2008年12月4日 木曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

来年度予算 景気と雇用に目配りが肝要だ(2008/12/04 読売新聞の社説)

  • 政府・与党が来年度予算編成の基本方針を決めた。
  • 公共事業関係費の3%削減などを盛り込んだ概算要求基準(シーリング)は維持するものの、景気や雇用対策のため、「機動的かつ弾力的に対応」することになった。
  • (自民党は)財政再建の方向を定めた2006年度の「骨太の方針」を3年程度凍結することなどで総務会が一致し、首相に伝えた。
  • 来年度予算についても同じ傾向が続くと見られ、国債発行額は2年連続で30兆円を超す可能性が高い。
  • 景気対策に伴う費用が計上されれば、財政赤字はさらに拡大することになろう。
  • この結果、2011年度に国と地方の基礎的財政収支を黒字化するという政府の目標は、ほとんど達成不可能になる。
  • 目標年度の先送りなどを検討すべきだ。
  • 景気回復後の消費税引き上げなど、将来の財源確保の道筋を今から示しておくことが肝要だ。

タイ混乱 政情不安沈静化の道を探せ(2008/12/04 読売新聞の社説)

  • 新国際空港の閉鎖など混乱していたタイで、憲法裁判所が結審と同時に与党3党の解党を命令する判決を下した。
  • タクシン元首相派のソムチャイ政権は発足後2か月余りで崩壊した。
  • これを受けて反タクシン勢力「市民民主化同盟(PAD)」は、先月下旬から続けた2空港の占拠と、8月以来の首相府占拠をそれぞれ解いた。
  • 解党された「国民の力党(PPP)」など3党の議員が、受け皿として設立した新党に移籍し、来週の臨時国会で後継首相を擁立し、復権を狙っているからだ。
  • タクシン色の濃い人物が後継首相に選出されれば、反タクシン勢力は、再び実力阻止の行動に出る恐れがある。
  • 出直し総選挙になっても、タクシン時代のばらまき行政で恩恵を受けた北部の農村地帯を中心に、与党は根強い人気があり、政権の座に返り咲く可能性もある。
  • これまでの混乱で、観光業などタイ経済が受けた打撃は大きい。
  • 欧米の景気後退とともに、輸出が主力の国内経済の成長率は昨年の4・8%から来年は1・9%に下がるとの予測も出始めた。
  • 政情不安が繰り返されれば、国際的イメージの低下だけでなく、約7000社の日系企業や他の外資系企業から、撤退を考える社も現れるだろう。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

経済活性化につながる歳出の拡大を(2008/12/04 日経新聞の社説)

  • 政府・与党は経済や雇用情勢が急速に悪化しているのに対応して、来年度予算の概算要求基準(シーリング)とは別枠で景気対策のための歳出を増やす方針を決めた。
  • 自民党内では、公共事業費や社会保障費の抑制目標を決めた2006年の骨太方針を凍結したうえで、この方針に基づいた09年度予算のシーリングを見直すよう求める声が一気に強まった。
  • これに対して麻生太郎首相はシーリングは維持する一方、これとは別の形で機動的な対応をしていく考えを示した。
  • 首相の指示を受けて、政府は来年度予算で用意している重要課題推進枠や今年度の補正予算を活用して、雇用対策や景気刺激につながる歳出を拡大する検討に入った。
  • こうした手法は基本的には正しい。
  • 中身については、例えば羽田空港の機能や便利さを高める事業など、国の競争力の向上に必要なインフラの整備や、低炭素社会への構造転換を後押しする補助金などが候補になるのではないか。
  • 新エネルギーへの転換を促す投資減税のほか、道路特定財源から一般財源に変わる自動車重量税などを環境に優しい自動車の取得に限って一時免除する案なども検討に値する。
  • 日本の財政状況は先進国の中で最悪であり、歳出を増やす場合は中身を厳選し、無駄な事業は思い切ってやめるなど、将来に禍根を残さないようにすべきだ。
  • 同時に中長期的な社会保障の将来像を示すことも、人々の安心を高め、消費マインドを萎縮させないという意味で重要だ。

ビッグスリーの再建案は十分か(2008/12/04 日経新聞の社説)

  • 米自動車大手3社(ビッグスリー)が再建計画を発表した。
  • 最大手のゼネラル・モーターズ(GM)などは公的支援がない限り、早晩資金繰りに支障をきたすのは必至とみられ、米政府に3社合計で340億ドル(3.2兆円)の資金支援も要請した。
  • (再建案は)GMは2012年までに労務コストをトヨタ自動車並みに下げるというが、なぜ4年後なのか。
  • またクライスラーは他社との統合でコスト削減をめざすとしているが、以前の独ダイムラーとの合併では部品の共通化などが進まず、コスト削減は「絵に描いたモチ」に終わった。
  • 一方で、支援要請を受けた米政府・議会も難しい判断を迫られる。
  • 自由競争の建前からいえば、外国車との競争に負けたビッグスリーを政府が救済するのは、公正ではない。
  • ただ、米経済が弱体な現状で大型倒産が起これば、危機が深まる懸念もぬぐえない。
  • 今回のような不十分な再建計画では今後、公的支援が繰り返される恐れがある。
  • そうなれば自動車産業の競争条件はゆがみ、各国に自国企業保護の動きが広がりかねない。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

