2008年12月10日 水曜日  著者: 山田八王子

本日(2008/12/10)、4紙の社説で「国際学力テスト」に触れていますので、ちょっと調べてみました。

国際学力テストとは?

IEA(国際教育到達度評価学会)が進めている TIMSS(Trends in International Mathematics and Science Study) と呼ばれる算数・数学及び理科の到達度に関する国際的な調査。
結果概要及び問題例

各国、対象学年をテキトーに選定してんじゃないの?

調査の対象としては,国際的定義で示された「9歳以上10歳未満の大多数が在籍している隣り合った2学年のうちの上の学年の児童」という調査対象母集団1と「13歳以上14歳未満の大多数が在籍している隣り合った2学年のうちの上の学年の生徒」という調査対象母集団2が設定された。わが国においては,調査対象の母集団1を小学校第4学年の児童,母集団2を中学校第2学年の生徒とした。

他の国は、優秀な児童・生徒を意図的に選んでるんじゃないの?

調査対象標本となる児童・生徒の抽出は,国際的に決められたガイドラインに従って,各国/地域の児童・生徒の状況の縮図が描けるように行われた。わが国の場合には,第1段階として,全国のすべての小・中学校を都市・町村等の地域類型によって層化し,そこから各層の児童・生徒数に比例するように学校をランダムに抽出し,第2段階として,抽出された学校の中の1学級の児童・生徒を抽出するという「層化2段階抽出法」によって行われた。なお,調査対象標本の抽出については,国際サンプリング・レフェリーに計画・実施等のすべてを審査されて,その承認を得ている。

当たり前ですが、一応ルールはあります。でも、日本だけ馬鹿正直に選定してたりして。

調査概要と結果

調査概要

  • 児童生徒の算数・数学、理科の到達度を国際的な尺度によって測定し、児童生徒の学習環境等との関係を明らかにする。
  • 国際教育到達度評価学会(IEA)が、日本では小学4年生、中学2年を対象に2007年3月に実施。

結果概要

  • 平均得点はすべて前回以上。
  • 前回調査から調査参加国が増加した(小:25→36カ国)が、国際的に見て上位を維持。

教科別の結果

小学校 2007年調査結果(36カ国) 前回(2003年)調査結果(25カ国)
算数 568点(4位) 565点(3位)
理科 548点(4位)
3位の香港と有意差なし
543点(3位)
中学校 2007年調査結果(48カ国) 前回(2003年)調査結果(46カ国)
数学 570点(5位)
4位の香港と有意差なし
570点(5位)
理科 554点(3位) 552点(6位)

※ただし、2007年調査結果はいずれの教科も平均得点はすべて前回以上であるが、統計上の誤差を考慮すると前回と同程度となる。

わが国の児童生徒の特徴

算数・数学、理科に対する意識等については

  • 勉強が楽しいと思う割合は、前回調査と比べ、小学生では増加傾向が見られ、特に理科で国際平均を上回ったが、中学生は国際的に見て数学・理科ともに依然低い。
  • 希望の職業に就くために良い成績を取ると思う中学生は、国際的に見て依然として少ないが、前回調査と比べて数学・理科ともに増加傾向。

学校外での時間の過ごし方について

  • 依然として宿題をする時間が短く、テレビやビデオを見る時間が長く、家の手伝いをする時間が短い。
  • 小学生の宿題をする時間は増加傾向。

国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2007)のポイント(PDF:75KB)

気になるランキング

算数 小学校4年生 平均得点ランキング(平均点未満は省略)

国/地域 平均得点 平均年齢 標準偏差
香港 607 10.2 67
シンガポール 599 10.4 84
台湾 576 10.2 69
日本 568 10.5 76
カザフスタン 549 10.6 84
ロシア 544 10.8 83
イングランド 541 10.2 86
ラトビア 537 11.0 72
オランダ 535 10.2 61
リトアニア 530 10.8 76
アメリカ 529 10.3 75
ドイツ 525 10.4 68
デンマーク 523 11.0 71
オーストラリア 516 9.9 83
ハンガリー 510 10.7 91
イタリア 507 9.8 77
オーストリア 505 10.3 68
スウェーデン 503 10.8 66
スロベニア 502 9.8 71

数学 中学校2年生 平均得点ランキング(平均点未満は省略)

