2008年11月14日 金曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

中国臓器仲介 移植できぬ国内状況も問題だ(2008/11/14 読売新聞の社説)

  • 警察当局が、中国で日本人への臓器移植仲介事業を手掛けていた団体の捜査に乗り出した。
  • 臓器移植法は、臓器の提供や仲介によって利益を得ることを禁じており、国外での行為も処罰される。
  • 中国でも昨年から臓器売買を禁じる法令が施行されており、仲介団体の日本人代表は、これに違反したとして中国で逮捕された。
  • こうした問題が起こる背景には国内ではほとんど臓器移植を受けられないという現状がある。
  • 脳死した人からの移植に、世界で例のない厳しい条件を定めているからだ。
  • 国会には、諸外国と同様に、本人の意思が分からない時は家族の承諾で移植を認める案など、複数の改正案が提出されている。
  • ところが一向に審議されないのはどうしたことか。
  • 国内で脳死移植を制限しながら外国で臓器をもらう。いや、事実上買っている。
  • この状況をいつまでも続けるわけにはいかない。

前総統逮捕 台湾民主政治の大きな汚点(2008/11/14 読売新聞の社説)

  • 国民党の長期支配を打破し、台湾初の政権交代を成し遂げて、民主化の立役者となった陳氏の転落は衝撃的でもある。
  • 少数派の大陸出身者と多数派の台湾出身者との間の対立感情をいたずらに煽(あお)ることなく、理性ある対応を望みたい。
  • 今年5月の退任まで2期、8年間にわたり総統を務めた陳氏の政権は、再選後から、一族・側近による不正が目立ち始めた。
  • 先の総統選挙で、民進党候補が国民党の馬英九氏に大敗した大きな原因は、陳水扁総統(当時)をはじめとする政権の腐敗・汚職ぶりに有権者が強い拒絶反応を示したためだった。
  • 陳前総統の直接の逮捕容疑は、資金洗浄(マネーロンダリング)、収賄、横領など五つに上る。
  • 民進党が金権腐敗だと批判していた国民党も顔負けの不正だ。
  • 清潔な政治が看板の民進党だけに、陳前総統の犯罪を徹底解明することから党再生を始めるべきだ。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

国際的な独禁法運用は厳格かつ公平に(2008/11/14 日経新聞の社説)

  • 欧米の独禁当局が、国際的なカルテルに厳罰で臨む姿勢を一段と鮮明にしている。
  • 欧州連合(EU)の欧州委員会は自動車用ガラスの価格カルテルを摘発。
  • 日本板硝子の子会社など4社に対し、総額で過去最高となる約13億8000万ユーロ(約1700億円)の制裁金支払いを命じた。
  • 米司法省も液晶パネルの価格カルテルで、シャープなど3社に計5億8500万ドル(約550億円)の罰金を科した。
  • 経営者はカルテルがユーザー企業や消費者への背信行為であることを自覚し、未然防止に努めるべきだ。
  • 制裁金などの額によっては、経営を揺るがすリスクがあることも肝に銘じる必要がある。
  • 一方で独禁当局にも課題がある。
  • 世界的に見た公平性を確保するため、制度や運用ルールをなるべく標準化すべきではないか。
  • 例えば制度面で、EUは行政処分、米国は刑事罰といった違いがある。
  • 自国や域内の産業保護のため、外国企業に厳罰を科しているのではないかとの疑念を生む可能性もあろう。
  • 日米欧で情報交換などカルテル調査の協力は進んでいるが、独禁法の制度・運用の国際標準化も推進すべきだ。

高齢犯罪急増をどう止める(2008/11/14 日経新聞の社説)

  • ここで言う高齢犯罪は、高齢者を狙う犯罪ではなく高齢者が起こす犯罪を指す。
  • 昨年、一般刑法犯(刑法犯から交通事故関係を除く)として検挙された65歳以上の高齢者は約4万8600人と1988年のほぼ5倍に増えた。
  • 同時期の65歳以上人口の増え方は約2倍である。
  • 社会の高齢化の勢いをはるかに超えた急増ぶりに法務省は危機感を持ち、今年の犯罪白書で「高齢犯罪者の実態と処遇」を特集した。
  • 白書から引けば、「福祉制度の拡充、住まいの場の拡充、就労支援、地域社会の協力などの取り組みと、刑事司法機関の取り組みとを密に連携させながら、社会全体で対策を講じていく」しかあるまい。
  • 事件の訴訟記録を調べると「経済的不安」「疎外感・被差別感」「あきらめ・ホームレス志向」が罪を犯した背景に浮かび上がる、と白書は指摘し次のように結論づけている。
  • 「(犯罪を重ねる)犯罪性が進んだ高齢犯罪者ほど、社会的な孤立や経済的不安といった深刻な問題を抱えており、このことが高齢犯罪者全般の主な増加原因である」
  • 法務省の調査によると、満期出所した65歳以上の受刑者の約7割が5年以内に再入所する悲しい現実がある。
  • これもまた、高齢犯罪の増加を止める対策を社会全体で講じる必要を訴えている。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

