2008年12月10日 水曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

倒産急増 資金繰りが会社を追いつめる(2008/12/10 読売新聞の社説)

  • 今年の倒産はすでに1万件台にのせ、11月中に前年の年間件数を超えた。
  • 特に、上場企業の倒産は30件を上回り、戦後最多を更新した。
  • しかも、その6割は直前の決算が黒字の好業績企業だった。
  • 景気悪化を受け、倒産の8割は販売不振など「不況型」が占め、運輸や卸売りなど内需関連の業種で件数が大幅に増加している。
  • こうした時、業績の回復まで資金をつなぐ“命綱”を繰り出してくれるはずの金融機関は、金融危機や株安、不良債権の増加で財務体力が落ち、期待に十分応えられていないようだ。
  • 11月の倒産原因に、「運転資金の欠乏」を挙げた企業は前年同月より4割も増えた。
  • 21兆円の追加措置を盛り込んだ第2次補正予算案の成立を急ぎ、資金難による倒産の連鎖を防がねばならない。
  • 金融機関は「貸せる企業には自ら貸す」のが本来の姿だ。
  • 金融検査などによる、貸し渋りの監視も欠かせまい。
  • 金融機関は、必要な融資に応じられるように、自力増資はもちろん、近く成立する見通しの金融機能強化法改正案による公的資金注入も含め、自己資本の強化に努めるべきだ。

国際学力テスト 理数をもっと好きにさせたい(2008/12/10 読売新聞の社説)

  • 国際教育到達度評価学会が、小学4年生と中学2年生を対象に行った2007年の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果からは、そんな日本の教育課題が浮かぶ。
  • 日本は、小4が算数、理科ともに参加36か国・地域中4位、中2では48か国・地域中、数学5位、理科3位だった。
  • 心配なのは、同時に実施された意識調査における学習意欲の問題だ。
  • 算数・数学と理科の勉強が「楽しい」と答えた子どもは、小4ではそれぞれ7割と9割だが、中2では4割、6割と、国際平均より約20~30ポイントも低い。
  • また、理数の学習が「日常生活に役立つ」と思う中2の割合はいずれも最下位レベルで、「希望する大学進学や就職に良い成績が必要」とする回答も少なかった。
  • 小中学校の理数は、新学習指導要領が来年度から前倒し実施され、授業時間と内容が増える。
  • まずは、理数をもっと好きにさせることから取り組みたい。
  • (ノーベル)物理学賞の益川敏英・京都産業大教授は、「若者が科学に取り組む原動力は、偉大な科学者に対するあこがれや好奇心だ」と話す。
  • 資源の乏しい日本では、優れた科学技術が、国づくりに大きな役割を果たしていることも教えたい。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

危機感を映すオバマ版ニューディール(2008/12/10 日経新聞の社説)

  • オバマ次期米大統領が大規模な公共事業を柱とする新たな経済再生計画の概要を明らかにした。
  • 必要な財政支出の規模は5000億―7000億ドルに上るとみられる。
  • これは米国の国内総生産(GDP)の3―5%に相当する異例の規模だ。
  • オバマ氏は2年間で250万人の雇用を創出すると約束した。
  • 第1に挙げた分野が省エネである。全米の公的施設の暖房や照明をエネルギー効率の高い製品に交換する。
  • 第2に挙げた道路や橋などのインフラ整備も、土木・建設業の雇用に貢献が大きいはずだ。交通網が発達した米国だが、実際には老朽して傷んだ高速道路や橋が多い。
  • オバマ氏は学校の校舎の省エネ化や、最新コンピューターの配備、医療分野の情報通信網の整備を進める方針も打ち出した。
  • オバマ次期大統領は矢継ぎ早に経済政策に携わる主要人事や公共投資の計画を発表し、1月の就任までの空白を作らない。
  • 明らかにスピード感を重視している。
  • 経済危機の局面で取るべき行動の、最も重要なツボを心得ている。

ソニー大型リストラの衝撃(2008/12/10 日経新聞の社説)

