
| サンスクリット名 | インドラ |
| 所属ユニット | 釈迦三尊 十二天 二十八部衆 |
| 中尊・脇侍 | 「釈迦如来・梵天」「 聖観音 ・梵天」「増長天【ぞうちょうてん】・多聞天【たもんてん】(毘沙門天【びしゃもんてん】)」 |
| 変身・分身 | - |
| お住まい | 法隆寺食堂 東大寺法華堂(三月堂) 唐招提寺金堂 興福寺 東寺 etc. |
| 印・持物 | 独鈷杵 蓮茎 etc. |
| 真言 | ナウマク・サマンダボダナン・インダラヤ・ソワカ |
帝釈天に会いに行こう
著名な帝釈天の仏像が安置されているお寺の一覧です。公開スケジュールは変更される場合がありますので、事前に各お寺に確認されることをおすすめします。
| 寺社名 | 通称(安置) | 指定 | 住所 | 電話 | ご開帳予定日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 関西地方 | |||||
| 法隆寺 | (食堂) | 国 | 奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1 | 0745-75-2555 | |
| 東大寺 | (法華堂) | 国 | 奈良市雑司町406-1 | 0742-22-5511 | |
| 唐招提寺 | (金堂) | 国 | 奈良市五条町13-46 | 0742-33-7900 | |
| 興福寺 | (国宝館) | 重 | 奈良市登大路町48 | 0742-22-7755 | |
| 秋篠寺 | 重 | 奈良市秋篠町757 | 0742-45-4600 | ||
| 教王 護国寺 |
東寺 | 国 | 京都市南区九条町1 | 075-691-3325 | |
| 蓮華王院 | 三十三間堂 | 国 | 京都市東山区三十三間堂廻り657 | 075-561-0467 | |










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