2008年10月29日 水曜日  著者:

仏の分類

東大寺大仏殿 多聞天先の章で述べた様に、仏には様々なキャラクターがあります。が、元々は1人でした。その1人というのは、手塚治虫氏の漫画でもおなじみのブッダ(ゴータマシッダールタ)です。日本ではお釈迦様(釈迦如来【しゃかにょらい】)と呼ばれています。悟りを開き、仏教を興した張本人です。
この釈迦如来以外の仏は、宗派や教義にもよりますが、基本的に釈迦如来の化仏【けぶつ】、つまり、釈迦如来が変身した姿だと言われています。目的や相手によって姿を変え、煩悩を挫くのです。変身ヒーローの元祖ですね。この変身属性こそが、土着の神々を取り込みやすくする下地になっています。

    土地の人「うちの神様はこんなにカッチョイイ。」
    仏教徒 「それはお釈迦様が変身してんだよ。」
    土地の人「マジかよ。お釈迦様超カッチョイイ。」

言ったもん勝ちな雰囲気も漂いますが、こうして変身レパートリーを増やしながら広まっていった訳です。また、変身だけではなく、別の宗教から宗旨替えをした神様や、悟りを開こうと修行中の人等も「仏」として崇められます。
では、彼の変身レパートリーとその仲間たちを、少し系統立てて分類しながら見ていきましょう。

如来部【にょらい】

東大寺 毘盧遮那如来仏教の世界で、もっとも徳が高いと言われているのが、この如来です。もちろんお釈迦様も含まれます。他にも「南無阿弥陀仏【なんまいだぶ】」でおなじみの阿弥陀如来【あみだにょらい】、奈良の大仏でおなじみの毘盧遮那如来【びるしゃなにょらい】、ロン毛でおしゃれなナイスガイの大日如来【だいにちにょらい】等々、最高神でありながらもその種類は豊富です。
徳が高すぎて、彼の話は我々凡人には理解できないそうです。ちょっと鼻持ちならないところですが、なんたって最高神ですから、誰にでも親しみやすいというわけにはいかないのでしょう。
見分けかたは簡単。パンチパーマ(螺髪【らほつ】)であれば、まず間違いなく如来です。既に悟りを開いたお人ですので、身につけているのも衣1枚と大変質素です。ただ、大日如来だけは例外です。髪はストレートのサラサラロング、身につけているのも、宝冠から豪華な首飾り、アームレットにブレスレットと重装備です。しかし、彼は特徴的な印【いん】(手の形)を結んでいるので、見分けるのが難しいということはないでしょう。このあたりは後ほど説明いたします。

菩薩部【ぼさつ】

十一面観音人々を救済しながら、悟りを開こうと修行している仏です。修行を重ねているだけあって、我々凡人とは違い、如来の言っている事が理解できます。なおかつ、人々を救済しながら修行しているので、我々凡人との接しかたにも通じており、如来の言葉を噛み砕いて分かりやすく我々に説明してくれます。
修行中とは言いながら、変身属性も持つものもおり、如来にも増してその種類は豊富です。きらびやかに着飾った姿で描かれる事が多く、着流し風なゆるめの衣服、豪華な宝冠やネックレス、水差しや錫杖【しゃくじょう】等のおしゃれアイテムが目印です。釈迦が悟りを開く前、つまり修行中は一国の王子であったことが影響していると言われています。

親しみやすい上に救ってくれるというだけあって、一般受けがよく、多くの仏像が造られました。その中でも良く目にするであろう菩薩が、観音菩薩【かんのんぼさつ】でしょう。いわゆる観音様です。変身属性を持っており、観音の中だけでも、千手観音、十一面観音、馬頭観音…etc、と種類が豊富です。他にも、「文殊の知恵」でおなじみの文殊菩薩【もんじゅぼさつ】、実はちゃっかり悟りを開いちゃってるキャリア系菩薩の弥勒菩薩【みろくぼさつ】、Mr.むかし話、知名度No.1の地蔵菩薩【じぞうぼさつ】(お地蔵さん)等々、数え上げたらキリがありません。

明王部【みょうおう】

愛染明王密教の仏像で、まず例外なく怒ってます。背中に炎を背負っていたり、鬼を踏んづけていたり、手に持つアイテムが刀やドクロ等物騒なものだったり、とにかくおっかない集団です。が、しかし、それが幸いしてか、このグループの仏像は激しい動きや表情を持ち、見ていて飽きない作りのものが多数存在します。
おっかないとはいえ、やはり仏様ですから、怒っているのも正義のためです。言って分からん奴は、刀で張り倒してでも救ってやろうという姿勢が、この形になっているのです。いわばダーティーヒーローですね。男の子のハートを鷲掴みです。
不動明王【ふどうみょうおう】は各地に祀られているので、ご存知の方も多いでしょう。彼は五大明王というユニットのリーダーでもあるのですが、そのお話はまた後ほど。

天部【てん】

東大寺大仏殿 多聞天天部の多くは、古代インドのバラモン教(ヒンドゥー教の前身)の神々が元になっています。その姿は、菩薩以上にバラエティーに富み、穏やかな表情の菩薩達とは逆に、怒りむき出しの憤怒の形相で描かれる仏も多くいます。異国情緒溢れる鎧を身にまとっていたり、女性の像が出てきたりするのも特徴です。名前の最後に「天」のつく事が多いので、見分けるには仏像に添えられた名札を探すのが一番手っ取り早いでしょう。

有名どころでは、四天王の4名(持国天【じこくてん】、増長天【ぞうちょうてん】、広目天【広目天】、多聞天【たもんてん】)、「男はつらいよ」でおなじみの帝釈天【たいしゃくてん】、七福神の紅一点である弁財天【べんざいてん】(弁天さん)等がこのグループです。

諸尊【しょそん】

風神雷神如来、菩薩、天、明王と見てきましたが、これら以外にも仏は存在します。例えば、お寺の門番デュオ金剛力士【こんごうりきし】(仁王とも)や、悪魔超人アシュラマンの元になったと思われる阿修羅【あしゅら】、今や選挙のマスコットになってしまった感が否めない達磨大師【だるまたいし】、モー娘。?AKB48?そんなの全然目じゃない、500人の坊さんユニット五百羅漢【ごひゃくらかん】等々、個性的なメンツが揃っています。

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