  • (ソニーは)世界全体でエレクトロニクス事業の従業員を1万6000人削減するなどのリストラ策を決めた。
  • ソニーのリストラ案は人員削減のほか、設備投資の3割カットや複数の工場閉鎖など広い範囲にわたり、年間1000億円以上のコスト節減が見込めるという。
  • ソニーは今年度、「テレビ事業の黒字化」を課題に掲げてきたが、こちらの達成も厳しい情勢だ。
  • ソニーはハワード・ストリンガー会長、中鉢良治社長の就任した2005年以降、「コア事業のエレクトロニクスの強化」をめざしてきたが、道半ばでつまずいた。
  • 携帯音楽プレーヤーでは米アップルの「iPod」にお株を奪われ、ゲーム機では任天堂にリードを許している。
  • 商品開発の強化を進めて、以前のソニーブランドの輝きを取り戻してほしい。
  • 日本の他の大手電機メーカーにとってもソニーの苦境は人ごとではない。
  • 「選択と集中」や業界再編、新興市場の開拓などを急がなければ、今の円高と世界経済の失速という逆風は乗り切れないだろう。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

国際学力調査―魅力ある授業がかぎだ(2008/12/10 朝日新聞の社説)

  • 各国の小学4年と中学2年を対象に昨年実施された国際数学・理科教育動向調査の結果が公表された。
  • いずれの科目も順位は前回、03年並みの3~5位。平均得点は、どの科目でも前回と同じかやや上回った。
  • しかし、この直前に実施されたOECD調査では、科学的、数学的な応用力でいずれも順位を下げている。
  • 中学生で「勉強は楽しい」と答えた割合が最低レベルだったのは深刻だ。
  • 今年のノーベル物理学賞を受賞した益川敏英氏の言葉を思い起こしたい。「本来みんなが持っている好奇心が選択式テストの受験体制ですさんでいる。教育汚染だ」
  • 優れた教材や指導法についての情報を求める声も、若い教員から強く上がっている。
  • 優れた授業の情報を共有する。知識はあるが、応用力が弱い。未知の問題に向き合った時の解決能力が乏しい。それが日本の子どもたちに対する評価である。
  • その主な原因の一つが暗記中心の入試制度にあることは確かだろう。

分権勧告―実現させる政治はどこに(2008/12/10 朝日新聞の社説)

  • 権限移譲などを検討してきた地方分権改革推進委員会(委員長、丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長)が、麻生首相に第2次勧告を提出した。
  • まず、自治体がつくる施設の基準を全国一律に定めたり、何かを決める時に中央省庁の同意を求めたりする「義務づけ」の削減だ。
  • もう一つが政府の出先機関の統廃合だ。
  • 将来的には3万5千人の移管、削減をめざすとの目標を掲げた。
  • これでは出先機関がスリムにならないまま、巨大な統合機関をつくるだけに終わる恐れすらある。
  • 丹羽委員長はあえて高めの数字を示すことで、「最後は私が決断する」と言った首相に実行を促したのかも知れない。
  • だが、いまの政権の迷走ぶりを見れば、それは難しそうだ。
  • 地方分権には、民主党も熱心だ。中央省庁の権力の源泉である補助金を廃止し、自治体が自由に使える一括交付金に改める。出先機関は原則廃止。
  • 中身の議論もさることながら、やり抜くにはどんな政治が必要なのかも、有権者は考える必要がある。
引用元:asahi.com

産経新聞

国際学力調査 まだ「トップ」と胸張れず(2008/12/10 産経新聞の主張)

  • 小学4年と中学2年を対象にした「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」の結果が公表された。
  • 各教科3~5位という成績に文部科学省は「学力低下に歯止めがかかった」とみているが、安心はできない。
  • この調査は、オランダに本部を置く「国際教育到達度評価学会」が4年ごとに実施している。
  • 経済協力開発機構(OECD)が高校1年を対象に行う調査(PISA)が応用問題中心なのに対し、基礎的な問題を重視している。
  • 文章題や記述式問題の成績が相変わらず悪い。
  • シンガポールでは、理工系の人材育成に真剣に取り組んでいる。韓国では、PISA調査で日本が不振だった読解力でも好成績をあげている。国際学力調査に参加していない中国も、国際数学オリンピックでは上位を独占している。
  • 意識調査で「自分の成績がいい」と自信を持っている子供や「勉強が楽しい」という割合が中学生で低かったのも心配だ。
  • ノーベル賞の記念講演で物理学賞の益川敏英氏は、父親から理科の知識や楽しさを教わったエピソードを披露した。
  • 幼いころから学問への興味や関心を育てる環境づくりを家庭でも考えたい。
  • 政府の教育再生懇談会は公立校の学力アップなどを掲げ、再始動する。
  • 学力向上の取り組みは続けねばならない。