財政路線の転換―危機克服にこそ規律を(2008/12/04 朝日新聞の社説)

  • きのう、麻生政権が閣議決定した「09年度予算編成の基本方針」には、こんなくだりが盛り込まれている。
  • 「世界の経済金融情勢の変化を受け、国民生活と日本経済を守るべく、状況に応じて果断な対応を機動的かつ弾力的に行う」
  • これを分かりやすく読み解けば、節約路線はひとまず棚上げしたうえで、景気浮揚や雇用対策のために国債を増発し、大規模な財政出動に踏みだそうということである。
  • 押し込まれ、譲歩し、丸投げしといった、およそ政権の明確な意思とは呼べないような政策決定が相次いでいる。
  • 「安易な将来世代への負担のつけまわしはしない」「財政規律の維持」などと美しい原則を言われても、眉につばをつけざるをえない。
  • 確実に未来に実を結ぶ分野を厳しく選別し、明確な優先順位をつけて財政出動を振り向けることだ。
  • 景気対策のため財政再建を一時棚上げするのなら、放漫財政に流れないための歯止めが不可欠になる。
  • たとえば、経済成長がプラスへ回復したときには、財政出動をうち切って財政再建路線へ復帰する、と閣議決定などで明確にしておく、といったことだ。
  • 財政立て直しと両立させるには、自らを律する厳しい枠をつくっておく必要がある。
引用元:asahi.com

産経新聞

予算編成 財政規律を引き締め直せ(2008/12/04 産経新聞の主張)

  • 自民党の「骨太の方針2006」3年間凍結要求に対し、麻生太郎政権は概算要求基準(シーリング)の維持を決めた。
  • 一方で、首相が機動的対応も指示するなど財政規律の緩みは極めて憂慮すべき事態といえる。
  • これは骨太2006を表面的に維持するだけで、実質的にはなし崩しを意味するとみられる。
  • こうした財政規律なき混乱は間違いなく国債増発につながる。
  • 景気悪化により法人税収などが落ち込むためで、国債増発は不可避だろう。
  • 骨太2006の目標である2011年度の基礎的財政収支黒字化など吹き飛んでしまう。
  • その先に待っているのは大増税である。

国の規制 勧告は完全実施が基本だ(2008/12/04 産経新聞の主張)

  • 政府の地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)は、国が地方自治体に課している規制、いわゆる「義務付け・枠付け」の約半数は不要だとする見解をまとめた。
  • 8日に公表する第2次勧告に国の出先機関統廃合と並ぶ柱の一つとして盛り込み、政府に実施を求める方針という。
  • 政府は当然ながら勧告内容を尊重し、完全実施に全力を傾注すべきだ。
  • 地方自治体の裁量権を縛る国の規制は、法律にして482本、1万57項目にものぼっている。
  • 分権委はこのうち48・2%の4076項目について見直しが必要だと判断した。
  • 地方がつくる道路にしても、歩道の幅から標識の文字の大きさまで全国一律で決める必要がどこにあるのか。
  • 幼稚園や保育所も、建物の形状から遊戯場の面積まで法律で事細かに定められていることで、逆に地域の実態を無視した不都合を生み出している。
  • 分権委が先の第1次勧告で求めた直轄国道や1級河川の地方移管も、国土交通省はいまだに要求を大幅に下回った回答を変えていない。
  • 今回も中央官庁の激しい巻き返しは必至だ。

毎日新聞

混迷・予算編成 福祉や雇用への配慮足りぬ(2008/12/04 毎日新聞の社説)

  • 政府が09年度予算編成の基本方針を閣議決定した。
  • 7月に決めた概算要求基準(シーリング)は原案の「堅持する」から「維持する」に格下げした。
  • 景気状況に応じて果断な対応を行うことも明記した。
  • これは脈絡のない歳出拡大への道である。
  • では、どうすればいいのか。
  • 第一は、従来型の事業は全面的に見直し、国民生活や地域社会維持に必要不可欠な社会資本整備の積極的推進だ。
  • 第二は安心、安全の実現につながる医療・介護や雇用では予算を惜しまないことだ。
  • 税収が大幅に減少しているため、大半を国債に頼ることになる。
  • そこで、財政規律の維持が欠かせない。
  • 有益で、かつ、経済効果も大きい財政支出を使い、景気を良くすることが政策課題だ。

混迷・予算編成 「道路一般財源化」は嘘なのか(2008/12/04 毎日新聞の社説)

  • 道路特定財源の見直しを進めていた自民党は、道路整備に加えて関係する事業にも使途を広げた新たな交付金制度を創設し、地方自治体に1兆円を配分する方針を固めた。
  • 使い道を広げるといっても新交付金は「道路」中心に用いる事実上のヒモ付き財源とみられ、使途を定めぬ一般財源化との違いは明らかだ。
  • 閣議決定までした政府の約束である一般財源化の骨抜きは到底、容認できない。
  • 国交省が先月公表した将来の自動車交通量の推計では30年の推計値が02年の従来推計より13%も下方修正された。
  • 今後10年間の道路整備費用を59兆円とする現行計画の根拠が崩れたのだから、新計画は大幅に改定されるべきだ。
  • ところが、新計画では、目標とする総事業費が示されないという。
  • 一方で自民は、ガソリン税などの暫定税率も当面維持する方針を固めた。
  • やはり「道路」は聖域なのか。
引用元:毎日jp

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