2008年11月13日 木曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

定額給付金 迷走の末に地方丸投げとは(2008/11/13 読売新聞の社説)

  • 総額約2兆円の定額給付金の概要が、ようやく固まった。
  • 制度の細目が極めて曖昧(あいまい)で、国の施策としては“無責任”とも言える内容となった。
  • これでは、実際にお金を配る実務を担う市町村の現場は、混乱が避けられまい。
  • 政府・与党はこの際、制度設計を、根本からやり直すべきだ。
  • 選挙対策として華々しく打ち出し、詰めは衆院選の後でやればいい。
  • そう考えていたが、解散先送りで予定が大いに狂った――こんな事情が透けてみえる。
  • 「政局より政策」というのが、麻生首相が解散を先送りしたうたい文句だ。
  • その結果、こんな政策が出てくるようでは、首相の指導力が問われよう。

淀川水系ダム 川辺川に続く自治体の「ノー」(2008/11/13 読売新聞の社説)

  • 国土交通省近畿地方整備局が進める淀川水系の大戸川ダム(大津市)の建設計画について、滋賀、京都、大阪、三重の4府県の知事が、不要とする判断を示した。
  • 治水、利水、発電の多目的ダムだったが、水の需要が減って大阪府が利水から撤退するなどして、治水だけが残されていた。
  • その最後の目的についても、「治水の効果が低い」と府県側がノーを突きつけた。
  • 整備局はこの際、建設計画の白紙撤回を決断すべきだ。
  • ダムに代わる治水対策について、自治体などと協議に入る必要があろう。
  • 全国には150を超えるダム計画があるが、地元の反対などで暗礁に乗り上げているケースが少なくない。
  • 国交省は全面的に計画を洗い直し、建設に値するかどうか選別すべきではないか。
  • 都道府県をまたぐ河川整備は、広域行政や地方分権を進める上での試金石とされる。
  • 各自治体は協力して、治水対策に万全を期さねばならない。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

大戸川ダムは中止し、整備局の解体を(2008/11/13 日経新聞の社説)

  • 淀川水系で国土交通省近畿地方整備局が計画している大戸川ダムについて、大阪、京都、滋賀、三重の4府県の知事が建設中止を求めた。
  • 利害が対立しがちな流域自治体が共同提出した意見は重い。
  • 国交省はダムに固執することはやめ、新たな治水対策を早期に検討すべきだ。
  • 今回も、同整備局はダムを凍結する場合、滋賀県内の関連道路の整備を中止する意向を事前に伝えたという。
  • 大阪府の橋下徹知事らは「国の圧力だ」と強く反発している。
  • 治水対策に対する民意はダムで洪水を抑え込む方式から、堤防強化や危険地域の宅地化抑制、災害情報の迅速な提供などを組み合わせた「減災」に移り始めている。
  • 近畿整備局の予算は約1兆3000億円に上る。
  • 地方分権が求められる現在、こんな公共事業の巨大機関などいるのだろうか。
  • 近畿整備局の姿勢が煮え切らないようなら、真っ先に解体して権限と財源を自治体に移してはどうか。

疑問だらけの定額給付金(2008/11/13 日経新聞の社説)

  • 自民、公明両党は追加経済対策に盛り込んだ2兆円の定額給付金の支給方式で合意した。
  • 私たちは定額給付金について、財政コストと比べた景気浮揚効果が薄いといった問題点を指摘してきた。
  • 苦しい国の台所から2兆円ものおカネをひねり出すなら、ほかに有効な使い道はなかったのか、疑問は募るばかりだ。
  • それ以上に本質的な問題は、今回の定額給付金が何を目的にしているのかがよくわからないことだ。
  • 景気の浮揚策ということなら、ほとんどの世帯に広く薄く配る定額給付金の効果は小さいと言わざるを得ない。
  • 経済悪化で苦しむ弱者対策というなら、なおさら対象が広すぎる。
  • 働く低所得者などの支援を狙いとした「給付金付き税額控除」という考え方が経済学者の間などでは出ている。
  • 今回の定額給付金は一見それに似ているが、1回限りであり将来につながる性格のものともいえない。
  • 2兆円の定額給付金は賢明なおカネの使い方とはいえない。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

定額給付金 ふらつく麻生政権の足元(2008/11/13 朝日新聞の社説)

  • 麻生政権の看板政策である定額給付金をどう配るか。
  • 政府与党の調整がようやくまとまった。
  • 金額は1人あたり一律1万2千円。
  • 18歳以下と65歳以上には8千円を上乗せする。
  • 必要な約2兆円は各市町村を通じて支給するという。
  • 自治体には困惑が広がっている。
  • 全国市長会会長の佐竹敬久・秋田市長がさっそく「法律などの裏付けなしに自治体が勝手に所得制限をやれ、といっても無理だ」と反発したのは当然のことだろう。
  • 今後の国会審議を考えれば、給付の仕方がまとまったからといって、首相のめざす年度内支給がすんなり実現するとはかぎらない。
  • この構想は、いよいよ支離滅裂なものになっている。

東京裁判60年 歴史から目をそらすまい(2008/11/13 朝日新聞の社説)

  • 極東国際軍事裁判、いわゆる東京裁判の判決から60年がたった。
  • 第2次世界大戦後に日本の戦争指導者を裁いたこの国際裁判は、東条英機元首相ら7人を絞首刑にするなど、日本の政治家や軍の幹部25人を厳しく断罪した。
  • 日本の過去の植民地支配や侵略を正当化した田母神(たもがみ)俊雄・前航空幕僚長の論文でも、東京裁判で認定された日本の戦争犯罪が、今もいわばマインドコントロールのように日本人を惑わしていると批判した。
  • 東京裁判に問題があるのは事実である。
  • その一方で、この裁判の意義も忘れてはならない。
  • こうした両面をそのまま受け入れる必要がある。
  • 都合の良い歴史だけをつなげて愛国心をあおるのは、もう終わりにしたい。
  • グローバル化は進み、狭い日本の仲間うちだけで身勝手な物語に酔いしれていられる世界では、もはやない。
  • 悪いのは全部外国だ。そう言いつのるだけでは、国際社会で尊敬される日本がどうして築けるだろうか。
引用元:asahi.com

産経新聞

定額給付金 誰もが納得する配り方に(2008/11/13 産経新聞の主張)

  • 追加経済対策の目玉とされた総額2兆円規模の定額給付金について、与党は所得制限の下限を1800万円と定め、実際に制限を設けるかどうかの判断は給付窓口となる市町村に委ねた。
  • 税金の使い道について政府が明確なルールを決めず、地方に任せるのは無責任すぎる。
  • 与党合意は、給付金の金額を1人当たり1万2000円とし、65歳以上と18歳以下は8000円加算することを確認した。
  • これに沿って国が市町村別に必要な金額を交付する。
  • 所得制限を設ける場合は、給与所得控除や必要経費などを引いた所得で1800万円を下限とする。
  • 驚いたのは、給付金を返す人がいた場合、その分は事務費として市町村に与えるというルールだ。
  • 国費なのだから、余れば当然、国に戻すべきだ。
  • 給付金は衆院選対策の色彩が濃かったが、早期解散を先送りした以上、少しでも景気対策に役立つ方法を考えたい。
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