中国船領海侵犯 極めて深刻な主権侵害だ(2008/12/10 産経新聞の主張)

  • 中国の海洋調査船2隻が8日、尖閣諸島沖の日本領海を9時間半にわたり侵犯し続けるという由々しき事態が起きた。
  • 海上保安庁の巡視船が無線などで中国語による警告と退去要求をしたのに対し、中国船は「自国領海内をパトロールしている」などと無視した。
  • さらに魚釣島沖で1時間ほど停泊したほか、同島の周囲を時計回りに航行した。
  • これらは国連海洋法で定められた領海での無害通航に違反した意図的な主権侵害行為である。
  • “微笑外交”の傍ら、中国の戦闘艦など4隻が10月に津軽海峡を初めて通過した。
  • 11月には最新鋭のミサイル駆逐艦を含む4隻が沖縄本島沖を通り、太平洋での作戦遂行能力を誇示している。
  • 領海侵犯が一連の示威行動と関連している可能性も視野に入れ、日本政府は中国がさらにエスカレートしないように万全の備えを取らねばならない。
  • 海上自衛隊に海上警備行動を発令して、領海から排除することなども考えておくべきだ。
  • 麻生太郎首相は13日の日中韓首脳会談時に中国側に抗議するという。
  • 中国の領海法制定に対し、外務省は口頭による通り一遍の抗議で済ませたが、それを繰り返すようなことはないと信じたい。

毎日新聞

「無保険」の子供 迅速な全国一律救済は朗報だ(2008/12/10 毎日新聞の社説)

  • 国民健康保険(国保)の保険料を親が滞納したために「無保険」状態になっている子供に対して、来年4月から保険証が交付される見通しになった。
  • 与野党が国保法の改正案に合意、今国会での成立が確実となったためだ。
  • 「無保険」状態にあった3万3000人の中学生以下の子供たちにとっては朗報といえる。
  • 国保法の改正によって、全国一律に救済が図られ、不公平な対応が解消されることは望ましいことだ。
  • 自治体はあらゆる機会をとらえて保険料の滞納防止に全力を尽くすべきだ。
  • 滞納者が増えれば国民皆保険は崩れてしまう。
  • 「無保険」の子供の救済はあくまでも、人道的、例外的な措置であることは指摘しておきたい。
  • 新制度の実施状況や、16~18歳層の実態も調査し、次の段階として18歳未満までは保険証を交付する仕組みを検討してもらいたい。

国際学力比較 点や順位で一喜一憂やめよう(2008/12/10 毎日新聞の社説)

  • 「学力の低下傾向に歯止めがかかったと考えています」と、文部科学相のコメントは久しぶりに安堵(あんど)感をにじませている。
  • 確かに、小学4年、中学2年を対象にした07年国際数学・理科教育動向調査は、算数・数学、理科の平均得点がわずかながら前回(4年前)以上になり、いずれも参加国中の5位以内に入った。
  • 調査は、日本の子供たちが小学校から中学へ進むにつれ、勉強嫌いになる傾向を裏づける。
  • 「勉強が楽しい」という子供は小4の算数で70%(国際平均80%)だが、中2の数学では40%(同67%)にまで落ちる。
  • 高校1年を対象にした06年の経済協力開発機構(OECD)の国際学力テストでも理科学習について「楽しさ」などを調べると参加国中最下位になった。
  • 学習動機や意欲は家庭と社会環境にかかわり、将来の夢や希望が重要な起因となる。
  • 家庭や地域の役割と責任の大きさはいうまでもない。
  • 子供たちそれぞれの学力については個別の指導が有用であり、テストは本来その補助になるものだ。
  • 数値を自己目的化させ、その上下に一喜一憂することはやめ、結果をどう一人一人の指導に結実させるか。
引用元:毎日jp

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