海外臓器移植―「仲介」の実態を明らかに(2008/11/14 朝日新聞の社説)

  • 専門医のきちんとした紹介がないまま海外に出かけて腎臓や肝臓などの移植を受ける。
  • そこに介在するのが、渡航先の病院に橋渡しをする個人や団体だ。
  • 渡航先の医療水準などをつかみにくく、手術後のケアが不十分なまま帰国する人もいる。
  • 費用面の不透明さもぬぐえない。
  • 日本の臓器移植法も、臓器提供やそのあっせんで利益を受けることを禁じている。
  • だが、必要経費の名目でもうけを得ている業者がいるのではないか。そんな疑いは消えない。
  • (日本では)1997年に臓器移植法が成立したが、法の施行以来、脳死移植も80例足らずにとどまる。
  • 移植をしやすくするために条件を緩めるなどの改正案が国会に提出されているが、たなざらしのままだ。
  • 多くの人に納得ずくで移植医療を受け入れてもらうためにも、まず不透明な海外移植の実態解明が急がれる。

カルテル横行―罰則強化の法改正を急げ(2008/11/14 朝日新聞の社説)

  • 米司法省がおととい、パソコンや携帯電話に使われる液晶パネルのカルテルで、シャープなど日韓台のメーカー3社が罪を認めたと発表した。
  • 欧州委員会も今週、自動車用ガラスのカルテルで旭硝子など日欧の4社に制裁金の支払いを命じた。
  • 国内でも、住宅の屋根などに使われる亜鉛めっき鋼板でカルテルがあったとして、公正取引委員会が大手3社を検察当局に刑事告発した。
  • このような行為を防止するには、企業に「カルテルは割に合わない犯罪」だと思わせるだけの、抑止力のある罰則が必要だ。
  • その点、日本の罰則はまだ軽すぎるのではないか。
  • 公取委は米欧にならって、企業がみずから違反を当局へ通報すれば処分を軽くする「課徴金減免制度」を導入した。
  • 効果をさらに高めるためにも、罰金・課徴金を大幅に引き上げた方がいい。
  • 世界経済はこれから景気の後退が進むだろう。苦しくなった企業や業界が価格カルテルに走る恐れも高まる。
  • 国際的に連携してこれを防止することは、いまの経済混乱を鎮めて市場経済を安定させるためにも必要だ。
  • 主犯格企業の課徴金の割り増しや時効の延長を盛り込んだ独禁法改正案を政府が国会に提出しているが、棚上げされる可能性が強まっている。
  • さらに罰則を強化することを検討しつつ、早期の成立をめざしてもらいたい。
引用元:asahi.com

産経新聞

北の核検証 サンプル採取拒否許すな(2008/11/14 産経新聞の主張)

  • 北朝鮮の核計画申告の検証について、北がサンプル(試料)採取を拒否し、検証対象も寧辺の核施設に限定していたことが明らかになった。
  • 重要な手順を口約束などで処理していたヒル米首席代表のずさんな交渉姿勢がまた露呈した形だ。
  • プルトニウム量の科学的な推定ができなければ、北朝鮮の核爆弾保有量の特定も不可能に近い。
  • 問題はそれだけではない。
  • 北朝鮮の主張通りとすれば、検証そのものが北に対するエネルギー支援を完了しなければ着手できない。
  • しかも、対象は寧辺のプルトニウム施設に限られ、ウラン濃縮や第三国への拡散などの懸案は先送りとなる見通しとなっている。
  • 日本政府はあくまで試料採取にこだわるべきだ。
  • 北は日米韓の分断も狙っている。
  • ここは日韓が協調して米国に厳正な検証を求め、3カ国の結束を新たにすることが必要だ。
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