2008年11月12日 水曜日  著者: 山田八王子

読売新聞

自民党税調 増減税のメリハリが重要だ(2008/11/12 読売新聞の社説)

  • 自民党税制調査会が、来年度以降の税制改正に向け本格的な議論を始めた。
  • 2010年代半ばに向けた税制抜本改革の道筋を示す「中期プログラム」の策定という大仕事もある。
  • 来年度の改正では、税制面からの景気浮揚策が焦点となる。
  • 住宅ローン減税、住民税も減税対象、証券税制で優遇策、ガソリン税などの暫定税率の扱い、自動車重量税の引き下げが検討されそうだ。
  • 景気浮揚効果が大きい分野では、思い切った減税策を講じるべきだろう。
  • 同時に、国の財政状況にも目配りを欠いてはならない。
  • 中期プログラムで、安定財源を確保するための消費税引き上げを明確に打ち出す必要がある。
  • 中身のある税制改正には、麻生首相のリーダーシップが欠かせない。

前空幕長招致 「言論の自由」をはき違えるな(2008/11/12 読売新聞の社説)

  • 田母神俊雄・前航空幕僚長は参院外交防衛委員会での参考人招致で、終始、「我が国が侵略国家というのは濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)だ」などとする自らの懸賞論文の内容を正当化しようとした。
  • 田母神氏が身勝手な主張を続けることは、むしろ防衛省・自衛隊が長年、国際平和協力活動や災害派遣で地道に築いていた実績や国内外の評価を損なう。
  • 一私人なら、日本の植民地支配や侵略を認めた村山首相談話と異なる見解を表明しても、何ら問題はなかろう。
  • しかし、4万5000人を率いる空自トップが政府見解に公然と反旗を翻すのでは、政府も、自衛隊も、組織として成り立たなくなってしまう。
  • 空自では、同じ懸賞論文に、隊員94人が組織的に応募していたことが判明している。
  • 自衛隊幹部は、軍事的知見や統率力に加え、高い見識、広い視野とバランス感覚が求められる。
  • 防衛省は、自衛隊の幹部教育や人事管理を抜本的に見直し、検討中の省改革の計画に的確に反映すべきだ。
引用元:YOMIURI ONLINE

日経新聞

目に余るカルテル、鉄鋼業界は猛省を(2008/11/12 日経新聞の社説)

  • 建材用亜鉛めっき鋼板の価格カルテルをめぐり公正取引委員会は11日、日新製鋼など大手鋼板メーカー3社を独占禁止法違反の容疑で刑事告発した。
  • 告発されたのは新日本製鉄と住友金属工業が出資する日鉄住金鋼板(東京)、新日鉄が最大株主の日新製鋼のほか淀川製鋼所。
  • JFE鋼板(東京)もカルテルに加わったが、最初に自主申告し告発を免れた。
  • 鉄鋼業界の独禁法違反は目に余る。昔からのカルテル・談合体質を変えられないとしたら、事態は深刻である。
  • カルテル・談合の首謀者への処分強化などを盛り込んだ独禁法の再改正案は先の国会で継続審査となった。
  • 今回の事件の解明では改正独禁法で導入した「違法行為を自主申告した企業に課徴金の減免措置などをとる制度」が役だった。
  • だが、この制度の導入は米国に13年、欧州連合に10年遅れた。欧米に学ぶべき点があれば早く採り入れるべきだ。
  • カルテルや談合を何回も摘発された新日鉄グループの総帥、三村明夫同社会長は現政権の経済財政諮問会議議員を務める。
  • 日本経済の未来を思うなら、まず自らの会社グループの規律を引き締めてほしいものだ。

田母神氏だけなのか心配だ(2008/11/12 日経新聞の社説)

  • 政府見解に反する歴史認識の論文を公表して解任された田母神俊雄前航空幕僚長に対する参院外交防衛委員会の質疑は、不完全燃焼だった。
  • 心配なのは、空自内部で田母神氏のような歴史観がどの程度の広がりを持つのかであり、懸賞論文の公募に組織的関与があったかと併せ、さらなる解明を要する。
  • 空自小松基地「金沢友の会」の会長は「真の近現代史観」をめぐる懸賞論文を企画したアパグループの代表である。
  • 田母神氏は小松勤務の経験がある。
  • 空自内部に一定の歴史観を広める結果につながっていないだろうか。
  • 田母神氏は懲戒をめぐる手続きの省略を認めず、徹底抗戦の構えをとった。
  • このため短時間で懲戒できず、空幕長を解任して定年退職させる苦肉の策となったからだ。
  • 政治家による軍に対する統制(シビリアンコントロール)を持ち出すまでもない。
  • 田母神氏のように上官の命令に従わない指揮官をいただく軍事組織は下克上の混乱に陥る危険がある。
  • いつからこんな危険な空気が防衛省には広がったのだろう。
引用元:NIKKEI NET

