2008年11月18日 火曜日  著者:

現世のヒーロー 阿弥陀如来

阿弥陀如来とは

阿弥陀如来平安時代に人気爆発。以来仏教界のトップスターとして第一線を走り続けるのが、この阿弥陀如来【あみだにょらい】です。前出の釈迦如来は、紀元前500~600年にこの世に現れ、人々を救い、涅槃【ねはん】に入りました。つまり入滅しました。平たく言うと、死亡しました。従って、「過去仏」と呼ばれます。

逆にこの先の世界に現れ、末法の世を救うと言われているのが「弥勒如来【みろくにょらい】」で、これを「未来仏」と呼びます。しかし、この弥勒如来が現れるのは、釈迦の入滅から数えて56億7千万年後。2008年現在で、釈迦の入滅からだいたい2500年くらいですので、彼が現れるのは5,670,000,000-2,500で、えーと、誤差を無視すると、おおよそ56億7千万年後です。全く近づいていません。

では、その間この世を誰が救ってくれるのかと、不安のどん底に叩き込まれた衆生達の前に現れたのが、この阿弥陀如来です。隙間産業ですね。
リアルタイムで衆生を救ってくれるため、彼を「現在仏」と呼びます。かといって、彼が地球上のどこかをウロウロしているのかというと、そういう訳ではなく、極楽浄土で現在も説法をしているそうです。天国に行けば、今も多分会えます。

阿弥陀如来の特徴

肉髻珠悟りを開いた者が持つ特徴である、「三十二相八十種好」に沿った姿なので、釈迦如来とほとんど見分けがつきません。若干の違いと言えば、肉髻【にくけい】(頭のてっぺんのコブ)の付け根に赤い宝石が埋め込まれていたり、そこだけ一部ハゲていたりします。これは肉髻珠【にくけいしゅ】と呼ばれるもので、智恵【ちえ】の象徴とされています。ここから化仏【けぶつ】を放出することもあるようです。一説には、赤く盛り上がり、ハゲ上がった頭頂部の地肌だとする説もあります。どこかに頭ぶつけたんでしょうか。この肉髻珠、阿弥陀如来で比較的多く見られますが、彼独自の特徴と言う訳ではありません。他の如来についていることもありますし、阿弥陀如来についていない事もあります。

五劫思惟阿弥陀如来阿弥陀如来は大変な苦労人で、悟りを開くまでにとんでもなく長い歳月をかけています。その間なんと五劫【ごこう】。聞いた事のない単位ですね。
三千年に一度、天人が下界に下りてきて、巌(巨大な岩)を衣でなでていきます。なぜそんな事しにくるのかは知りませんが、とにかくなでていきます。衣でなで、三千年後にまたなでて、そのまた三千年後になでてなでて、ついに巌がすり減ってなくなってしまった。これが一劫です。その5倍というのですから、なんだかバカにされてる様な気がしてくる程、長い長い歳月です。この長い歳月を、まだ菩薩であった阿弥陀は、じーっと瞑想し、ようやく悟りにたどり着きます。

この様子を仏像にしたのが、一部業界で有名な五劫思惟阿弥陀如来像【ごこうしゆいあみだにょらい】です。長い間瞑想していたため、髪の毛が伸び放題です。伸びはするもののクルクル螺髪であるため、ロン毛というよりアフロになってしまいます。このアフロ仏から伝わるグルーヴは、ジミヘンのそれを遥かに上回ります。我々衆生を救うために宇宙の歴史より長い間かけて作ったアフロですからね、格が違います。

釈迦如来の見分け方

阿弥陀如来の印他の如来と見分けるには、やはり「印【いん】」が最も有効でしょう。
もっともよく見られるのが阿弥陀定印【あみだじょういん】です。座像でよく見られます。一休さんがとんちをひねる時のポーズを、禅定印【ぜんじょういん】といいます。禅寺(臨済宗)の人ですからね。その禅定印を結び、両手の人差し指を立てて合わせたのが阿弥陀定印です。鎌倉大仏として有名な高徳院の銅造阿弥陀如来坐像も、この阿弥陀定印を結んでいます。

