2008年11月27日 木曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

再処理工場 完工へ向けた支援が必要だ(2008/11/27 読売新聞の社説)

  • これほど難航すると誰が想像しただろう。青森県六ヶ所村にある日本原燃の再処理工場で進む、完工に向けた最終試験のことだ。
  • 廃液をガラスで固める工程がうまくいかない。本番の運転を想定して先月、溶け残った金属粒入りの別の廃液を加えたところ、炉の温度が上がらなくなった。
  • 原燃はこれを受け、今月を目標としていた完工を、来年2月に延期した。
  • この工程で対象となる廃液は極めて放射能レベルが高い。
  • だからガラス固化体にして、地中に埋設処分することになっている。
  • 液体のまま大量に、長期間保管するのは好ましいことではない。
  • 日本は、使用済み核燃料からウラン、プルトニウムを取り出し再利用する「核燃料サイクル」をエネルギー政策の柱としている。
  • ウラン資源を有効活用し、放射性の廃棄物を減らすのが目的だ。
  • こうした影響や意義を考えると政府と電力事業者には、完工に向け積極的な支援が求められる。

ソマリア沖海賊 海自派遣へ新法の検討を急げ(2008/11/27 読売新聞の社説)

  • 今年、ソマリア沖やアデン湾などで発生した海賊事件は94件で、昨年1年間の2倍を超している。
  • 米英仏独露加など15か国が既に艦船を派遣し、船舶の警護や海賊の取り締まりに当たっている。
  • 迅速な対応を優先するため、とりあえず調査名目で海自艦船を派遣し、日本船舶が襲われたら自衛隊法の海上警備行動を発令して対処する、という考え方もある。
  • だが、この場合、他国の船舶を警備することはできず、武器使用も正当防衛などに限られる。
  • やはり、海賊取り締まりを目的とする新法を制定し、警告射撃や船体射撃などでより柔軟な運用ができる体制を整備すべきだ。
  • 麻生首相も新法整備に前向きの考えを示す。
  • 民主党は今、政府・与党と対決姿勢を強めている。
  • しかし、海賊対策は国連海洋法条約や安保理決議を踏まえたもので、反対する理由はないはずだ。
  • 臨時国会の会期が延長されれば、今国会中に新法を整備することも排除すべきではない。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

道路予算は抑制し、事業の重点化を(2008/11/27 日経新聞の社説)

  • 国土交通省が策定する道路中期計画の基礎となる交通量の新たな将来推計がまとまった。
  • これまで交通量は2020年までは増えると見込んでいたが、人口減少などを背景に今後微減に転じる見通しになった。
  • 政府は09年度から道路特定財源の全額を一般財源化する方針を閣議決定している。
  • 今後交通量は伸びないのだから道路予算は中長期的に削減し、環境対策や通信インフラの整備、福祉などに大胆に振り向けるべきだろう。
  • 道路予算の内容も吟味してほしい。
  • 老朽化で耐震性に問題がある橋りょうの補修も必要だ。
  • 「道路特定財源から1兆円を地方に回す」という麻生太郎首相の発言をきっかけに、政府や自民党内では地方への配分額やその方法を巡る駆け引きも続いている。
  • 地方に配るお金は使い道ができるだけ自由な方が望ましいが、まずは国が手がける道路事業を絞り込み、権限と併せて財源を地方に移すことが重要だ。

ドル信認の薄氷踏むFRB(2008/11/27 日経新聞の社説)

  • 米政府と米連邦準備理事会(FRB)は、金融機関が個人向け融資を増やせるように、最大8000億ドル(約77兆円)に上る巨額の資金を供給する。
  • 米国の金融機関は、住宅や自動車ローンなど、個人向けの貸出債権を裏付けとする証券化商品を大量に抱え込んでいる。
  • FRBは、住宅ローン担保証券を中心に買い上げる。
  • FRBへの証券の売却で損失額が確定すれば、金融機関の資産内容の透明性が高まる効果もあるはずだ。
  • 焦点は、FRBによる資産担保証券の買い入れ価格だ。
  • 価格決定という最も大事な機能が停止していた資産担保証券の市場が息を吹き返す足がかりとなる可能性がある。
  • そのためには、買い取り対象とする証券の種類や、発行期日、価格の算定基準などを明確に示す必要がある。
  • あらゆる資産を引き受けるFRBは、資産劣化が避けられない。
  • ドルの信認を揺るがす危険を承知で巨大対策を打ち出すほど、米国は追い込まれている。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