国/地域 平均得点 平均年齢 標準偏差
台湾 598 14.2 106
韓国 597 14.3 92
シンガポール 593 14.4 93
香港 572 14.4 94
日本 570 14.5 85
ハンガリー 517 14.6 85
イングランド 513 14.2 84
ロシア 512 14.6 84
アメリカ 508 14.3 77
リトアニア 506 14.9 80
チェコ 504 14.4 74
スロベニア 501 13.8 72

理科 小学校4年生 平均得点ランキング(平均点未満は省略)

国/地域 平均得点 平均年齢 標準偏差
シンガポール 587 10.4 93
台湾 557 10.2 77
香港 554 10.2 68
日本 548 10.5 70
ロシア 546 10.8 81
ラトビア 542 11.0 67
イングランド 542 10.2 80
アメリカ 539 10.3 84
ハンガリー 536 10.7 85
イタリア 535 9.8 81
カザフスタン 533 10.6 74
ドイツ 528 10.4 79
オーストラリア 527 9.9 80
スロバキア 526 10.4 87
オーストリア 526 10.3 77
スウェーデン 525 10.8 74
オランダ 523 10.2 60
スロベニア 518 9.8 76
デンマーク 517 11.0 77
チェコ 515 10.3 76
リトアニア 514 10.8 65
ニュージーランド 504 10.0 90
スコットランド 500 9.8 76

理科 中学校2年生 平均得点ランキング(平均点未満は省略)

国/地域 平均得点 平均年齢 標準偏差
シンガポール 567 14.4 104
台湾 561 14.2 89
日本 554 14.5 77
韓国 553 14.3 76
イングランド 542 14.2 85
ハンガリー 539 14.6 77
チェコ 539 14.4 71
スロベニア 538 13.8 72
香港 530 14.4 81
ロシア 530 14.6 78
アメリカ 520 14.3 82
リトアニア 519 14.9 78
オーストラリア 515 13.9 80
スウェーデン 511 14.8 78

「遊び大国」であるこの国で、日本の子供たちの、この成績は大変立派だと思います。
新聞各社の社説は、成績よりも、「算数・数学が好きか」「理科が好きか」との問いに対しての「好き」と答えた割合が非常に低いことを憂慮している内容です。
「好きじゃない」と言いつつ成績が優秀なんだから立派です。
新聞社のおじさんたちは、「算数・数学好き」「理科好き」と思える子供たちがもっと増えれば「なんだかもっとイケそうな気がするぅ~」と励ましてくれてるのでしょう。

補足:参加国

4回とも参加の常連
オーストラリア、ブルガリア、キプロス、イングランド、香港、ハンガリー、イラン、
イスラエル、イタリア、日本、韓国、ラトビア、リトアニア、オランダ、ニュージーランド、
ルーマニア、ロシア、シンガポール、スロバキア、スロベニア、アメリカ

前回と今回に参加
アルメニア、バーレーン、ボツワナ、台湾、エジプト、ガーナ、インドネシア、
ヨルダン、レバノン、マレーシア、モロッコ、ノルウェー、パレスチナ、サウジアラビア、
スコットランド、セルビア、スウェーデン、シリア、チュニジア、イエメン

新規あるいは再参加
アルジェリア、オーストリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コロンビア、チェコ、デンマーク、
エルサルバドル、グルジア、ドイツ、カザフスタン、クウェート、マルタ、モンゴル、オマーン、
カタール、タイ、トルコ、ウクライナ

国立教育政策研究所IEA国際数学・理科教育動向調査の2007年調査(TIMSS2007)を参考にしました。

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3件のコメント >コメントする

  1. 立派です。思わず目頭が熱くなりました。
    が、問題は大学生のレベルかもしれませんね。

    コメント by 留年経験豊富 — 2008年12月10日 @ 23:58

  2. 山田です。
    コメントありがとうございます。

    大学、日本は必要以上に数が多すぎるんじゃないでしょうか。

    コメント by 山田八王子 — 2008年12月11日 @ 1:42

  3. [...] 国際学力テスト:日本の子供たちは優秀です 【六菖綺譚】 (tags: education) [...]

    ピンバック by links for 2008-12-10 « 個人的な雑記 — 2008年12月11日 @ 7:01

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