この他にも、浄土真宗の寺院等では九品往生印【くぼんおうじょういん】を結んでいる像も多くあります。阿弥陀定印もこの九品往生印の中のひとつですが、親指と接するのがどの指か?両手が合わさっているか、?合わさっていない場合、手が上を向いているか下を向いているか?の違いで9種類の印を作っています。上図の場合、向かって左側の印が「上品上生」、右側が「中品下生」を意味します。

人は生前の行いによって死亡時に往生のランク付けがなされるそうなのですが、これらの印は、そのうちのどのランクなのか?を意味しています。上の上(上品上生)から上の中(上品中正)と下がっていき、下の下(下品下生)までの9段階になります。この九品往生印を見れば、どのランクを担当してる阿弥陀如来なのかが分かるしくみです。
すがるのであれば、一番基準の緩そうな下品下生の阿弥陀如来にしておきたいところですね。それでもこんな文章を書いている筆者は迎え入れてもらえないのでしょうけども。まぁいいか。

他にも、釈迦如来と同じ施無畏印・与願印セットや来迎印【らいごういん】と呼ばれる印を結ぶ事もあります。この場合判別が難しくなりますが、阿弥陀三尊であった場合、観音菩薩と勢至菩薩【せいしぼさつ】が並ぶので、これを目安にするとよいでしょう。

釈迦如来スペック

名称 阿弥陀如来【あみだにょらい】 無量寿仏【むりょうじゅぶつ】 無量光仏【むりょうこうぶつ】
サンスクリット名 アミターバ
所属ユニット 阿弥陀三尊 五智如来
脇侍 観音菩薩・勢至菩薩
変身・分身 観音菩薩
お住まい 中尊寺 高徳院 平等院 浄瑠璃寺 etc.
阿弥陀定印 九品往生印 「施無畏印・与願印」etc.
真言 オン・アミリタ・テイセイ・カラ・ウン

阿弥陀如来に会いに行こう

阿弥陀如来は数が多いので、国宝だけ抜粋してみました。公開スケジュールは変更される場合がありますので、事前に各お寺に確認されることをおすすめします。

寺社名 通称(安置) 指定 住所 電話 ご開帳予定日
東北地方
中尊寺 金色堂 岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202 0191-46-2211 常設
関東地方
高徳院 鎌倉大仏 神奈川県鎌倉市長谷4-2-28 0467-22-0703 常設
近畿地方
法隆寺   奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1 0745-75-2555 秘仏
平等院 (鳳凰堂) 京都府宇治市宇治蓮華116 0774-21-2861 常設
広隆寺 (講堂) 京都市右京区太秦峰岡町32 075-861-1461 常設
仁和寺 (金堂) 京都市右京区御室大内33 075-461-1155 常設
法界寺 (阿弥陀堂) 京都市伏見区日野西大道町19 075-571-0024 常設
三千院 (往生極楽院) 京都市左京区大原来迎院町540 075-744-2531 常設
清凉寺 (霊宝館) 京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町 075-861-0343 常設
浄瑠璃寺   京都府木津川市加茂町西札場40 0774-76-2390 常設
浄土寺   兵庫県小野市浄谷町2094 0794-62-2651 常設

…国宝 …重要文化財  県・市…各自治体指定文化財
釈迦如来薬師如来

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3件のコメント >コメントする

  1.  阿弥陀仏の浄土は西にあるらしい。アミターバは無量光、無量寿。阿弥陀経の中では、東西南北上下のいろいろな仏が浄土を覆うほどの長い舌で阿弥陀仏をほめほめ奨める。
    「あそこに生まれたら、次には仏に生まれかわれる」らしい。寿命は長いらしい。

    コメント by シャクソン・ファイブ — 2008年11月19日 @ 0:19

  2. わかりやすくておもしろいです。ありがとうございます!

    コメント by のんたん — 2010年11月22日 @ 22:57

  3. 自分は、日蓮上人さんが好きなんですが、どこか良いサイト教えてくれませんか?

    上記の(め-る)で。。ジョーダンじゃね~わっ!!って感じなら、他あたります

    突然、すいませんでした。。。

    コメント by 私の名はセル — 2015年4月24日 @ 15:44

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