クラスター爆弾―被害者支援で日本案を(2008/11/27 朝日新聞の社説)

  • クラスター爆弾を禁止する条約の調印式が、12月3日にノルウェーのオスロで開かれる。
  • 日本政府も条約に賛同しており、署名する方針だ。
  • クラスター爆弾は、ひとつの爆弾から多いものだと何百個もの子爆弾をばらまき、地上の戦車部隊などを攻撃する。
  • この爆弾が非人道的と批判されるのは、爆発しそこなった子爆弾が数多く残り、戦闘が終わったあとも住民に悲惨な被害をもたらすからだ。
  • クラスター爆弾を保有する日本政府は、上陸してきた敵を海岸線で撃退するのに有効だとして、全面禁止には慎重だった。
  • だが、福田前首相が人道主義への配慮や、英独などが禁止に動いたことから、条約支持を決断した。
  • 欧州諸国と協力し、条約に背を向ける米国や中国、ロシアなどに再考を促したい。
  • 97年に行われた対人地雷禁止条約の調印式には、加盟を決断した故小渕恵三外相が出席した。
  • 対人地雷禁止条約では批准が遅れ、条約を発効させた最初の40カ国には名を連ねられなかった。

農水省―消費者軽視の重い責任(2008/11/27 朝日新聞の社説)

  • 農薬などで汚染された事故米が食用に不正転売された問題で、原因と責任を議論してきた政府の有識者会議がまとめた検証結果である。
  • 「農水省自身が食の安全性に責任を持とうとしていなかった」 「目先の仕事をこなしていればよいという官僚主義的体質」
  • ここまでばっさりと切られるほど、国民に目を向けていないというのは深刻な事態だ。
  • かつて、牛海綿状脳症(BSE)の対応ぶりを批判されたあと、農水省は食の安全を重視するために消費・安全局をつくるといった組織の見直しをした。
  • だが今回、新しい組織は生かされなかった。
  • 日本の行政が産業育成にばかり目を向けていた弊害が次々に明らかになっている。
  • なのに消費者庁の設置法案は、この国会に出されたまま審議に入るめども立っていない。
  • 消費者行政をどう立て直すのか。霞が関も政治も問われている。
引用元:asahi.com

産経新聞

財政再建 国民に安心与える道筋を(2008/11/27 産経新聞の主張)

  • 来年度予算編成に関する財政制度等審議会の建議(意見書)がまとまった。
  • 先の「生活対策」の財源問題に懸念を示すとともに、財政再建に向けた税制「中期プログラム」の具体化と実行を求めている。
  • 定額給付金2兆円を含めた「生活対策」の財政措置5兆円は今年度第2次補正予算案に盛り込まれる。
  • 麻生太郎政権は財源について赤字国債に頼らないとし、財政投融資特別会計の積立剰余金を使うという。
  • 建議が「臨時・特例的」とくぎを刺したのは当然である。
  • とくに「骨太の方針2006」で示した財政再建目標の揺らぎは深刻である。
  • 建議がこの目標維持を求めると同時に、2010年代半ばの債務残高対GDP(国内総生産)比引き下げという第2段階の目標と密接にからむ「中期プログラム」に言及したことに注目したい。
  • 「生活対策」に盛られた中期プログラムは、年末までに策定する社会保障の安定財源を確保するための消費税を含む税制抜本改革の道筋のことだが、どこまで具体化されるのか不透明だ。
  • 道路族や地方が財源分捕り合戦を展開している道路特定財源の一般財源化でも、あくまで国の財政健全化に沿うべきだとし、巨額の積立金を有する雇用保険では税負担削減を提言している。
  • 麻生政権にとって大事なのは目先の景気対策だけにとらわれず、社会保障の安定財源確保と財政再建の道筋をどう具体化するかだ。
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