朝日新聞

前空幕長 「言論の自由」のはき違え(2008/11/12 朝日新聞の社説)

  • 航空自衛隊の田母神(たもがみ)前幕僚長を招いての参院の参考人質疑は、そんな懸念を強く抱かせるものだった。
  • 田母神氏は「自衛官にも言論の自由がある」「言論統制はおかしい」と繰り返し発言した。
  • むろん、自衛官にも言論の自由はある。だが、政府の命令で軍事力を行使する組織の一員である以上、相応の制約が課されるのは当然ではないか。
  • 航空自衛隊を率い、統幕学校の校長も務めた人物が、政府方針、基本的な対外姿勢と矛盾する歴史認識を公然と発表し、内部の隊員教育までゆがめる「自由」があろうはずがない。
  • 問題が表面化した後、防衛大学校の五百旗頭(いおきべ)真校長は毎日新聞のコラムでこう書いた。「軍人が自らの信念や思い込みに基づいて独自に行動することは……きわめて危険である」「軍人は国民に選ばれた政府の判断に従って行動することが求められる」
  • それにしても、文民統制の主役としての政治の動きがあまりにも鈍い。
  • 麻生首相の認識が聞きたい。防衛省はなぜ省をあげての調査体制をつくらないのか。
  • 政府の腰が重いのなら、国会が国政調査権を発動して乗り出すしかあるまい。

淀川水系ダム 知事の反乱を受け止めよ(2008/11/12 朝日新聞の社説)

  • 大阪の橋下徹、京都の山田啓二、滋賀の嘉田由紀子の3知事と三重の副知事が集まり、淀川水系の大戸川(だいどがわ)ダムの建設に反対を表明した。
  • 国交省はただちに建設を中止すべきである。
  • 地域の政策の優先順位は、選挙で選ばれた首長が決めることだ。ダム反対を通じて知事は、そう主張している。
  • さらに、直轄事業の巨額の負担金は自治体の重い荷物になる。直轄ダムの地方負担は3割だ。
  • 最大の負担者の大阪府には今後、何百億円もの出費が求められる。5兆円の借金に苦しむ自治体にそんな余裕があるわけがない。
  • そういう意味で、民主党が今国会に提出をめざす公共事業改革の3法案は注目される。
  • 国交省が進めるすべてのダムを凍結し、2年間かけて必要性をチェックする。100億円以上の公共事業は国会承認を義務づけるなどの内容だ。
  • ぜひ成立させてほしい。地方の知事の相次ぐ「反乱」に、今度は国会が応える番だ。
引用元:asahi.com

産経新聞

大戸川ダム反対 分権の推進につなげたい(2008/11/12 産経新聞の主張)

  • 滋賀、京都、大阪、三重の4府県知事が淀川水系大戸川(だいどがわ)ダム(大津市)建設計画について、事実上中止を求める共同意見を発表した。
  • ダム建設では流域の上流にあるか下流にあるかで府や県の利害は異なる場合が多い。それだけに、自治体の枠組みを超えた今回の決定を注目したい。
  • 総事業費は1080億円で、このうち約3割が大阪府、京都府、滋賀県の負担だ。
  • 今回の4府県の決定は「地元のことは地元で決め、責任を持つ」という意識の表れであり、意味がある。
  • その一方で、大津市は地域住民の安全の観点から中止要求に反発している。
  • 4府県知事は、代替案の検討などで、こうした声に責任を持って応えねばならない。
  • 地方分権改革の議論が進めば、複数の自治体にまたがる河川管理は重要なテーマとなる。
  • 国と地方の関係だけでなく、地方の側の関連自治体同士が責任や負担をどう受け持つか、その場合、どこまで国に頼るのかなど厳しい問題と向き合わなければならない。
  • 4知事の決断が地方分権の推進につながることを期待したい。
人気ブログランキング ブログランキング・にほんブログ村へ

関連する投稿

コメントはまだありません >コメントする

コメントはまだありません。

コメントする